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VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第1章 黒死竜討伐編

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50.黒死竜との激闘!そして…

黒死竜の身体から発せられた黒い輝きが辺り一面を覆い、賢也達は何が起きているのか、全く分からなかった。


「くそ、何も見えない」

「何が起きているんだ?」


 徐々に光が収まっていく。そして、光が無くなって現れたのは、人?いや違う。羽がある。角もある。あれは、竜人と言った方がいいだろう。


「おい、あれは何なんだよ。姿が変わっただけじゃなく、傷も治ってるじゃないか!」


 力也が黒死竜の姿を見て、驚いている。驚いていたのは、力也だけではないが…

 

「ふむ。この姿は初めてだが。さてさて…」


 黒死竜は、手をグーパー、グーパーと開いて閉じてを繰り返し、腕をブンブン振り回す。


「では、行くぞ」


 黒死竜が呟いたと同時に姿が消える。消えたと思ったら、センの目の前に現れた。


「貴様は、さっき何も出来ていなかったな。要らぬ。消えろ…」


 黒死竜がセンを軽く叩くと、センは吹き飛んでいった。


「おや?軽く叩いただけなのだが」


 次にノッコの前に現れた。


「お前も霧を止めただけで、役に立っていない。要らぬ」


 黒死竜がノッコを叩こうとした所に、賢也が黒死竜に斬りかかる。


「させるか!」

「ほう。我の動きに付いてきたか」


 黒死竜は、ノッコから賢也に攻撃対象を変更すると、爪で賢也の剣を受け止める。


「どうした?さっきの方が強かったぞ?」

「ちぃ。硬さは変わらないか。ノッコ!離れろ!優!センを!」


 賢也は、2人に指示を出すと、すかさず黒死竜に攻撃をする。


「朧!」


 賢也の朧の斬り下ろしは、爪でガードされたが、斬り上げは直撃した。だが、黒死竜の硬い皮膚は、傷一つ付かない。


「無駄だ」

「無駄じゃないよ」


 賢也の言葉の後、力也がすかさず黒死竜を斬りつける。


「こういう事だ。俺を忘れてもらっては困る!」


 身体強化レベル3で斬りつけた力也の鎌は、賢也の剣を受け止めていた左腕を斬り落とした。


「ほう。成る程。注意を引き付けて、別の者が攻撃するか。成る程。覚えておこう」


 賢也は、黒死竜を蹴ると、その勢いを元に、後ろに飛び退く。


 そして、黒死竜に蒼い雷を落とす。


「爆雷!」


 賢也の蒼と雷の合成異能、爆雷が黒死竜に直撃する。蒼い雷が落ち、爆発する。その爆発の跡には黒死竜の姿が無い。

 賢也がその場から離れたのとほぼ同時に賢也の立っていた場所に黒い雷が落ちる。


「避けたのか?偶々か?」

「偶然な訳ないだろうが!」


 賢也は、空中に浮かんでいた黒死竜に飛燕を放つ。黒死竜は、手を横に払うと飛燕が霧散した。そして、背後から飛び上がって斬りかかっていた力也をはたき落とす。


「同じ手は効かぬ。もっと工夫するのだな」

「ああ、そうだな!雪月風花!」


 更に背後に回っていた賢也が、秘奥義を放つ。無数の突きが黒死竜を襲う。


「何…。傷付けられている?」


 賢也は、突きの最後を蹴りに変え、黒死竜を地面に叩きつけた。そのまま回転斬りに切り替え、黒死竜に向かって落ちていく。


「ふん。大して効かぬ」


 だが、賢也の回転斬りは、黒死竜の右腕を斬り落とす。両腕を無くしガードも出来なくなった黒死竜に更に追撃。下から真上への斬り上げ、鳴神の逆版。黒死竜は、さすがにこれは躱そうとするが、躱しきれずに掠る。


「うぉぉぉ!」


 賢也の叫びと共に、雪月風花の最終連撃の連続斬りが黒死竜を次々と斬りつけていく。


「刹那ぁ!」


 最後の斬りつけに刹那を合わせる。黒死竜の胸を深々と斬りつけた後、剣は砕け散った。


「凄いじゃないか。実に素晴らしい」


 両腕を斬り落とされ、胸を深々と斬られ、身体中が傷だらけの状態で黒死竜は笑っている。


「だが、この程度で我は倒せぬよ」


 黒死竜の身体がほんのり光ると、傷が塞がり、腕は生えてこれまでのダメージが嘘だったように無くなる。


「な…」

「マジかよ…」


 怪物が怪物等を喰らい、傷を癒す奴もいたが、黒死竜は、それすらもなく、いとも簡単に傷を癒した。こんな奴をどうやって倒したらいい。


「首を刎ねるか、心臓を貫くか?」


 そもそも心臓がこいつにはあるのか?隕石と間違えられたという事は、地球上の生物じゃない。身体の造りが同じかどうかも怪しい。双頭竜や他の分身体の身体の造りを聞いておくんだったと後悔する。


「双頭竜は、体を4つに斬り裂いたら倒せたんだ。こいつだって、さすがにそこまでされたら、回復出来ないだろう」


 黒死竜の倒し方を考えていたが、そんな余裕も与えてくれなかった。黒死竜は、賢也に向け黒い雷を放つと、力也の目の前に一瞬で移動する。そして、力也を爪で薙ぐ。

 力也は、鎌でガードするが、鎌は斬られてしまい、力也の胸を斬り裂く。


「ぐぁっ」


 力也は、そのまま地面に倒れる。地面にうつ伏せになった力也の下から血が広がっていく。


「力也さん!くそぅ」


 賢也は、黒死竜に向かって突っ込む。黒死竜は、難なく躱すと、爪で反撃してくる。賢也は、これを体を反らし躱す。

 黒死竜の先にセンが立ち上がっているのが目に入った。優の力で立ち上がれる程には回復したらしい。

 賢也は、拳に焔と旋の合成異能を纏わせ、黒死竜の腹を殴りつけた。


「ぶっ飛べぇー!烈風!」


 黒死竜は、賢也の放った爆風でセンのいる後方に吹き飛ばされる。


「何のつもりだ?吹き飛ばした程度でダメージなど…」


 黒死竜は、背後に自分が吹き飛ばしたセンが立って、剣を構えているのに気付く。


「むぅ。爆風の勢いを止められん」

「さぁ、さっきの倍返しといこうじゃないか…。氷牙突・ヴァンジャンス!」


 賢也の烈風による勢いとセンの氷牙突・ヴァンジャンスによる強烈な一撃で黒死竜の腹をセンの剣は貫いた。


「グァァァァァァァ!」


 これまでにない悲鳴を黒死竜は上げる。


「貴様ぁ!」


 黒死竜がセンに黒い炎を吹こうとした瞬間に賢也が黒死竜の首を刎ねた。黒い炎は、そのまま空へと放たれる。


 勝った…?

 賢也達がそう思った時、黒死竜の胴体から、首が生える。


「嘘だろう!首を刎ねられて生きてるのかよ!」

「頭を斬られようが、我は死なぬ。だが、よくもやってくれたな。もう遊びは終わりだ。貴様達、全員死ね!」


 黒死竜は、空に舞い上がると両腕を高く掲げる。


「凄い力を感じる。あれはヤバいぞ!」

「でも、頭が無くなっても死なないような奴を倒せるのかよ?」


 黒死竜の手の先に黒い球が大きく膨れあがっていく。あれは、甲虫型の!小型ブラックホール!

 賢也は、黒い球に向け、剣を投げつけた。甲虫型の時は、これで消滅出来た。だが、黒死竜の黒い球は、剣を呑み込み消える事なく膨れていく。


「どうする?どうすれば?」


 黒死竜をよく見ると首は復活したが、センの付けた腹の傷は残ったままだ。


「あれは。ひょっとして…」


 考えている暇はない。試してみるしかない。賢也は、【屠竜】を取り出し、黒死竜に向かって飛び上がった。


「いっけぇぇぇぇぇ!刹那!」


 黒死竜の腕を斬りつける。黒死竜の両腕は、見事に斬り落とされ、黒い球は霧散した。


「ギャァァァァァァ!」


 黒死竜が再び悲鳴を上げる。

 やはり。こいつは、双頭竜の骨で作られたセンの剣、賢也の【屠竜】で斬られた攻撃は効いているのだ。

 賢也は、黒死竜を地面に蹴りつける。


「耐えてくれよ。【屠竜】」


 双頭竜の骨で作られた【屠竜】は他の剣より丈夫で切れ味も抜群だが、恐らく刹那を使った攻撃はせいぜい3回が限界だろう。【屠竜】が有効なのは分かったが、黒死竜を斬るには、刹那による強化も必須。つまり、チャンスは今しかない。


「うぉぉぉ!これで止めだぁ!朱雀ぅ!」


 賢也の身体が炎に包まれる。そして、地面に叩きつけられた黒死竜に向け、勢いよく飛び込む。賢也の突きが黒死竜の胸を貫き、そのまま勢いよく後ろへと引き摺りながら、斬り下ろし、回転斬りで両足を切断、地を蹴り、斬り上げ、黒死竜の頭上高く飛び上がると、最後の斬り下ろしで頭から真っ二つに斬る。

 そして、【屠竜】は全異能を同時使用した全力の朱雀に耐えきれず、砕けてしまった。


「はぁっ、はぁっ。これでどうだ?もう、これ以上は無理だぞ…」


 真っ二つとなった黒死竜の体が再び黒く輝きだす。


「おい、おい、おい!」


 そして、光が収まり、そこに居たのは、元の巨体に戻った黒死竜だった。だが、一つこれまでと違ったのは、体が真っ二つに割れたままという事。


(よもや、我がこのような辺境の惑星で死するとは…。小さき者よ。見事だった)

「か、勝ったのか?」

(我を倒した事、誇りに思うが良い…………)


 黒死竜の声が聞こえなくなる。賢也は、黒死竜の体に触れると、その体からは体温が冷めていくのが分かる。


「勝ったぞー!」


 賢也は勝利の雄叫びを上げるのだった。




 賢也達は、協会本部へと向かった。幸いにも、力也は優の力で何とか命を落とさずに済んだ。


「会長。黒死竜の討伐、達成しました」


 賢也の報告に、会長は驚き、立ち上がる。


「ほ、本当か。嘘ではないよな?」

「嘘なんかついてどうするんですか?これが証拠です」


 賢也は、外に会長達を連れ出すと、黒死竜の死体の半分を取り出す。


「おぉ、本当に」


 会長は討伐隊の唯一の生き残りに確認する。男は頷く。


「間違いありません。忘れる筈がない。こいつは、本物です」

「そうか!よくやってくれた!本当に」


 その日のニュースは、賢也達の黒死竜討伐で大賑わいだった。


 人々は、怪物の親玉である黒死竜が倒れ、普通の生活に戻れる事を大いに喜んだ。


 ハンター協会は、しばらくは怪物の生き残りを殲滅するために残るが縮小化される事になる。賢也は、そんな中、ハンターのナンバー1として、協会に残る事になった。

 

 そして、黒死竜を討伐した最強の剣士として、ニュースに報じられ、賢也に手合わせを申し込む者、弟子入りを志願する者、それを妬む者等が後を絶たない。だが、そんな事は些細な物だった。


 「これからだよな。本当に大変なのは…」

 

 賢也は、誰にも言っていない事があった。それは、黒死竜が最後に賢也にだけ告げた言葉。




(我を倒せし者よ。これから訪れるであろう数々の災厄に、心せよ…)

ここまで読んで頂きありがとうございます。


黒死竜編は、これで終わりです。


次回からは、新しい敵が現れ、今後も賢也の活躍は続きます。


これからもよろしくお願いします!

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