↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第1章 黒死竜討伐編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/141

34.最強タッグバトル 4

賢也と剣十郎が戦っている一方で、力也と出雲も戦っていた。


 出雲を殴り飛ばし、追いかける力也に出雲は、吹き飛ばされながら苦無を投げつけてきた。


「あんなに吹っ飛んでるくせに、ノーダメージなのか?」


 苦無を弾きながら力也は出雲に追い付く。


「俺に出雲の中の怪物を追い出せるのか?まぁ、やってみるしかないか」


 出雲は、体勢を立て直すと力也を斬りつけてきた。


 力也は、剣を弾き返し蹴り返そうとすると、背後から気配を感じ、剣を後ろに振った。ガチンと剣のぶつかり合う音と同時に腕が痺れた。


「何だ?何でお前は後ろにも居るんだよ!」


 力也が後ろを振り向くと、剣に雷迅の術を掛けた出雲が立っていた。

 更に気配を感じ、横に跳ぶと、もう一人の出雲が飛び掛かってきたのだ。


「そういえば、こいつは忍者だったな。確か。怪物化しても忍術が使えるのか」


 だが、印を結んでいる所は見ていない。怪物の力で印を結ばなくても、術を発動出来るのか?それよりも不味いことに腕の痺れは切れず、剣も落としてしまったため、素手だ。剣を受ける事は出来ない。落とした剣も、出雲の足元にある。拾いに行ったら斬られてしまうだろう。三人の出雲が一斉に襲いかかってきた。


「危ない!」


 力也は、何とか躱し、一人の出雲を蹴り飛ばすと、剣を拾いに走り出した。

 走りながら剣を拾い上げ、出雲達の攻撃を何とか凌いだ。


「元に戻す所の話しじゃないな。殺す気でやらないとこっちがやられてしまうぞ」


 再び、三人の出雲が襲ってくる。


「どうした、どうした?防戦一方じゃ俺には勝てんぞ」


 さすがに三人からの連続攻撃を凌ぎきるのは難しく、力也は少しずつだが、かすり傷をもらい始めた。


「くそ!鬱陶しい!」


 力也は、出雲の一人を斬りつけた。出雲は、剣を受け止めるが、力也の剛力て、剣は砕け、出雲は肩から腰までを斬られた。


「しまった。力を入れすぎた」


 斬られた出雲は、消えてしまった。


「分身か。良かった」


 出雲は、力也の剛力を見て驚いた。分身とはいえ、体の強度は、本体と同じなのだ。本気で斬られれば、やられてしまう。


「何て馬鹿力なんだ。まともに戦ってられるか」


 力也の目の前にいた二人の出雲が消滅していく。


「なんだ?三人共、分身だったのか?でも、何故消えたんだ?」


 不思議がっている力也の背後に出雲の本体が現れる。


「俺の本当の力を使うのに邪魔だから消したんだよ」


 そう言うと出雲は、地面にゆっくりと沈んでいく。そして、体が全て沈み消えてしまった。


「地面に潜るだけなら分身がいても問題無いはずだが?」


 地面に消えた出雲がどこから現れるのか、力也は警戒しながら周囲を探る。


「気配を辺り一面から感じて、何処にいるのか、分からないな」


 力也の左側から出雲は飛び出てきた。出雲の剣が力也の左腕を掠める。そして、また出雲は地面に潜って消えた。


「くそ、まるでイルカのジャンプだな」


 今度は、背後から飛び出てくる。そして、背中を掠め、また潜っていった。

 力也は、走り出した。動いていれば狙いを定められないだろう。

 走っている力也の右側から出雲が飛び出てくる。だが、力也が立ち止まったため、出雲の攻撃は、空を切り、そこを力也が殴りにかかった。出雲は、体を器用に捻ると、これを躱し、再び地面に潜る。


「イルカじゃないな、モグラ叩きだ。これじゃあ」


 力也は、再び走り出した。攻撃されにくくするためにジグザグに走る。

 このジグザグに走るのが効果があったのか、出雲が地面から出て来なくなった。

 力也は、地面を気にしながら走っていたため、気が付くと、あの道場から出て来ている黒い霧の近くまで来ていた。


「はぁ、はぁ、そういえば、この黒い霧は何なんだ?」


 力也が立ち止まると、出雲が正面から現れる。力也は、正面から飛び込んで来る出雲を躱すと、膝で出雲を蹴り上げる。蹴り上げられた出雲は、黒い霧の中へと飛ばされていった。黒い霧の中に入った出雲の気配が消える。


「あいつの気配が無くなった?あの霧は何なんだ?」


 力也は霧の中に入っていく。


「何だ?ここは?何も見えないし、俺はどっちから来たんだ?」


 黒い霧のせいで方向感覚の無くなった力也は、剣を振り、周囲を警戒する。

 吹き飛ばされ、霧の中にはいった出雲もまた腹を立てていた。


「くそ、あいつのせいで、またこの中に入ってしまった」


 出雲もまた霧の中をうろうろと動いていた。

 そこに力也の振った剣が出雲の右腕に当たる。


「何だ!」

「そこか!」


 ただ振っていただけだったため、腕が斬れる事は無かったが、互いの位置がこれで分かり、二人は闇の中で互いに見えないまま、攻撃をする。何度か攻撃が当たる感触はあるが、掠める程度で、決定打にはならなかった。

 3分程戦っていると、霧が晴れて来た。二人の姿が見えると、剣の届くギリギリの距離に立っていた。


「そこかぁ!」


 力也が殴りかかった時には、時すでに遅く、出雲は、また地面に潜り消えてしまった。


「くそっ。面倒くさい!」


 力也は、再び走り出す。さっきと同じようにジグザグに。


「ギャァァァァァァ」


 叫び声と共に、出雲が突然地面から出て来た。

 よく見ると左肩から胸の辺りまでバッサリ切れている。


「何故、こんな所に剣が埋まっているんだ!」


 力也は、象型が踏みつけ、地面に埋まり抜けなくなった剣の上を通っていたらしく、力也を追いかけていた出雲が自滅してしまったらしい。


「阿保だ…」


 力也は呆れたが、あの傷は不味い。もし、出雲が人間に戻ったとしても、出血多量で死んでしまう。


「くそ、傷を癒さなければ…」


 出雲は、周囲を見渡し象型の死体を見つけた。


「あれだ…。早く」


 出雲は、象型の死体に向かって歩き出す。


「させるか」


 力也は、出雲に向かって走り出すと、体を押さえつけ、馬乗りになった。深手を負った出雲は、力也の拘束を解くことは出来なかった。


「よし、一か八か!」


 力也は、左腕で出雲の傷を押さえつける。


「ギャァァァァァァ!」


 痛みで出雲が叫ぶ。次に、右手に力を溜め、顔に当てると溜めた力を解き放った。不思議な感触を右手に感じる。


「甲斐さん?」


 出雲が弱々しい声で、力也を呼ぶ。出雲から、邪悪な気を感じなくなっていた。怪物を追い出すのに、成功したらしい。


「喋るな。動くな。傷が深い!」


 怪物が出て行ったのなら、何処に?出雲の傷を押さえ、出血量を少しでも抑えようと、力也は努めながら、出雲の体から出て行った怪物の姿が無い事が気になっていた。


「おのれぇ。よくも、よくも」


 地面の中から声がする。どうやら出雲から追い出された後、能力で地面に潜っていたようだ。


「よくも、よくも…」


 声が少しずつ離れていく。


「まずいな。今、あいつに襲われたら、出雲が死んでしまうぞ」


 誰かいないか、力也は周囲を見渡していると、賢也も剣十郎から怪物を丁度追い出した所だった。


「おい、龍崎!」


 力也は、賢也を大声で呼ぶ。

 剣十郎から出て来た竜を睨み付けていた賢也は、力也の呼び声に気付き、竜への注意はそのままに呼び声の方を見ると、力也が出雲を押さえて、慌てているのに気付く。しかも、出雲の気が弱々しくなっているではないか。


「師匠、動けますか?何だか向こうもヤバそうなんで、合流します」


 剣十郎が頷くと、賢也と剣十郎は急いで、力也達の元へと向かった。


「力也さん!どういう状況なんですか? !!」


 賢也は、出雲の状態に気付く。


「俺じゃないぞ。怪物が自滅したんだ!」

「そんなことはどうだっていいです。それより早く出雲さんの止血をしないと!」


 賢也は、道場の黒い霧が無くなっているのに気が付くと、


「早く道場の中へ!救急用品があります!俺が、あの怪物達の注意を引いておくんで、その隙に!」


 賢也は、一人、竜の元へ走って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。