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「えー…HRは交流会の委員決めとなっています。」
「各クラスごとに、2人選出しますが、このクラスは希望者が3名いたので、投票になります。各希望者からのPRを聞いて、アンケートフォームから投票をお願いします。」
あの後、本当に何もなく警治からの連絡も来なかった。
そのまま、いつもの学校生活に戻っていって、一際面倒くさいイベントが動きはじめていた。
交流会、とは名ばかりの労働イベントで、ドートス城跡の危険調査だ。
そこで、暴走した動物が居れば殺し、遺物を回収して、城の崩落の危険がある部分を補強する。
更に嫌なのが…
「班決めもありますので、PRを聞き終わればグループ作っておいてください。他のクラスの生徒と組んでも構いません」
これだ。
PRは退屈なことに10分無いぐらいの時間で終わる。
アンケートフォームを素早く入力すると、私はメーデルさんを探し、早めに声をかけておく。
「良ければ、グループ同じにならない?」
「いいけど、僕の他に彼も一緒でいい?」
メーデルさんの隣には、メーデルさんとは対象的に身長が高い男子が立っている。
一瞬、女性かと思ってしまったが、「彼」と呼ばれているので男なのだろう。
了承して名前を聞くと、これまた男っぽい名前でレイガヴというらしい。
私は予約を取り付けて、もう一人話したい人を探した。
アリアーコルの妹のほうだ。
どのクラスかなんて、検討もつかないので、端から端までほっつき歩く。
そうしていると、視界の端にようやく見覚えのある影を捉えた。
慌てて、近づいて話しかけると、向こうも気づいてくれた。
「アリアーコルさんっ…!」
「ちょっと、ここでその呼び方はやめて。エルヴィアって呼べばなんの問題もないと思うけれど」
声をかけると、アリアーコルさんは声を潜めて咎めてくる。
アリアーコルは確かに剥奪されたから、よろしくなかったかもしれない。
エルヴィア、というのは下の名前か。
そういえば、面接の時に言っていたのかもしれないが、もう覚えていなかった。
ここを失礼かもしれないが、恥を忍んで聞いた。
「エルヴィアって名前?だっけ?」
「覚えてないの…ずっと下の名前で呼ばれて嫌いだったけどそういうこと…そう、名前。」
「ごめん、エルヴィア。それで、良かったらグループ組もう。他に二人いるけど」
「ちょうどよかった。あんな事があった後なのもあって誰もペアが居ないところだったんです。ありがたく受け入れます」
アリアーコルさん改めてエルヴィア、を仲間に引き入れ、メーデルさんのもとに戻る。
その間に、エルヴィアさんにため口を催促すると、うれしそうにしてくれて嬉しかった。
メーデルさんたちにエルヴィアを紹介すると、それで4人組は完成した。
最低人数は達成したので、隅に移動して終わるのを待つだけだ。
適当な雑談をしていると、なんだかんだ、グループが形成されていく。
と、1人、私のグループに近づいてきていた。
「私もそのグループに入れてください」
桃色のふわふわの髪に、アップルグリーンのようで左右が違う瞳で、小柄なのがより可愛らしさを感じた。
正直に言うと、初期好感度が高い。
自己紹介を軽くしてくれるようで、D組のバーバラ・バークリーというらしい少女はクラスで仲の良い人が一人も居なかったようだった。。
そしてしまいには、クラスの誰にもグループに入れてもらえず、他のクラスも回っていて私たちのグループに来た、というわけだ。
私が快く了承すると、レイガヴさんが了承し、それならとエルヴィアさんも頷いた。
メーデルさんは何故か迷っていたが、最後の一人になると、ようやく納得してくれた。
全員の了承を得られたのを確認して、再びバーバラさんに目を向けようとすると、既に自分の横に座って本を読んでいた。
気が早いと言うか、失礼というか…少し妙な距離感を感じたが諦めた。
なにせ、私が視線をじぃっと向けても身じろぎ一つしなかったから。
そこからは、本当に誰も寄ってこなかったため、HRを終えてからは通常授業となった。
ドートス遺跡調査交流会のグループチャットを作れば誰も何も送らなかったが、家に帰れば私がメッセージを送る予定で、昼休みを終えてそのままミカルアさんに会いに向かった。




