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VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第1章 黒死竜討伐編

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45.黒死竜の討伐へ、富士の樹海探索開始

総合評価が100ポイント越えて、

筆が進んだので、2日連続投稿です。


ブクマ、評価ありがとうございます!

剣十郎の元を去り、地元へと帰って来た賢也達は、黒死竜の討伐に備え、準備を始めていた。

 優とノッコは、賢也に貰った新しい武器に慣れるための特訓をし、賢也は、協会支部へと足を運び、黒死竜の情報を集めた。

支部長の阿部からは、驚かれたが期待の声を掛けられた。

 

 黒死竜は、依然として何処にいるのか分からないらしい。賢也達以外にも何人かが富士の樹海に向かったらしいが、姿を見る事はなかったと言う。

 既に富士の樹海から場所を移してしまっているのかもしれないが、余りにも目撃情報が無いため、手掛かりを掴む為にも、富士の樹海に行くしかなさそうだ。


「探索となると、食糧やらテントやらアウトドア用品が要るな」

 

 賢也は、探索期間も決めてから行動する必要があると判断した。見付かるまで探すなどと言うと、下手をしたら年単位掛かる可能性だってある。

 

「女性もいるし、1週間といった所かな」

 

 賢也は、黒死竜討伐の仲間内で作ったSNSに黒死竜の情報が大したものが無いので、富士の樹海探索に1週間行くのはどうかと連絡をした。

 全員からすぐに返事が来る。


力也:俺も情報集めてみたが、駄目だった。富士樹海の探索は賛成だ

千志郎:いいぜ

優:分かりました

法子:Ok

櫻翔:分かりました


 皆が賛成だった為、出発は1週間後に樹海入り口に集合とした。


 賢也は、食糧やテントを買い込み、探索の支度を整える。


 そして、1週間後、

 

 賢也達6人は、富士樹海の入り口に集合した。

 

「よし、全員集まったな。黒死竜の手掛かりを何でもいいから掴もう。樹海の中には、怪物も徘徊しているから、気を抜かないように」


 賢也を先頭に殿はセンが務め、樹海の中へと入っていった。

 

「賢也、怪物がこの先にうようよいるよ」

 

 木々の隙間から見る限りは、動くものは特に見えない。索敵能力に長けたノッコだから、感知出来たのか。見えない所を考えると、5km以上は離れているか。

 

「でも、恐ろしい程巨大な怪物みたいなのは感じないな」

「分かった。ノッコはそのまま索敵頼む。他は周囲に注意しながら進むよ」

 

 周囲の様子を注意深く観察しながらゆっくりと進む賢也達。

 ノッコの感じたという怪物の姿は未だに確認出来ないが、賢也も怪物特有の邪気を感じる。

 

「怪物が近くにいるな。皆気を付けろ」

 

 数は1体か。邪気の強さからして、Bランク位。このメンバーなら大した敵ではないだろうが、能力持ちだと、それ以上に厄介となる為、油断は出来ない。

 気配はするが、姿は見えない。賢也は、歩みを止める。

 

「おかしい。確かに気配は感じるのに、姿が見えない。何かの能力持ちかも。ここで迎え撃とう」

 

 歩みを止めて、警戒を始めてから既に30分が経過した。

 

「襲って来ない?無視して進むべきじゃないですか?」

 

 櫻翔が皆に提案した時、賢也が叫んだ。

 

「散れ!」

 

 賢也の合図で皆がその場から離れた瞬間、バン!という音と共に櫻翔の立っていた地面に穴が空く。

 

「危な!」

「居るぞ。油断するな」

 

 賢也は穴の空き方から攻撃の来た方向を予想する。

 

「上か!」

 

 力也も賢也と同じ事を考えていたようで、円月輪を攻撃が来たであろう方向に投げていた。

 円月輪が木を切り裂く。

 

「危ない!木が落ちてきた」

 

 近くにいた櫻翔が木を避ける。

 

「すまないな。怪物がいるかと思ったんだが、当たらなかったみたいだ」

 

 手元に戻ってきた円月輪を見るが、怪物の血は付いてはいなかった。

 賢也とノッコは怪物を探していた。姿は見えないが間違いなくいる。ノッコが黒い霧を出した。

 

「ノッコ、それは待って。皆が見えなくなって混乱する」

 

 只でさえ敵の姿が見えない状況で、周りが真っ暗になったら更にパニックになってしまう。

 

「分かったわ」

 

 ノッコが霧を消した時、ノッコの顔が何かに殴られたように後ろに吹き飛ばされる。

 

「ノッコさん!」

 

 優がノッコの元へ走ると、優の後ろの地面に穴が空いた。その衝撃で優は転倒した。

 

「痛っ」

 

 優が転倒した時、賢也は、優の元へ走り、剣を下から斬り上げた。

 

「ギャァァッ!」

 

 怪物の悲鳴が聞こえ、その姿が現れた。

 

「あそこか!」

 

 姿を現した怪物は、賢也に斬られた舌を再び伸ばし攻撃してくる。

 

「姿が見えれば、こっちのものー!」

 

 センが木から木へと飛び上がり怪物を真っ二つに斬った。

 

「成る程。能力というより、こいつの特徴か」

 

 怪物は、カメレオンだった。周囲の風景に溶け込むのが、更に強化され、姿を認識出来なかったようだ。

 

「ノッコ、大丈夫か?」

 

 センが、木の上から降りてきて、カメレオン型の攻撃をもろに受けたノッコの元に行った。

 

「何とかね。顔がベタベタするわ。剣十郎さんの所で修行していたおかげで命拾いしたわ」

 

 痛みと気持ち悪いので複雑な表情をしているノッコの傷を癒しに優がやって来た。

 

「ノッコさん、傷を見せてください」

「ありがとう。優」

 

 賢也と力也は周囲に警戒し、怪物が再び来ない事を確認すると皆の元へ行った。



「打たれた所が、痣になっちゃってますね。あと、涎が…」

「顔を洗いたいわ…」

 

 賢也がノッコの言葉を聞いて、時間を見てから皆に提案した。

 

「なあ、今日はここまでにして、ここにテントを張るか。辺りに怪物の気配は無いし、多分、この先は怪物が多くて、気が休まらないと思うから」

「そうだな。その方がいいかもしれない」

 

 力也も賛成し、皆が頷いた。

 賢也は、異空間からテントを出すと、さっさと組み立てる。そして、簡易風呂も作ると、

 

「ノッコ、風呂作ったから、顔洗いな。優も一緒に入るといい」

 

 女性に1週間も風呂無しはさすがに悪いと思って、準備していたのだが、初日から役に立つとは。

 

「男は、食事の用意するぞ」

 

 賢也はてきぱきと準備を進める。

 

「賢也、凄いな。手慣れてるぞ」


 センが賢也の動きに感心していた。

 男達が食事の準備をしている間に風呂から上がったノッコと優は、頭を拭きながらテントから出て来た。

 

「賢也、ありがとう。おかげですっきりしたわ。1週間、お風呂は無理と思ってたから、助かったわ」

「それは良かったよ。準備が無駄にならなくて良かった」

「よし、飯にしようぜ」

 

 力也が腹が減ったとばかりにすぐに食事を始める。

 

「そういえば、千志郎。お前のそのゴツい武器はどうしたんだ?」

 

 力也がセンに尋ねる。

 

「これですか?賢也に貰ったんですよ。いいでしょう?」

「ああ、力のあるお前にいい感じの武器だな。俺にも合いそうだ」

「梶さんの作った武器ですよ」

 

 賢也が力也に説明する。

 

「流石は梶さんだな。相変わらず良い武器を作る」

 

 食事が終わる頃には辺りが暗くなってきた。

 

「よし、見張りを交代でしながら睡眠を取ろう」

 

 最初の見張りを力也と櫻翔。交代で賢也と優。最後にセンとノッコの順で交代する事に。


 

「力也さん、見張りをしている間、僕に戦い方を教えてもらえませんか?」

 

 櫻翔が力也に戦い方のレクチャーを頼む。力也は不思議そうに尋ねた。

 

「お前、ハンターなんだよな?先生の元で修行もしてるのに何で?」

「さっきの戦いも最初に逃げたら、後は何も出来ずにただ見ていただけでした。ハンターにはなりましたけど、まだ討伐数0のペーパーハンターなんです。もっと皆さんの役に立ちたいんです」

 

 櫻翔の熱意に力也は戦いにおける注意を話した。

 

 1.恐怖を忘れるな。恐怖に呑まれるな。

 2.相手の動きを注意深く観察する事。

 3.自分を信じろ。今までの努力は全て力になる。無駄なことは無い。

 4.逃げる事を卑怯と思うな。己より強い者から逃げる事は生き残る事で最も重要

 5.周りを利用しろ。その地形を活かし、自分に有利な状況を作れ

 

「俺はこの5つを特に注意しているぞ。龍崎は違うかもしれないがな」


 櫻翔は、自分のこれまでの努力を信じ、戦う事を心に誓った。


 そして、黒死竜の手掛かりを得るためにやって来た富士の樹海探索初日の夜は、何事も無く明けたのだった。

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