40.異能合成?
2021年初更新となります。
今年もよろしくお願いします!
正月休み、思っていたより話が書けなかった。
週3更新は、厳しいので1月は、12月同様、週2更新でいきます。
賢也達が異能の修行を剣十郎の元で始めて1週間が経過した。
優やセンも武器に触れずに覚醒出来る位にまで、成長していた。ノッコに至っては、物理的干渉がどうも苦手で、ゲームでも魔法職だったから、物理攻撃は要らないと、物理攻撃は断念していた。霧で殴る、斬るというのがイメージし難いらしい。賢也も新しい能力の検証は一通り試し終わっていた。怪力を得ると思っていた能力は、瞬間的に力が爆発的に上がる能力で、せいぜい10秒が限界。だが、効果は絶大。気と鋼の能力で耐久力を上げていた【銀狼】が、衝撃に耐えきれず折れてしまった。これで【銀狼】は残り3本。生身で殴れば、腕が使えなくなりそうだ。蒼炎は、焔の上位的な力だった。焔は、自分の体に触れている部分に炎を纏わせるが、蒼炎は、何処にでも炎を出現させられる。しかも、蒼炎の方が高温のようで、切れ味も焔より上がった。今は、新しい能力と今までの能力の重ね掛けの相性を確認しながら、センの能力を検証している。
「よし、行くぞ。セン」
「あぁ、何時でもいいぞ」
賢也がセンを殴り飛ばす。
「痛ぇ…。もう少し弱くても良いんじゃないか?」
「余り弱くても、検証にならないだろ。で、どうなんだ?」
「ああ、殴られる前に比べて、力が強くなった感じがする」
「ダメージカウンターじゃなく、ダメージによる身体強化なのかな?」
「上がった力で攻撃したら、どうなるかな、っと!」
センは賢也に殴り返す。賢也は、手で受け止めると、
「まだまだだな。この程度の力じゃ効かないぜ」
「何でだよ!っと、ありゃ、上がってた力が無くなった気がするな。嘘だろ。一発だけって…。どれだけ無能なんだよ。これ。しかも、発動中は、やたら疲れるし」
センは、自分の能力に愕然としていた。
「まあ、もう一度試すぞ」
賢也は言葉と同時に蹴り飛ばす。
「こら、賢也。いきなりは止めろ。いきなりは」
「今のは、最初と同じ力で攻撃したから、もう一発行くぞ!」
賢也は、もう一度蹴り飛ばす。
「がはぁ。ちょっ…」
「よし、来い!」
「むぅ、おらぁ!」
センは、賢也を殴りつけると、賢也は吹き飛ばされた。
「お」
「さっきと全然力が違うな。ダメージ蓄積でも、効果が上がるんだな」
「何か、攻撃した後の力の消失感が…」
「よし、次!」
「早っ!」
三度、賢也に吹き飛ばされるセン。
「よし、優!こっちに来て。センを癒して」
優の能力は、痛みを和らげるのではなく、治癒の能力だった。
「はい!センさん、大丈夫ですか」
「ああ。あいつ、俺を吹っ飛ばすの楽しんでないか?」
「そんな事無いと思いますけど。終わりました」
「凄いな。治癒の能力は。っと、あれ、まじか」
賢也はセンの様子を見て、やっぱりと思った。
「傷が癒えたら、力が無くなったんだろ」
「ああ。なんてこった。本当にダメな能力じゃないか…」
その後もセンの力の検証を続けて分かった事は、
・能力発動前に受けたダメージは意味がない(当たり前だが)。
・ダメージ量が大きい程、効果は上がる。
・ダメージの蓄積は可。但し、蓄積中に能力解除すると、リセットされる。
・ダメージを癒すと効果が無くなる。完全に癒さなければ、効果は残る。
・能力が上がった状態では、身体能力も向上する。
・攻撃に影響があるのは、一度だけ。乗せる攻撃を選択出来るのかは、まだ不明。
一発大逆転の能力なのは、間違い無い。優とコンビを組んで、戦えば良いかもしれない。
「もう少し検証したい所だけど、お客さんだな」
一人の男がこっちに歩いて来る。
「そろそろ僕も加わってみようと思ったんですが、よろしいですか?」
その男は、賢也達が剣十郎の元にやって来た時、離れに案内してくれた男だった。
「構いませんよ。えーと…」
「あ、僕は、真東です。真東 大河って言います」
「大河さん!」
センが大河に声を掛ける。
「大河さんが、こっちに来たのなら、他もこっちに来るようになるかな」
「さぁ?どうかな?」
大河は、どうやら門下生達に一目置かれている存在のようだ。
「何をすればいいんですか?」
大河は賢也の元まで歩いて来ると質問する。
「それじゃあ、まずは能力の確認から。ノッコ!」
「Ok」
賢也がノッコに確認するように頼むと、すぐに黒い霧が辺りを包む。
「俺まで包む必要は無いんだけど…」
霧が消える。大河は、霧に包まれるのは2回目だった為か、落ち着いていた。
「その人の力だけど、麻痺かな。何か私自身の力も上がったのか、前よりはっきり解るようになったな。そうそう、賢也。あなたの能力も、吸収だけじゃなくて、合成的な力もあるみたいだよ」
「え?合成的なって?」
俺の本来の能力は、自己分析では、吸収だったが、合成もある?
賢也が考えていると、大河が呆然と賢也を見ている。
「あ、すみません。じゃあ、これを」
【黒鉄】を大河に渡す。
「これは?」
「怪物の部位で作った籠手です。怪物の部位に触れると、覚醒出来るので、まずはそれ無しでも、覚醒出来るようになって下さい」
「ふーん。覚醒ね。分かった」
大河は、意識を集中すると、覚醒した。
「うわっ。これが覚醒!」
大河は自分の力が異常に上がった事に驚いた。
「成る程。君が強い理由が分かった」
何か刺を含んだような言い方だが。大河は、離れて覚醒の特訓を開始した。
賢也は、センに小声で聞いてみた。
「なぁ、あの人、俺に何か恨みでもあるのか?何か刺があるんだけど」
「うん?ああ、前にお前が来たときに手も足も出なかったのを気にしてるんじゃないか?今の門下生の中で一番強い人だからな」
「ふーん。ま、いいか」
賢也は、特訓している大河をチラッと見た後、
「よし、俺は自分の特訓だ」
自分自身がまだまだ力を把握していなかったというのを知り、特に合成という新たな可能性を試さずにはいられない。
「ノッコの合成的なというのが気になるが」
大河の能力は、麻痺と断言したのに合成は断言しなかった。"的"という言葉が気になる。
「まぁ、とりあえず試さない事には分からないな」
そもそも合成をどうすれば出来る?力を使って具現化してから合成するのか、それとも、体内に秘められたまま合成するのか?
賢也は、焔を発動し、雷を発動する。炎の周りを雷がバチバチと鳴っている。
「これは、いつもの同時発動だな」
さて、合成出来るか?賢也は、2つの力が1つになるように意識してみる。炎と雷が揺らめいたが、それだけだった。
「違うのかな。難しいぞ」
次は発動前に2つの能力が1つになるように意識してから発動してみる。が、いつもの同時発動と変わらない。
「これは一筋縄じゃいかないな。同時発動の数を増やすのと合わせて、少しずつ試していこう…」
賢也は、優をチラッと見ると少し無理しても大丈夫かなと、双頭竜を倒した時の4種同時発動よりも多く発動させてみることにした。
「効果より、まずは数だな」
今、賢也が使える能力は、吸収、自己分析を除いて、10種類。よし、6種類同時だ。
焔、雷、旋、重、鋼、空。
「うぉぉぉぉ」
賢也の莫大な気にセン、大河の二人は驚き、賢也の呻き声にノッコと優は何事かと賢也の方を見る。
賢也の体は、過剰な力に悲鳴を上げている。
「くぅぅぅ、や、ば、いぃぃぃ…」
賢也の腕から血が流れ始める。すぐに力を解けばいいのだが、何故か力を解くことが出来ない。どうも力を同時に使い過ぎて、暴走しているようだ。何かに力をぶつければ収まるか?でも何に?
そんな事を考えている間にも暴走した力は賢也の体を傷付けていく。
「賢也!大丈夫なのか?」
センが心配になって、賢也の元へ近付こうとする。
「く、る、な…」
賢也は右手に力を集中し始める。炎、雷、風が右手を包み込み、周囲の重力が倍となり、その場にいた皆が動けなくなる。
「うぉっ。何だ。体が重い」
「賢也、重いよ…」
2倍の重力に耐えられず、センとノッコが賢也に訴え掛ける。
その時、賢也の目の前に異空間の穴が現れた。右手を異空間の穴に突っ込むと、力の全てをその中に放つ。周りに与えていた重力の影響が無くなった。
「お、軽くなった」
賢也からあの強大な力を感じない。
「な、何とかなったか…」
賢也は地面に膝を突き、息を切らしていた。
「賢也さん、大丈夫ですか?」
優が走ってやって来る。
「今、癒しますね」
優が賢也の傷を癒していると、大河がやって来た。
「何て無茶をするんですか!どれ位強いのか知らないけど、周りを巻き込むような事は止めてもらいたい。今のは下手したら皆死んでましたよ」
言いたい事を言うと、去っていった。
「あそこまで言わなくたっていいのに」
「いや、いいんだ。優。実際、危なかったのは間違い無い。それより、ありがとう。助かったよ」
傷が癒えた賢也は立ち上がると、右手を空に向ける。
「どうしたんですか?」
「いや、もしもの事を考えてね」
賢也の右手の前に異空間の穴が現れると、轟音と共に中から雷を帯びた炎が勢いよく出てきた。
「うわぁ。これはまた激しいな」
「これって」
「そう。さっきの放った力を閉じ込めてたのを出してるのさ」
異空間に封じ込めていた炎が全て出切った所で、賢也はふぅっとため息をついた。
「うん、少しずつ力を伸ばそう」
賢也は誰にも文句を言われないように少しずつでいいから、強化していこうと心に誓った。




