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VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第2章 アテナ討伐編

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59.3号覚醒!SAC vs アンドロイド

今日も遅くなりましたが、何とか更新です

アテナ分身体3号と廉価版アンドロイドの襲撃を受けたSACの拠点。いよいよ、アンドロイド達が建物の中へと入ろうとした時、賢也が3号達の前に立ちはだかった。


「やってくれるじゃないか。お前は?1号に似ているが?」

「へぇ。1号を知っているのかい。あたしは、3号さ」


 3号か。まさかこんなに早く攻めて来るとは。


「宣戦布告の直後に、攻めて来るなんて大胆不敵だな」

「そうかい?あんたも上から現れるなんて、人とは思えないね」

「お前こそ、1号と違って言葉に品が無いな。本当にアテナの分身体か?」

「あたしは、戦闘担当だからね。言葉も乱暴にはなるさ」


 戦闘担当?分身体は、4体いると言っていたが、それぞれ役割が違うのか?


「他の分身体も役割があるのか?」

「あるさ。あんたの知ってる1号は、基地の運用、非戦闘担当さ。2号は、防衛担当、4号は、隠密担当、そして全てを仕切るのが、オリジナルさ」


 こいつ。本当にアテナの分身体か?口が軽すぎる。確かめてみるか。


「悪いな。教えてもらって助かるよ」

「なに、今から死ぬ人間に何を話した所で問題ないさ」

「だったら、ついでにお前達のアジトの場所も教えてもらえるか?」

「言っても構わんさ。あたし達は、海底にある基地にいる。お前達では、来ることは到底無理だろう」

 3号は、ニヤリと笑うと、構えを取った。


「さぁ、お喋りはここまでだ。さっさと死んでもらおうか!」


 賢也は、【紅蓮】を取り出すと低い体勢で構える。剣先は、3号に向けたまま、左手に蒼い火球を作り出す。

 3号が賢也に向かって来るのと同時に、賢也は、蒼い火球を3号の後ろにいたアンドロイドに放つ。


「何!あたしじゃなく、後ろを狙っただと」


 蒼い火球は、アンドロイドに命中すると、一瞬で溶けて消えた。


「なるほど、あんたが1号が気を付けろと言っていた人間か!」


 3号は、そのまま賢也に向かって真っ直ぐ突っ込んでくると、顔面目掛けて右ストレートを放つ。


「戦闘担当?そんな攻撃当たらないぞ」


 賢也は、余裕で躱し、【紅蓮】に炎を纏わせると右腕を斬り落とす。


「ぐぅ。やるな」

「ぐぅ?お前、アンドロイドのくせに痛みを感じるのか?」

「アンドロイドが痛みを感じて悪いか?オリジナルとあたし達分身体は痛みも感じるし、感情もある。あいつらには、まだ無いけどね」


 3号は、斬り落とされた右腕を拾い上げると、切り口にぐっと押し付け、元に戻す。


 やっぱり、炎で焼き切った程度じゃ、剣の切り口じゃ余りナノマシンは破壊出来ないか。

 3号に間髪入れずに攻撃をしようと動作に入った時、後ろにいたアンドロイド達が建物内に入り込もうとしているのに気付き、3号には目もくれず、アンドロイド達に飛燕を放つ。

 飛燕によって、足を切断されたアンドロイド達が、ドタドタとその場に倒れる。そして、倒れたアンドロイドが邪魔になり、他のアンドロイド達が侵入するのを防いでいた。


「時間稼ぎ程度だが」


 賢也に向かって来る気配を感じて、振り返ると、3号が目の前まで迫っていた。


「おっと!危ない」

「惜しい」


 3号の右ハイキックを寸前で躱すが、これは、反撃出来ない。

 さっきの右ストレートより攻撃が鋭くなっている?

 こんな一回の攻撃でこうも変わるのか?


「まだ更新が必要か…」


 3号がボソッと呟く声を聞く。

 こいつ、攻撃する度に速度、精度をやっぱり更新するのか。時間を掛ければ掛けるだけ、強くなってしまう。短期決戦で片付けなければ。

 そうしている間にも、足を斬られたアンドロイド達が元に戻って、再び侵入しようとしていた。


「くそ、流石に数が多いか。あいつら、何をしているんだ」


 その時、3号に水柱が命中する。


「何だ?この攻撃は?」


 やっと来たか。後ろを見ると壁に空いた穴の向こうに速水が立っていた。


「隊長!すみません。爆発でエレベーターが動いてなくて、遅れました」

「速水。こいつは俺が相手をする。お前達は、そっちのアンドロイド達を頼む」

「分かりました!」


 賢也は、3号に集中出来ると思った、その時、3号の様子が変わる。速水の放った水柱が、徐々に細くなっていく。そして、3号を覆っていた水柱は、糸程の太さになり、消えてしまった。


「ふふふ。嬉しいね。いい攻撃だった」


 3号の手の平に赤い液状の球が、作り出される。

 まさか、吸収した?


「1号は雷、そしてあたしは水か。いいね。水は、色々な形に変化出来る。あたしにピッタリじゃないか!」


 3号は、まるで血のような赤い水で作った水球を賢也の【紅蓮】に似せた形に作り替える。


「さぁ、あんたの攻撃をもっと見せてくれ!」


 3号は、賢也に向かって斬り掛かっていった。





 速水は、加速で自身のスピードを強化すると、中へ侵入しようとするアンドロイドの背後に回り込み、アンドロイドの顎を蹴り上げる。


「硬い!蹴った足が痛い!」


 だが、蹴り上げられたアンドロイドは、宙に浮かび、無防備となった。そのアンドロイドを水で包み込む。そして、腰のテーザー銃を抜き、水に包まれたアンドロイドに向け撃った。

 バチバチとアンドロイドは感電すると、動きを止める。


「よし、高電圧でのショートは通用するぞ」


 速水は、次のアンドロイドに向かう。アンドロイド達は、どうも建物に入るのを最優先に行動しているようで、襲い掛かっては来ない。その分、こいつらが中に入ったら大変な事になる予感がする。

 今にも侵入しそうなアンドロイドに背後から、水柱を喰らわし、動きを止める。そしてテーザー銃を撃ち込むが、このアンドロイドは、直ぐに水柱から抜け出てしまい、倒せなかった。


「しまった。入られた!」


 建物内に侵入したアンドロイドは、体を発光させると、爆発する。


「自爆!こいつら、自爆して、倒壊させるつもりなのか」


 今の自爆で、侵入するための穴が広がり、一気に雪崩れ込もうとする所に、漸く他のメンバーも到着した。


「ごめんなさい。遅れました」

「こいつらを中に入れさせるな。自爆するぞ」

「はい!」


 石破は、意識を集中すると穴の空いた壁に手を当てる。


「これで!」


 石破の触れた壁から、土が現れ、みるみる穴を塞いでいく。


「これで暫くは、入れませんよ」

「石破、お前、馬鹿。あいつらを壁の向こうに閉じ込めてどうするんだよ」

「あ!しまった」

「入り口からこっちに回って来るのにまた時間掛かるじゃないか」

「ごめんなさい」


 穴を塞がれてしまったアンドロイド達が速水と石破を見る。

 邪魔をされて、どうやら二人をターゲットとして認識したようだ。


「うわ、何か囲まれてしまいましたね」


 二人を囲むようにアンドロイド達は円陣を組む。


「いい、配列だ!」


 3号と戦っていた賢也が、アンドロイド達を飛び越え、二人の元にやって来た。


「隊長ぅ」

「お前達、悪く思うなよ。刹那」

「へ?」

「え?」


 賢也は、二人を担ぎ上げ、上に放り投げる。


「何でぇぇぇ」


 石破の叫びが聞こえるが、無視。


「これで、一網打尽だ。蒼炎舞!」


 蒼い炎が円を描き、周囲のアンドロイドを焼き尽くす。

 そして、落ちて来た二人を受け止める。


「隊長、酷い…」

「いや、凄いですね」

「ふーん。あたしから離れて行ったと思ったら、まさか、一撃であいつらを片付けてしまうなんて。今の攻撃は、覚えたよ」


 3号がニヤリと笑い、構えを取った時、3号の動きが止まる。


「うん?…分かった。…あぁ」


 何だ?通信しているのか?


「いい所だったんだけど、帰還命令が出たから、この続きはまたね。そこのあんた、あたしのネメシスシステムを覚醒させてくれてありがとうね」


 3号の足元に光の円が現れ、光に包まれると、3号は消えた。


「何とか、追い払えたか」


 やはり、あの光は転送か?今の技術でそんな物が存在するのか?


「二人共、よくやった。速水、アンドロイドを破壊せず、行動不能にしたのは大きいぞ。梶さん達に持って行って来い」

「はい。石破、行くぞ」


 二人は行動不能になったアンドロイドを抱えると、運んで行った。


「重い…。これって、か弱い女の私じゃなくて、男の仕事だ…」

「つべこべ言うな。運ぶぞ」




 賢也は、加護の元へと報告と質問に来ていた。


「司令、襲撃してきたアンドロイドは、3号は退却し、他の廉価版アンドロイドは、1体は捕獲。1体は自爆。その他は、殲滅完了です。被害は、壁に穴が。人的被害はありません」

「そうか、ご苦労。他には?」

「あいつらは、海底に基地があると言っていました。そして、ちょっとお尋ねします。創地博士と一緒に研究していた人はいませんか?」

「どういう事だ?」

「あいつらは、転送技術を持っています。これは、創地博士が開発したとは思えない。誰か他の人が居たと思うんです。転送技術について、分かれば海底にある基地に攻めていけるんじゃないかと」

「成る程。元ハンター協会の役員に確認を取ってみよう」






 その頃、夜の暗闇の中、ある建物に侵入する一つの影があった。


「居った。居った。我等の住み処を見つけられては困るのだ。消えて貰う」


 その影、4号は、侵入した建物の寝室に静かに寝ていた神移博士の頭を長く伸ばした人差し指で、一突きすると、神移博士は、苦しむ間も無く、息を引き取った。

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