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「はぁ、いいですか。今の貴方は14歳。弁えてください?」
「迂闊でしたね…。」
「迂闊とかじゃないんですよ。何が注意が足らなくてぼんやりですか!隠すことより行かないことを考えろ!」
ミカルアさんのキレキレのツッコミ、もとい正論の説教がとんできている。
正直言って無視して思い出を振り返る他ない。
本来の私は、繁華街など、遅い時間はもちろん、お昼でも普段から行かない。
それでも、向かったのは、ミカルアさんの信憑性の調査をしていた日に限って、ミカルアさんがそんな場所に行ったからだ。
最初は、ミカルアさんにも性欲というものがあったなんて!という好奇心だったのだが、途中で大金を女性に渡したあたりから絶対に目を離してはいけないと思った。
そのせいで、小道に入っちゃって酔っ払った男にダル絡みされたのは思い出だ。
大体、ミカルアさんの渡したお金、札の厚みから、6000フラゾはある。
そんなのを見て、何も思わないほど、私の好奇心は死んではいない!
「だって、ミカルアさんも女の子の店行くのかなぁって思って」
「行きませんけど?」
「そう、だったけど…もっと面白いものがあったから…」
「人を面白いものと言うな」
「ほら、ミカルアさん。もうだいぶ夜遅いし、私ご飯作ってくるから。ね、」
「あ、おい」
思ったよりも何も引き出せなさそうなミカルアさんに気分を変えられて、私は腕をつかんできたミカルアさんの手をすり抜けて、キッチンに向かう。
だいぶ板についた料理づくりを開始する。
冷蔵庫にもだいぶ材料が揃っていて、昔を思い出すと感動する。
初日にカップ麺とカップ麺からご飯を選ばされたのは感慨深い。
ミカルアさんをちらっと見やると、私のスマホを勝手に覗いていた。
あのクセどうにかなんねぇのかな、なんて毒を吐くが、その好奇心には共感できるのでいつも拒否するのは憚られるのだ。
「ミカルアさーん!そういえば、ルミア・ヘルナーヴィって結局なんなんですか?」
最初に会ったし、他のミカルアファンよりもなんか粘着してくるが固執があるのだろうか。
そもそもヘルナーヴィさんは、他のミカルアファンと比べても一途というわけではないし。
「その緑髪の女性ともちょっと因縁があるんですよ…」
何かしらボソボソと返ってきたが、何と言っているかはちょっとよくわからなかった。
野菜炒めがだいたい完成したので、電子レンジで加熱しておく。
そして、冷蔵庫に入れていた酢の物を取り出して皿に注ぐ。
パンを取り出しておけば、手抜きと言われればそれまでの晩御飯が完成する。
飲み物も合わせてテーブルに持っていくと、電子レンジもちょうど終わったようでそれを持っていくと、早々に準備が終わる。
全てを諦めた顔をしているミカルアさんを呼び出してご飯にした。
地獄のような食事時間は終わり、私はそそくさと、リビングを離れようと考えた。
お風呂の準備をしなきゃ、と自室に戻る必要を思い出し、これ見よがしに私は自室に向かった。
そういえば、悪天候で着替えないんだっけ…と自室に来て気付く。
ミカルアさんに借りよ…と考えて、一度踏みとどまった。
私は過去に1回ほどミカルアの服を借りているんだけど、そのときはすごい怒られたのだ。
でも、下着で出てきたほうが怒られるのは確実だし、流石に下品だ。
ということで、こっそりとミカルアさんの服を漁りに来た。
前回はティーシャツとズボンを拝借して、ズボンのウエストを絞って裾上げをしたことで怒られたので、今回はシャツを借りることにする。
大丈夫だ。
ミカルアさんはこう見えて服の替えがいっぱいある。
いくらシャツとはいえ、着てしまったらミカルアさんの分がなくなることはないだろう。
そして無事、シャツを入手すると、私はお風呂場までバレないように向かってから入浴した。
一度着ちゃえばこっちのものだ。
何かしら遠慮か、それとも文化により育まれた固定観念か。
あれかもしれない、女の子の服を脱がせることに性交渉を結びつけている可能性もある。
…ミカルアさんは流石にそこまで愚かじゃないか。
お風呂ではいつも本を読んで過ごしてるというのに、本を忘れたので考え事をするが、前述のようなつまらないことしか浮かばない。
性交渉、自体はこの世界にもあるみたいだが、自慰行為というのは珍しいものなのだろうか。
ふと思ったが、聞ける相手はいない。
ミカルアさんに聞けば怒られるし、メーデルさんもちょっと聞きにくい。
エルヴィアさんに聞けばセクハラに当たりそうで、ヌンフタマリーさんに聞いたら馬鹿にされそう。
聞ける相手がいない…。
そんな事に気づきながら、いい時間になったので考えながらお風呂を上がる。
手早く着替えを済ませて出れば、おっと、今1番会いたくない相手にエンカウントした。
自室のベットまでバレずにいけば、安全だと思ったのに。
「っ、え?……はっ?はぁ、すーーーー」
私が逃げるより先に、ミカルアさんは私を掴んで息を深く吸い込んだ。
え?変態?なんて言う茶化しは喉まで出掛かったところで無事飲み込んだ。
「だから、俺の服を勝手に取るなと…前回も言いましたよ?あの異性の服を着るというのも倫理的によろしくないんですけど。まずどうしてシャツをピンポイントで選んだんですかねー…!?」
「何故、何故か。それは前回ミカルアさんがティーシャツとズボンは辞めろ、と仰ったからですけど。シャツだとほら、かなり大きいので1枚で着れるじゃん?」
そう言いながら、シャツをめくって締めそうとすると、全力で手を拘束される。
あぁ、と時差で理解して悪かったと思う。
だからってそんなに強くしなくてもいいだろう。
ミカルアさんが顔を赤くして青くして、と繰り返しながら、動揺している。
「はーー、ほんとに、心臓に悪い。一度貴方、異性の服を着ることについて検索してみたらどうですか。」
「んー、人のシャツを着ることの?特に見たことにけど」
「男のシャツを着ることです!!」
とても食い気味で叫ばれた。
それについては知っているけど、と少し笑いながら聞き返すと、予想外な返答が返ってくる。
「…え?ミカルアさんは、でも、そうは感じないでしょ??」
「感じ、ないっ…とは、限らないじゃないですか。」
「ふーん、そう?」
一瞬、動揺したが、でも、まさか、後半につれ冷静になっていく人は初めて見た。
なんか面白かったが、一瞬拘束が緩んだので、私はそのまま脱兎のごとく逃げ出した。




