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VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第2章 アテナ討伐編

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67.ドクターの登場

新型2体を倒し先へと進む賢也だったが、暫く進むと行き止まりだった。


「行き止まり?でも、ここまで来るのに大分走って来たし、何だか、グルっと周っている感じだったからな。ここってひょっとして、3号と戦った部屋の反対側の壁か?」


 もしやと、賢也は雷を壁に暫く当ててみると、入り口が出来た。賢也の予想は当たっていた。そこは、賢也が3号と戦った部屋だった。


「戻るより、向こうの入り口を開けて抜けて行った方が早いか」


 賢也は反対の壁まで走って行くと雷を先程と同じように、壁に当てる。ボロボロとナノマシンが崩れていき、入り口が現れた。


「やっぱり…」


 賢也は、入り口から出ていき、三度、4号と戦った部屋へとやって来た。


「後はあの通路か。結局、本当に3つの入り口を全部周るはめになるとは…」


 賢也が3つ目の通路に入ろうとした時、通路の奥から発砲音が聞こえた。


「何だ?!」


 賢也が横に飛び退いた時、その横をロケット弾が通過していく。奥の壁に命中すると爆発を起こす。


「危ない。通常兵器なんか今まで使う事は無かったのに、何故?」


 次弾が飛んで来る気配は無い。賢也は通路へと入る。が、敵の姿は見えなかった。警戒しながら奥へと進んでいく。


「あのロケット弾は、これか」


 通路の角に投げ捨てたのか、ロケットランチャーが1丁放置されていた。拾い上げ、調べたが普通のロケットランチャー。何故、ここに放置しているのかは別として、これを使った奴は辺りにはいない。


「今更、人間の武器を使うなんて、何でだ?」


 賢也は、ロケットランチャーを床に置くと、通路を奥へと進んでいった。




「ニンゲンノヘイキハツカエナイナ」

「そうですか。あの爆発力はかなりの物ですが」

「アタラナケレバ、イミガナイ」

「では、次は、こちらを…」

 1号は、新しい武器をアンドロイドに渡したのだった。




 通路を進む賢也は、漸く次の部屋に辿り着いた。


「無駄に広い…。さて、ここは何だ?」


 さっきのアンドロイドを製造する機械程の大きさは無いが、部屋の隅に大きな機械がある。その機械は、やはり何かを製造する物なのか、排出口があった。賢也は、取り敢えず、破壊しておくべきかと、機械の傍へと近付いていく。


「ソコマデダ」


 賢也が入って来た入り口とは別の入り口から、1体のアンドロイドが現れる。このアンドロイドも姿がアテナと違い、雑魚アンドロイドとも新型とも違う。これ迄のアンドロイドは、女性を模った姿だったが、今現れたアンドロイドは、男の姿を模っていた。


「“そこまで”と言われて、“はい”と言うわけ無いだろう!」


 賢也は、機械を破壊しようと剣を振り上げ、炎を纏わせると、一気に振り下ろす。


「ソコマデトイッテイルダロウ」


 賢也の振り下ろす剣の前にバリアのような虹色の壁が出現し、剣を弾いた。


「何だ?これは?」

「ダカラ、ソコマデトズットイッテイル。ニンゲンハ、ハナシガツウジナイノカ?」


 賢也は部屋に入って来た男型アンドロイドに剣を向け、警戒していると、アンドロイドが話しかけてきた。


「ソノキカイハ、コワサレテハコマル。ソレヨリモ…」


 現れた男型アンドロイドの体の中から何か出てくる。


「何だ?」

「コレヲタメサセテモラオウ」


 な、ガトリング!!この距離は不味い。男型アンドロイドはガトリング砲を賢也に向けて撃ってきた。無数の弾丸が賢也に向かって迫って来る。


「うぉぉぉぉ」


 賢也は、部屋の中を走り回り、弾丸の嵐を躱す。躱して、躱しまくる。


「くそっ。弾切れ無しかよ」


 だったら、近付いて破壊する!

 賢也は、時計回りに少しずつ内側に入っていく。


「フム。ヨクカワス」


 躱し続ける賢也に感心したのか、何処か満足そうにも見える。だが、命を狙って来ている事には変わりない。この距離からなら!


「いい加減にしろよ!」


 賢也は、動きをジグザグに変え、男型アンドロイドとの距離を一気につめると、ガトリング砲を切断した。


「オォ。スバラシイ。コレナラ…」


 賢也は、返す剣を男型アンドロイドに向ける。


「朧!」

「アテナヲタオシテクレソウダ」


 賢也の剣が男型アンドロイドの体を真っ二つに焼き斬る。


「どういう事だ?アンドロイドがアテナを倒して貰いたいだと?」

「タメスヨウナコトヲシテスマナイ。ワタシハドクターダ」

「ドクター?博士?まさか、創地博士!」

「ゲンミツニハチガウガ、ソウチハカセノチシキガインプットサレテイルノハマチガイナイ」


 賢也は、【紅蓮】をしまうと、ドクターと名乗る男型アンドロイドの話しを聞いてみることにした。


「スマナイ。ソノキカイヲウゴカサセテモラウ」


 ドクターは、半分の体を、ジャンプしながら移動すると、先程、賢也が破壊しようとした機械のスイッチを2つ押し、稼働させた。


 ピーーーーーーーー…


 何だ?この甲高い音は?機械の排出口からは、ナノマシンがゴロゴロと出てくる。そして、ドクターの体を修復していく。

 ドクターの体が元に戻ると、スイッチを1つだけ切る。ナノマシンの生成が止まるが、ピーっという甲高い音は止まらない。


「このオトは、ミミざわりカモしれナイが、ガマンしてくれ」


 喋り方が、機械音声から、人間のような喋り方に変化してきている。


「この音ハ、アテナ達へのツウシン妨害をしてイルのだ」

「お前の目的は、一体?」

「私は、創地博士の知識をダウンロードされたドクター。アテナの暴走を良しとしない者」


 おいおい、アンドロイドの中にも裏切り行為をする奴がいるのか?黒死竜の時も人型が主人を倒して成り代わろうとする奴が多かったが。


「お前は、アテナの代わりに、アンドロイドを束ねるつもりなのか?」

「いや、私にそのような力は無いよ。だから、お前がアテナを倒せる者なのか、試させて貰った」


 表情が無いから、真偽がよく分からないが…。


「まあいい。なら、俺はアテナを倒せる者という事か?」

「ああ、お前なら倒すことが出来るだろう。やってくれるな?」

「そのつもりで来ているからな。言われなくてもそうするさ」


 賢也は、ドクターがこれ以上の戦闘意思が無いと分かると、ドクターのやって来た入り口へと歩き出した。


「頼んだぞ」


 入り口まで歩いた賢也にドクターが声を掛けた時、賢也はドクターの方へと振り返ると、


「紫炎!」


 ドクターの体が賢也の放った紫炎で燃え上がる。


「貴様、何故!?」

「悪いな。どうも引っ掛かってしょうがないんだよ。お前の言う事が」

「くそっ。たかが人間の分際で!あぁ、体が、私の体がぁ」

「本性出したな…。創地博士の知識をダウンロードしたんだったら、自分でアテナを超える存在になれば良いのにそうしない。いや、そんなものは最初から無かったんだ。だから、アテナを俺に倒させて、自分がアンドロイドのリーダーに成り代わり、人間を滅ぼすつもりだったんだろ」

「く、そこ迄見抜くか」

「伊達に長い事ゲーマーしてないからな。この手のストーリーはよくあるパターンだ。そして、この装置も!」


 賢也は、未だに高音の騒音を出す装置を破壊する。


「あァ、ソんナ、私ガ、ワタシタチノチョウテンニ…」

「裏切る奴は、すぐにやられるんだよ」


 そしてドクターは、紫色の炎により燃え尽きた。


「ふぅ。流石に疲れたぞ…」


 よくよく考えれば、ずっと戦いっ放しだ。まだ、アテナと1号も残っている。疲れた状態で戦い負けてしまったら元も子もない。


「ちょっと休むか…。確か、あったはず…」


 賢也は、異空間収納からカップ麺とコップ、インスタントコーヒー、チョコを一粒取り出す。


「あった。あった。防災用に持っといて良かった」


 賢也は、水と焔を調整してお湯をカップ麺とコップに注ぎ、2分待つ。カップ麺を一気に食べ、コーヒーを飲んで、チョコをパクリと、一息つく。


 カップ麺のゴミを塵も残さず燃やす。


「あぁ、ちょっと落ち着いた。30分位、仮眠も取るか」


 周囲の警戒は解けないが目を瞑るだけでも大分違う。


(静かだな。襲撃が来るかと思ったが…)


 30分の仮眠を終え、立ち上がると、少し体が軽くなったような感じがする。


「よし、気を引き締めて進むぞ」


 賢也は、奥へと進んで行くのだった。

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