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あと最低でも30分は座って待たなければいけない。

というのに、もうすぐ観測者はこちらに来そうだった。

息を潜めて、様子を伺う。

ここを通り過ぎてくれなければ、30分以上もかかる待ち時間のうちに気づかれてしまう。

そう思っていると、観測者はこちらに曲がってきた。

迷いなどなさそうで、初めから気づいていそうだった。

カルキュルコアを壊した時点で、ある程度は通達でも行くのだろうか。

と、想像する時間もなく、目が合った。

こっちに走ってくるのを見て、武器を構える。

椅子を立ち上がって、目の前の観測者に立ち向かうはめになってしまった。


「我は観戦しておるぞ〜」


そうコンビニに行く感覚で言ってきたノヴェーヌを、軽く睨みながら法紋も準備する。

操縦席に座るのが間に合うようにしなければいけない。


向こうは法紋は一切使わず魔杖を使って戦うようで、直接魔杖から光が舞ってこちらに迫ってくる。

奇妙な細かい動きに、追尾してくる光は厄介だった。

合間を縫って、観測者に近づいては魔槍で突く、を繰り返す。

少しずつ動きが鈍くなることから、辛うじて攻撃は通じている、ということだけわかる。

ただ、この調子じゃあ、時間に間に合わない。

法紋でも戦うことにした。

魔槍は一旦しまっておいた。

一通りの法紋を試して、炎魔法に弱いことはわかっている。


相手はシングルタスクなのは、攻撃する瞬間は動かない。

つまり、その瞬間に、炎魔法を相手に放つ。

これを繰り返していく。

しかし、私も相手の攻撃を全部避けきることもできなくて辛くなってきた。

向こうがそれを見抜いたようで、拘束魔法を放とうとしてきた。

咄嗟に避けるのを失敗してしまい、謎の結界に縛られてしまった。

その拘束のおかげで、私も今、炎の仕切りで拘束することを思いついたのだが。


ひとまずは抜け出す方法を考えなければいけない。

結界はそれなりの強度で指で押しても、凹みやしない。

そして、槍で突いてもそこまで意味がない。

つまりに、なんらかの法紋で逃げ出すしかないのだろう。

磁石の棒を組み立てる玩具のような枠組みになっており、表面は薄い膜で覆われているが、膜は破れそうにはない。

つまり、棒の部分をどうにかするのだろうが……


「痛い。これ外からの攻撃は届くやんけ」


悪態を突きながら、ひとまずは材質解析の法紋を使ってみる。

と、材質の解析は失敗した。

万事休す、とでも言って降参したいが、現実問題無理だ。


ひとまず、拘束範囲内でなんとなく避けながら、棒の部分を触ったり、色々な角度から押して力を加えたりしてみる。


「ふぐっ、いたぁ…。ちょっと、あと10分しかない気がする!!」


視界の端に映った文字に焦る。

最後のダウンロードと思わしきものが、もうあと17%しか残っていない。

再び、目の前の拘束装置に向き直る。

棒自体は完璧で私の能力だと壊せないだろう。

しかし、一部、結界の下の方に歪みを感じた。

ここからならどうにかできるかもしれない。


しかし、目の前では、もっと大きな形態になろうとする観測者が見える。

触る限りだが、多分、強い勢いがあれば崩落しそうだ。

しかし、強い衝撃を与えても、それは結界全体に当たるため反発してしまい、脱出は難しいだろう。

頭を働かせながら、一旦は法紋でできる限りの攻撃をする。


また1%が、残りのロード割合が減っている。


炎や水は論外。氷や電気も無関係で、物理もダメそうだった。

反転と…風は割とあり得そうだ。

ひとまず、反転属性の法紋を展開してみた。

それを結界の歪みに適用してみた、が、前進も悪化もない。

ただ、また、相手の巨大変身化が進んでいるだけだ。


今度こそ、と風属性魔法を使ってみる。

あと14%、2%も一気に減っていること、気付いて、慌てて法紋を放った。

無事に脱出は出来た。

しかし、相手は完全に巨大化している。

大きな手をこっちに払ってくる。

完全な物理攻撃だった。

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