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「誰ですか!この魔術師のプロみたいな人たちは!」
戦闘訓練をすると決めた翌日、ミカルアさんが女性と男性、合わせて2人の術兵を連れてきてくれていた。
ありがたいのだが、非常に強そうで不安だ。
まずは小手調べ、と言われて、試しに戦うことになったのだが…。
男性は、誰も倒せないと有名な蚪禽を私が倒したという噂を知っていたようで、手加減をしてくれない。
「ま、待って!!!はっ、…ここかな!?」
そして現在の私は、法紋を打ち、そして避けるため本能で逃げ惑う、とかいうみっともない醜態を晒していた。
横の女性は筋がいいわねーとニコニコとしている。
「何も分からないのに!!あっ…!?」
ちょうど対戦相手が法紋を組み立てる隙に、戦闘前に貸し出されていた魔具の槍で突く。
相手の男性が体勢を崩して、床に全身をつけた。
「…つまり勝ってしまった?私って才能ありそう」
「やっぱり貴様は素晴らしいな!!噂で聞いたとおりですね!教わってないのに、野生の生存能力が素晴らしい!」
対戦相手であった男性はニコニコとして拍手をする。
褒めともディスりとも取れる賛辞の言葉を浴びせながら、水を飲んでいるようだった。
女性の方が、戦闘の基礎も教えるわね、と言ってくれるので、今度は一旦座学が行われる運びとなった。
「まず、基本的な構えはこうなの!この、法紋を躱しやすいのはこの体勢!で、法紋を打つときは何タイプか角度がある。」
「あと、基本的に戦闘するときは、法紋は自身の防御魔法を使ってから戦う。あと、人体ってのは基本的に、ここ!ここらへんからここらへんまでが見えないから、そこの角度を突くと良い。」
身振り手振りを大きく説明してくれるので、それをなんとなく理解しながら話を聞いていると、男性のほうが急に椅子を立った。
「わしが魔槍術を教えてやろう!やっぱ実践の方が覚えるのには最適だ!」
また急に話が逸れたな…とか思いながら立ち上がって、広い場所に移動する。
魔槍を持ちやすいよう構えると、修正が入る。
持ち方を教えてもらって、持ち直すと持ちづらいが、確かに攻撃がしやすくはなった。
「そしたら、基本はこう動かすんだ。」
突きをメインに、時々払ったり叩いて近接攻撃を流すことができると教えられる。
そのまま、動き方を繰り返し反復練習させられた。
1時間半ほど経って、今度は女性の方が戦おう!と言い出した。
「え、またですか」
「うちはまだお前と戦ってないよ?楽しみにしてたんだから!」
そう言って、攻撃をしかけられてしまったら、応戦する他ないのが、ビビリの定めだ。
私は先程習った、槍で攻撃を流しながら、法紋で自動カウンターを張る。
相手も法紋の準備が整ったらしく、範囲は大きいが単純なスタイルの攻撃がこちらに向かってくる。
それは避けれるぞ!と身を躱す。
しかし、攻撃を仕掛ける隙がない。
避けながら、定期的に私も法紋を打つ。
しかし、本番は時間をかけると、コアを壊すのが間に合わないかもしれない。
私はそう考えて、隙を作らせることにした。
改めて、私って頭がいいのかもしれない。
法紋を3個展開してから、2個同時に攻撃する。
すると、案の定、2個同時の対処により僅かに体勢が崩れることで動きが1歩ズレた。
そこを狙って、残り1個の法紋を放つ。
と、無事に勝負アリだ。
相手の女性は腰がへたり込んで、地面に尻をついた。
「勝った!!」
「上手いね。戦略性を感じる」
「ずる賢いってよく言われます。」
「リリ、自覚あったんですか」
水を持ってきてくれたミカルアさんからの棘ある言葉が飛んできた。
水を受け取りながら、「おいしいなー」と適当にごまかしておいた。
「リリ、かなり強いですね。明日大丈夫では?」
「…あ、あぁ。明日か。早いなぁ」
「準備はすべて完了して、ミスがないかの再々々チェックまで済ませていますよ。」
ミカルアさんにお礼を言って、そろそろ帰るらしい術兵をお見送りをした。
お礼の言葉と、申し訳程度の品を差し出しておいた。
魔槍を貰えるとのことなので、流石に手ぶらで帰らせるわけには行かないと思ったのだ。
そうして、完全に術兵2人が見えなくなったのを確認して息を吐いた。
こうも静かになると、明日というものを痛感して、少し緊張と胃痛で身体が強張った。
最善の状態で行くには早めに寝るために、準備に取り掛かった。




