39.異能特訓開始
2020年最後の更新です。
7月から書き始め、6ヶ月。
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剣十郎の元で再び修行を始めた賢也だが、基本の三調と山の中のランニングを済ませると、ノッコと優を呼び、別メニューを始めた。
「さて、ノッコはもう覚醒の力をある程度使えるけど、優はまだ何も無しでは、力を発動出来ないんだよね」
賢也は、ノッコと優に現状の再確認をする。
「えぇ。あの黒い霧を出すのが、私の能力みたい。まだ、使い道がよく分かってないけど」
ノッコ自身、霧は出せるが効果はまだ分かってないようだ。
一方、優は、
「そうですね。私は、正直、力の発動がよく分からないです。この間は、無我夢中でしたから」
優の癒しの力は、痛みを和らげるだけではなく、治癒の効果もありそうだ。今後の戦いに非常に重要となる。
「Ok。じゃあ、ノッコは力の効果検証、優は力のコントロールからだな」
「賢也は?」
ノッコが尋ねた。
「俺は、とりあえず、二人の様子を見ながら、俺自身の力の検証をするよ」
賢也は【黒鉄】を出すと優に渡した。
「剣は危ないから、これで。それに触れて、まずは覚醒状態になって。それを繰り返して、覚醒する時の感覚を覚えるんだ」
優は頷くと、【黒鉄】に触れて、覚醒する特訓を始めた。
「次はノッコ、君だ。霧の効果は今分かっている範囲でどんなのだい?」
「そうね。初めて出た時は、相手の視覚と方向感覚を狂わせていたみたい。今日はさっきみたいに皆の中に、怪物がいるのかを確認するのに使えたよ」
「うーん。元々、霧を使えない時は、感知系の能力だと思ってたけど、それを基に相手の感覚を狂わせる力もあるという事かな?」
「まぁ、とりあえず出してから考える」
ノッコは、そう言うと直ぐに霧を出現させる。
「これは、どっちの霧だい?」
「分からないよ。自分でも違いが分からないもの…」
「なら、まずは意識的に使い分けられるようにならないとね」
賢也はそう言うと霧の中へと入ってみた。
「周りは見えなくなったけど、方向感覚は残っている。これは、感知の霧かな?どうだい?」
「えーと…。それも違うみたい。何も感じないよ」
「どういう事?」
賢也は、霧から出て来てノッコに聞いてみた。
「分からない。何だろう」
ノッコは、手を動かしてみると霧が手を動かした方向に移動した。
「うわっ。動いた!」
動かした本人が驚いている。
「これは…。ノッコ、霧が纏まるように意識を集中してみて」
ノッコは、賢也に言われた通り、霧を棒状になるように意識してみると、霧が思った通りの形へと変化した。
「凄い。思った通りの形に変化した!」
これは、輝の光の能力と似た能力なのか?感知能力とは別の能力みたいだな。
「ノッコ、その霧をまた俺に被せて、俺がそっちに来ないように意識してみて」
ノッコは言われた通り、霧の操作をすると、賢也が移動出来ないように意識する。
「これは、成る程。方向感覚が無くなった。自分がどっちを向いているのかも分からないぞ」
ノッコの能力は、霧の操作、しかも、ノッコの意思で様々な追加効果を付与出来るみたいだな。これは、かなり優秀な能力だ。
「ノッコ、霧を消してくれるかい」
「分かった」
ノッコは、霧を消すと賢也に尋ねた。
「で、どうすればいいの?私は」
賢也は、ノッコの能力について、自分の見解を説明すると、
「成る程。確かにそう言われるとそうかも」
ノッコは、納得していた。
「じゃあ、後はどの位の意思が反映して、追加効果として現れるのかと、霧自体に物理的な効果があるのかというのを確認していこうか」
「物理的な効果?」
「ああ、輝の光の剣や盾みたいに、斬ったり弾いたり出きるかって事」
「よし、やってみるね」
賢也は木人を取り出すと、
「じゃあ、これを殴ってみようか」
ノッコは、霧を棒状に出現させると、木人に叩き付けた。
スカッ
見事に木人を透過する。
「あれ?駄目なのかな?」
もう一度叩くが、やはり透過する。
「えい!この!当たれ!」
何度も叩くが透過してしまい、物理的要素は無しかと判断しようとした時、
バン!
「当たった!当たった!」
ノッコが木人に当たった事を喜び出した。物理的要素もあるのか。今まで当たらなかったという事は、これも特訓が必要だな。
「ノッコは、霧に自分の意思を上手く伝えられるように特訓だな」
「分かったわ」
ノッコは、木人をひたすら殴る特訓を始めた。
「さて、じゃあ、俺自身はと…」
賢也が自分の特訓を何から始めようかと考え始めた時、力也とセンがやって来た。
「龍崎!今、通常の修行が終わったからこっちに来たぞ」
「賢也、俺も来たぜ。何をすればいい?」
もうそんな時間なのか。という事は、今からぞろぞろと覚醒の特訓をしたいという者が増えてくるという事か。
「従来の修行が一段落して、こっちに来る人はどれ位いるのかな?」
賢也が尋ねると、力也が答える。
「うん?ああ、俺達だけだな。今日の所は」
「まだ皆、怪物の力っていうのが、恐ろしいみたいでビビってるのさ」
センは俺は平気だぞという顔で答えてきた。
「ふーん。まぁ、いいか」
賢也は、ひとまず力也は余りやる事が無いよなと思いながら、
「力也さんは、無意識に覚醒状態に入っていたみたいなんで、意識的に覚醒状態になるようにすればいいと思います」
「ん?どういう事だ?」
力也は、心当たりが無いといった感じで質問する。
「あの剛力と頑丈な体が力也さんの能力ですよ」
「え、そうなのか?でも、そう言われると、確かに武器を手放してる時はあんなに力は強くないな」
あれが覚醒だったのかと納得する力也に対し、センは、
「俺はどんな能力なんだ?」
自分の能力がどんなものなのか気になってしょうがないみたいだ。
「ノッコ、見てやって」
賢也は、ひたすら木人を殴っているノッコにセンの能力を調べるように頼んだ。
「ふぅ…。いいわよ」
ノッコは、センを霧で包むと意識を集中し始めた。
「うーん。何だろう、これ?」
ノッコが首を傾げている。
「何だよ。ノッコ。勿体振るなって」
センがノッコを急かす。
「しょうがないでしょ。イメージしか分からないんだから!」
「どんな感じなんだい?」
賢也が尋ねると、
「何かね。殴られたら強くなる?そんな感じ」
「…」
センが固まる。これは、ゲームでは一発逆転も狙えるダメージカウンターという奴なのか?ダメージが大きければ大きい程、より強い攻撃が出来るという。
「駄目じゃん!その能力!怪物の攻撃なんてそんなに耐えられないって。むしろ、喰らったら死ぬ確率の方が高いのに!」
センはヤケクソ気味に大声を出して、自身の能力にダメ出しをしている。
賢也は、センの肩に手を置くと、
「頑張って、頑丈な体になるんだな。LSMだって、タンク役だったんだから丁度いい能力じゃないか」
「くそ、他人事だと思って、簡単に言ってくれるな」
賢也は、微笑すると、
「まぁ、実際に確認してみないと分からないからな。とりあえず、これ」
賢也は、【銀狼】のスペアをセンに渡す。
「何だ?」
「これを持って、優と同じ事をやって」
「ユウもまだ上手く使えないのか?」
「ああ、だから二人で特訓してくれ」
センは頷き、優の所へと歩いて行った。
「あ、力也さんもあの二人と同じ特訓を…」
既に、力也は優達の元へ向かっていた。賢也の方に振り向き、
「何か言ったか?」
「あ、力也さんもその二人と同じ特訓をお願いします」
「ああ。分かった」
3人は、一ヶ所に集まり武器無しでの覚醒の特訓を始めた。
「よし、俺も始めるぞ」
まずは、同時発動の数を増やしてみるか?いや、新しい能力を試すか。
「まずは、これだな」
賢也は、新しく手に入れた水の能力を発動する。
「さて、発動したのはいいけど」
さすがに、象型みたいに鼻から水を放出するというのは無いよな。手から出るかな?右手に意識を集中すると、右手が水で覆われた。
「良かった。焔や雷、旋と同じか」
賢也は、【銀狼】を取り出し、水を覆わせた。だが、炎や雷、風のように攻撃力が上がったという感じがしない。剣を振ってみても、飛沫が自分にかかって鬱陶しい。
「これは、剣に纏わせない方が良いな」
【銀狼】を覆っていた水を再び手に戻し、水を投げつけてみる。野球のボール程の水球が飛んでいった。木に当たった水球は弾けたが、見事に木を薙ぎ倒す。
「お、威力はあるのか」
今度は、手刀に纏わせ飛ばしてみる。手刀から放たれた水は水刃となり木を斬り倒した。これは、武器が無い素手の時に使うと良さそうだ。
「よし、色々試してみよう」
賢也は、新しい能力を試してみるのが楽しみになってきたのだった。
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