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「で、部活動どうします?」

「ミカルアさん、ご容赦をぉ…」

「家で言ってないだけいいと思ってください。部活はほぼ強制なんですよ。」


そもそも放課後のこの労働も私のせいだなんだ、と言われる。

授業も全て終わったというのに、思い出の個人室に仲良く閉じ込められていた。

軍事史好きのレスティール先生に戦史研究部に2日前閉じ込められたばかりなことは記憶に新しい。


部活は半分強制らしく、入ってないと後々不利なことになるらしい。

不利なことってなんだ。


「面倒臭い部活の面倒臭い顧問が、部活に入ると言うまで部屋に軟禁してくるんですよ…。」

「しかも部活は校則で入ることが優先されてる上、教師の立場が強いんで、部活申込書を偽造されても取り消せないんです。」


口に出ていたらしく、ミカルアさんが深いため息とともにそう言う。

それは確かに流石に焦るわけだ。

といっても、どっちみち部活に入らなくてはいけないわけで、そこのところどうしたらいいのだろう。


「だから、言ってますよね。実績だけ残しておけば良いのが、ハンドメイドアクセサリー、彫金、動画制作、調香、科学。」


ミカルアさんがそう言い出すので、続きを私が言う。


「カルトチックな人が多すぎて放置されてるけど、週1の5分でも顔を出せばいいのが…ヨガ、占い、ボイスセラピー。」

「覚えてるんなら決めてください。」


ミカルアさんが無情に言い放つ。


「ヤバい人がいるのは嫌なんですよね。もう十分変な人に粘着されてるんで。」

「因みに、レランクェスは動画制作に居ますよ。」


ミカルアさんが言うレランクェスに誰のことか疑問に思う。

しかし、前もそんな名前を話していた気がする。

暫く考えても、私の知るヤバい人はリアリィス、コーディウ、クレジェルだ。


クレジェルさんが生徒じゃないし、リアリィスさんとのことはミカルアさんは知らない。

だから、コーディウさんのことだろう。

順当に考えると、名字なのだろう。

そこまで考察できたが、一応ミカルアさんに確かめることにした。


「えぇっと…、コーディウさんのことですか?」

「あぁ、そうです。名字は知らないんですね。…というか、それ以外になんかあったんですか?」


自ら墓穴を掘ってしまったが、あの人とも一緒になると嫌なので意を決してリアリィスさんについても聞いてみた。


「アリアコールさんは調香だったはずです。にしても、初日時点でそんなことが…。リアリィスであてば1学年上でしたはずですけど。」

「そうなんですか?なんであの時あったんだろう?」


ここに通い始めたから分かるが、3年の教室はあそこから遠い筈だ。

ミカルアさんのストーキングと言われたらそこまでだが。


「あぁ、あのときは…『妹に会いに来たんですが奇遇ですね』とか言われた気が…。ストーキングですかね。」


ミカルアさんがスムーズにストーキングと言ったので納得する。

常習犯なんだろうと思うと、なんとも言えない。


「やっぱストーキングですね。そうなると、彫金かハンドメイドアクセサリーか…。」


そこまで言って、悩みの工程に入る。


「ようやく考えてくれたようで良かったですよ。」


ミカルアさんに小言を言われた気がする。

無視をしながら、普段やるアクセサリー作りは楽だろうなと考える。

しかし、作るときは部室に顔を出さなければいけない彫金が楽しそうで後ろ髪を引かれるのだ。


「そうだ、先生。どっちのほうが部員が多いですかね?」

「アクセサリーの方ですが、文化祭に力が毎年入ってます。」


そう言われてまたため息をつく。

一長一短だ。


「それってぇ…、放課後拘束されるやつですか?」

「あぁ、それは基本授業内ですし、それぞれ家に持ち帰ってやるスタンスですよ。」


恐る恐る聞いたが、思ったよりも吉報が帰ってきた。

もう、その部活で良いだろう。


「ミカルア先生ぇ…!そこにします!」

「じゃあ、申し込み用紙を記入して職員室に提出してきて下さい。担任記名と保護者記名は書いてあるので。」


力強く頷いて記入欄を埋めていく。

そして、1番最初に壁にぶち当たった。


「そうだ、顧問は…?」

「あぁ、俺ですよ。」


一瞬困惑で動きが止まる。

予想外の回答すぎるだろう。

ちょっと冷静になってみると、担任も保護者も顧問もこの人なのだ。

というか、どうして担任と保護者を一緒にできたのだ。


「そういえば、私の保護者になるのにどうして私をミカルアさんのクラスにできるんです?」

「ちょっと、ですね。…権力ですよ。」


決まりが悪そうに目を逸らされる。

守ってくれているのは分かるが、やることが厳つすぎるのではないか。

それに、職員室を経由せず直接ミカルアさんに渡せば良いのではないか、と思い立ち聞いてみる。


「一度教頭を経由しなくては駄目なので無理ですよ。」


残念なことを伝えられる。

至って普通の仕方のないことだった。

なるほど、と相槌を打ち、席を立つ。


「ミカルアさん、出してください。」

「あぁ、そうでした。」


そう言って、ドアが開いたと同時に部屋を出る。


しかし、職員室の場所を覚えてないことに気付き、ミカルアさんに連れて行ってもらった。

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