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エレナさんのその知識の源は、古すぎたり当時公開されなかったりするニュースを集めれる環境なようで、それらをまとめられた鍵付きノートを見せてもらいながら説明を受ける。
パルオピアの父であり、アリアーコルの歴史の最初であるゴードン・アリアーコルから話が始まる。
元々は運輸会社の研究所の職員として働いていて、業務時間後も研究所に残って研究をしていた。
そして、5年の歳月を費やし、鉱物の純度を高く精製する機械を生み出したことで、あっという間に富を築き上げた。
そして、当時絶世の美貌と持て囃された女性と婚姻を結び、それにより例のパルオピアさんが生まれたようだ。
そして、ついにアリアーコルが貴族になる、今までの研究者という地位を投げ売って政治のテーブルについたのだ。
そして、その後まもなく貴族制が廃止される。
当時も今も、『アリアーコルを貴族にするために延期された』という噂があるのだが、どうやら関係ないと言う。
ただアリアーコルが貴族制廃止の寸前に滑り込んできただけだったようだ。
そして、そのせいで貴族の子息に扱いが変わったパルオピアさんは学校も貴族専門校に転入させられた。
それはそれは多くの非難と羨望を向けられたそう。
当時はそれを取り糺した記事も多く、態とらしく悪意を文字にしたものが多かったそうだ。
そして、貴族となれば当主の代替わりもある。
ゴードンさんが110という高齢になった時、さすがに限界だったのか、跡継ぎを決めることになったようだ。
それも当時のメディアがかなり対立を煽ったらしい。
パルオピアさんとその弟。当時の弟はまだ成人ではなかったというのに彼のほうが優秀だった。
それで、弟を繰り上げて当主の座を譲れば良いと、メディアは祭り上げた。
そのせいで彼には過度な期待がストレスになったのか。
弟はアリアーコルの姓を捨て、ここタムテイロンの中でもイーフルを信仰する農耕のさかんな土地に逃げた。
そんな弟の名前だが、公には出てはいたというのに、今は残っていないそうだ。
そうやって、溜めに溜められて弟の名前を明かされたが、なんてこともない、ケトゥスという簡素な名前だ。
ふーん、と流して続きを促す。
まだ半分も残っているというのに、このペースだと夜が明けてしまう。
そして、パルオピアは残されたあと、メディアからの非難を浴びながら、当主の座を継いだ。
実は最初の子であるリアリィスより前にも子が居たらしい。
それは貴族同士で結びついた婚約相手の娘でなく、仕事先で口の聞けない相手から見繕って手を出していたそうだ。
という最低な小話も教えてくれる。
リアリィスよりも前に生まれていたらしい、3人の子供は、1人目の女の子は相手の家に押し付け、2人目の女の子は殺され…。
しかし、3人目の男の子は家に連れて帰ったそうだ。
そうすると、どうやら結婚相手の女性が怒って、結局どこか知らない家に押し付けられたそうだ。
そうして早く子供を作ると決めて、計画的に生まれた子がリアリィスだと言う。
男を望んだそうだが、この際は女の子でも良い、とかなり力を入れて育てられたようだ。
その間にも、子作りを取り組む中で、ついに双子が生まれた。
それが、エルヴィアとその兄であるダジリアだと言う。
この先の、兄が生まれたせいでエルヴィアが虐げられているという話はエルヴィアからも聞いている。
「リアリィスはね、最初の子で流れを全部見てるからこそ、その格差が如実にわかる立ち位置なの。そう、リアリィスが生まれたときはかなり多くのメディアが取り上げてたね。」
「ようやくすべての話が終わった!とても勉強になったけど…、これからまた今のアリアーコルの課題とか、作戦会議でしょ?」
エレナさんの話に一区切りがついたので、私は息を吐いた。
そして、この先を考えて気が遠くなって音を上げる。
「リリ疲れたの?」
「え、呼び捨て??」
急な呼び捨てに食い気味に言及すると、少し沈黙が流れる。
「…いやいや、君が最初に呼び捨てにしたじゃん」
「いや、良いんだけど、びっくりした。疲れたから、飲み物取ってきて良い?」
メーデルさんの反応に、私も慌てて返事を紡いで、そして席を立とうとする。
すると、メーデルさんも一緒に立った。
「僕もついていくよ。エレナさんちょっと待っててくれない?」
「良いですよ。私は飲み物いらないんで」
エレナさんはそう言うんで、私はメーデルさんと部屋を出た。
エレナさんが一番喋ってるのに、よく飲み物保つなぁ…と思った。




