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コア変格調和のための錠剤を飲み、よく分からない装置を腕につけられる。
少し吐き気が襲ってきた。
「この吐き気は大丈夫なの?」
「えぇ、正常な反応です。あと15秒。12,11,10,9…」
カウントダウンが始まった。
メーデルから貰ったシールはポケットに入れており、魔槍は一時消散の法紋を使い、解除法紋を使えば、移動先でも使えるようになっている。
だから、問題はない。
「4,3,2…」
と、景色は変わった。
どこか荒廃していながらも近未来的な場所だった。
同時に、使われなくなった実験場のような空気もまとっている。
しかし、実験場というには、少し機器は少ない、と言った感じだ。
横にノヴェーヌは居るのが、唯一の平穏と言ったところだろうか。
「ノヴェーヌ、ここに見覚えは?」
「とてもあるぞ。お主、操縦席はどこか勘で分かるか?」
ノヴェーヌが楽しそうにそう聞く。
辺りを見渡すと、ある程度、人の通る道というのが見えてくる。
最も、感覚的なものだが。
「左前かな。やけに床が整理されてる」
「正解だ。手短に参ろうか」
シールをひとまず腕にはり、消散の解除をして魔槍を構えて、できるだけ足音のならないよう、小走りで向かった。
しばらくは直線で、そして4,5分移動してようやく曲がる道があった。
その道を曲がれば、1分も経たず操縦席は見つかった。
しかし、問題は核の場所なのだが…。
「ノヴェーヌ。核の場所って知ってる?」
「あぁ、なんとなくなら。」
頼りない返事を聞き流しながら、操縦席にぽつんと1つだけあるボタンを押す。
すると、第一ダウンロード開始と文字が出てきた。
それを確認して、私は周囲に目を向ける。
どこに核があるかだが、見当がつかない。
「ノヴェーヌ、どっち側にあるかだけでも」
「そうだな…確か、もっと左でもっと奥だったと思うぞ。」
つまり更に同じ方角に突き進めばよいわけだ。
私は少し速い速度で、歩み続ける。
周りを観察しながら歩いていると、何もない場所に出てきた。
「ノヴェーヌ。私には難しい」
「えぇい!我も細かく覚えてられるわけがなかろうが!」
ノヴェーヌのそんな怒鳴り声を聞いて、露骨にため息を吐いておく。
つまり、片っ端から探すしかないわけだ。
今までの道は、端に荷物やなんらかの残骸が置いてある程度だった。
つまり、ここから何処かに向かうという選択で間違いはないだろう。
そう思っていると、妙な動物…いやモンスターが目の前に出てきた。
看守だろうか、これは目的地に近いということでいいのだろうか。
「おい、お主、戦うんだ。早く」
「あっ、はい!」
ノヴェーヌの言葉に慌てて頷いて、武器を構えようとする。
そしてやめた。武器に血の匂いが付くのは避けたい。
代わりに、法紋を構えた。
この敵はドーナタといい、昔ながらのRPGみたいなゲームだとレベル5程度の雑魚だろう。
チュートリアルの最後の敵。
首のついた鉈のような刃物を振り回しながら攻撃する、魔法のくせに物理的な攻撃方法だ。
弱点だという、水を発現させる法紋を発動する。
鉈自体と、そして鉈から出る泉董という、エフェクトにしか思えない光を避ける。
走ったり飛んだり地味な疲労だが、ドーナタの持久力はイマイチなおかげで、こちら的には3手で仕留められたので十分だろう。
そして、びっくりすることに、そのドーナタは綺麗さっぱり消えてしまった。
嬉しいのか困るのかよく分からないまま、再び突き進む。
そして、10分、色々な方角に彷徨った。
ノヴェーヌの説明とは対象的に、ドーナタを倒した場所よりかは右側で、カルキュルコアはようやく見つかった。
「…これ?宝石みたい」
「あぁ、これだ。」
ノヴェーヌの同意も得て、無事にカルキュルコアだと分かったそれは、1立方メートルはあるのではないかというサイズをしていた。
かなり大きく、宝石のように輝いていて、楕円形。
それにしばらく見とれて、目を取られる。
周囲には今までの道と違い、何もないのがまた、圧倒される。
「おい、さっさと壊せ」
ノヴェーヌの雑な命令には頷いて壊そうとする。
「まって、どうやって壊そう…普通に壊れるの?」
「さぁ、知らんな」
本日何回目かの頼りないノヴェーヌにため息をついた。
ひとまず、法紋で基本の衝撃を出すと、びくともしなかった。
ぶつかった音から、思ったよりも硬いのだと分かる。
触って確かめてみると、確かに傷のつきにくそうな材質だ。
カツカツとしていて、プラスチックと金属の間のような触り心地だ。
法紋で、炎と水を発現させて、1通り試してみることにした。
炎は…だめ。
水も…表面が少し溶けただけ。
「ノヴェーヌ。」
「我も知らないぞ。壊したことなどないからな」
水は僅かならいけたので、酸性とアルカリ性でそれぞれ試してみる。
アルカリ性でまた少し溶けた。
しかし、この溶け具合であれば、破壊しきるのは難しいだろう。
目先に課題は壊し方、だ。
怒りのままに魔槍で叩いてみたが、びくともしない。
腕が僅かに痛いだけだった。




