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VRMMOのトッププレイヤーはリアルでも最強になりました  作者: 陽月純
第1章 黒死竜討伐編

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31.最強タッグバトル

少し書き貯めが出来たので、12月から、週1更新→週2更新に変更します。


その代わり1話、1話の長さは若干短くなってます。

賢也は、女達に視線だけ向けたまま、力也に話しかける。


「力也さん、ここはお願いします」


 この場を力也に任せ、自分は道場へ向かおうとすると、


「まさか、私達の警戒している二人がここに来るとはな。行かせないよ。お前には絶望を味わってもらう」


 剣十郎達を怪物化した女が指をパチンと鳴らす。賢也と力也を囲むように異空間の入り口が8個出現した。


「何を出すつもりだ?」


 力也は、自分が投げた武器を拾い上げる。

 後退するタイミングを逃したハンターは早く逃げておくんだったと後悔していた。

 異空間の入り口の中から現れたのは、7体は二足型、1体は4足型だが、初めて見た。象だ。元々の巨体が怪物化した影響で更に大きくなっている。二足型も見た事がないタイプばかりだ。どう見ても猛獣の怪物化したものだろう。ただならぬ気配を感じる。


「な、何だよ。あれ。あんなのと戦うのか」

「お前はいいから、さっさと下がるんだ」


 力也が少し怒った口調でハンターに言った。


「でも、こんなに囲まれてたら逃げられないぞ」

「いいから、行け!」


 力也の迫力に負け、ハンターは走り出した。走り出したハンターに襲い掛かろうとする怪物。速い。チーターか。力也は、武器を投げつけ怪物を牽制する。その隙にハンターは漸く逃げ出すことが出来た。


「やれやれ。さて、簡単には行かせてもらえないみたいだぞ」

「そうですね。こいつらを先に片付けます」


 賢也と力也は互いに背を合わせ、目の前の怪物に向かっていく。賢也は、体の模様から察するに虎だろう。力也は、さっきのチーターだ。賢也は、【紅蓮】を出し、炎を纏わせると斬りつけた。虎型は、鋭い爪で受け止める。


「斬れない?」


 虎型は、賢也を力で弾き飛ばすと賢也を引っ掻こうと腕を振り上げる。振り下ろす時には、賢也の姿は無かった。空を切った虎型の攻撃は、地面を砕いた。


「パワーが凄いな」


 一方、力也もチーター型を攻撃するが、動きが速く全て空を切っていた。


「速すぎる!」

「力也さん!」

「ああ、選手交代だ!」


 賢也と力也は互いの相手をチェンジした。力也は、武器を剣に切り替え、虎型を斬りつけた。虎型は、賢也の剣を受けたように力也の剣を受け止めるが、虎型は爪を斬り落とされ、そのまま首も斬り落とされてしまった。


「パワーなら、負けないぞ」


 賢也もチーター型に斬りつける。チーター型は初撃を躱すが、反撃しようとした所を、賢也の二撃目で腕を斬り飛ばされた。


「まだだ!朧!」


 賢也の斬り下ろしは、チーター型は何とか躱したが、朧の斬り上げにより体を真っ二つにされた。


「よし、あと6体!」


 賢也と力也はそれぞれ次の標的に向かっていく。賢也が向かったのは、豹型だった。チーター型のように動きが素早かったが、チーター程では無い。賢也は胴を薙いだ。よし、斬れると思った瞬間、豹型は姿を消す。


「何?」


 豹型が姿を現したのは、力也の背後だった。力也は、狼と思われる怪物に向かっていた。


「力也さん!」


 力也は、賢也の呼び掛けに反応すると、横に飛び退き、豹型は空振りに終わった。


「能力持ちか」


 力也が体勢を整えている間に、狼型が力也の前に現れ、蹴りを放つ。


「うぉっ」


 力也は、蹴りを何とかガードしたが、3m程後ろに飛ばされた。


「こいつら、連携してきたぞ」


 力也は、怪物が連携してくると思っておらず、驚いた。


「力也さん、大丈夫ですか?」


 賢也は、力也の元に向かおうとすると、狼型が叫んだ。


「ガァァァァッ」


 その叫び声から衝撃波が発生し、賢也の行く手をふさぐ。


「こいつ!」


 力也さんを二匹で攻撃するつもりか。


「舐めるな!」


 力也が、剣を二つに分け、二刀で豹型と狼型を攻撃する。豹型は、また消えると力也の背後に現れ、鋭い爪で力也を斬りつけた。力也は、これを剣で受け止める。その間に狼型が力也を攻撃しようと右腕を振りかぶった瞬間、狼型の右腕は、消えてなくなった。


「お前達、俺を無視するなよ」


 賢也が一瞬で間合いを詰め、斬り落としたのだ。豹型が狼型と一緒に消え、賢也達から距離を取った。


「助かったぞ、龍崎。あの豹型は厄介だな」

「そうですね。瞬間移動なのかな?消える前に斬るか、出て来た瞬間に斬るかのどちらか、ですね。それより、腕は大丈夫なんですか?」


 賢也は、狼型の蹴りをまともに受けた腕を気にしていた。


「腕?何だ?別に何ともないぞ」

「いや、気で強化していても、まともに蹴りを食らってたじゃないですか。本当に何ともないんですか?」

「ああ、別にダメージは無いぞ」


 あり得ない。いくら体が丈夫でも、怪物の攻撃はまともに受けて無傷な訳がない。尋常じゃない力といい、間違いない。力也は覚醒している。それも無意識に。


「何もなければ問題無いです。じゃあ、あの何もしてこない二匹が動き出す前に、あの二匹をやりますよ」

「何か考えでもあるのか?」

「考えというわけじゃ無いですけど、覚醒します」

「覚醒?」

「はい。空を飛んだりした時の力を使います」


 賢也は、剣十郎との戦いに備え、力を温存しておきたかったが、そんな事を言っている場合じゃなかった。


「行きます!あいつが現れる瞬間を!旋!」


 賢也は覚醒状態になり、体を風で覆うと、豹型に向かって行った。力也も構えを取る。


(凄い気だ。あいつはまだこんな力を隠していたのか。よし、負けてられないな)


 賢也は、豹型の背後に回っていた。背後から袈裟斬りをすると、予想通り豹型の体が消える。豹型が現れたのは今までのように力也の背後ではなく、賢也の上空に現れた。


「風雅満月・旋!」


 賢也は、風雅満月による全方位の剣気に風の刃を付与し放った。出現したばかりの豹型は、賢也の見えない風の刃に胴を斬られ、体が真っ二つになりながらも、賢也に噛みつこうと、賢也にしがみついた。賢也は、すぐに、豹型の顔面を柄で殴り飛ばした。


「しつこい!飛燕!」


 賢也は、吹き飛んだ豹型に向け、飛燕で追撃すると、豹型の上半身を縦に真っ二つに斬り裂いた。


「よそ見は禁物だぞ」


 背後で力也の声がする。力也が賢也を見ていた狼型を背後から斬りつけていた。クロスで斬られた狼型は、その場に崩れ落ちた。


「後はあの2体か」


 力也が象型とライオン型に剣を向ける。剣を向けられたからなのか、ライオン型がのそりと動き出した。象型は未だに微動だにしない。


「時間が勿体ない。あの動かない象型は無視して、ライオン型を二人で一気に倒すぞ」

「はい!」


 賢也達はゆっくりと動くライオン型に同時に攻撃をしかけた。


「何だこれは?」


 二人の剣がライオン型の体に当たる5cm程手前で止まってしまった。感触はまるで分厚いスポンジを殴ったような感触だ。そして、そのまま剣が押し返され、勢いよく後ろに弾き飛ばされた。


「こいつの能力か!」


 力也は、もう片方の剣で再び斬りつける。すると、今度は体の10cm程手前で止まる。


「くそ、届かないっ!」


 こいつの能力は何だ?力也はもう片方の剣も弾き飛ばされてしまった。


「しまった!こいつの能力は豹型より面倒じゃないか」


 力也は、武器を拾いに慌てて向かう。賢也も【紅蓮】を弾き飛ばされたため、【銀狼】を取り出し斬りつけた。やはり、ライオン型の手前で止まってしまう。賢也の攻撃を防ぐとライオン型が腕を下から掬い上げた。ブォンと物凄い空気を裂く音がする。だが、その腕は、賢也を狙ったものではなかった。


「何処を狙ってるんだ?」


 腕の先を見てみると、剣を拾いに向かった力也に何かが地面を裂きながら進んでいる。


「力也さん!後ろ!」


 賢也の叫び声を聞き、力也は振り返ると、何かが地面を裂きながら向かって来ているのに気付いた。力也は直感でこれはヤバいとすぐに横に飛び退き躱す。それは、そのまま進むと街路樹に当たり、スッパリと切れ、街路樹は倒れた。


「喰らったら、三枚に下ろされる所だった」


 ゾッとしながら、力也は剣を一本拾い上げる。もう一本は?と探すと象型の目の前の地面に突き刺さっていた。


「あっちは、後だな」


 力也はライオン型に再び向かっていった。

 力也が剣を拾っている間も賢也はライオン型に攻撃を続けていた。連続で斬り続けていると、剣を弾かれる事は無かったが、全て体に届く前に止められてしまう。だが、斬り続けて何となくだが、ライオン型の能力が分かった。剣が当たる直前に空気の壁を作っているようだ。剣を受け止めた後に、空気を膨張させ剣を弾く。さっき力也を襲ったのは、空気で作った刃を飛ばしたのだろう。風に似た能力のようだ。連続で攻撃していると、稀にあと数mmで当たるというものもあった。もっと速い攻撃をすれば、斬れるはずだ。


「これならどうだ!桜華連斬・焔!」


 桜華連斬の高速八連斬りがライオン型に当たり、最後の一撃が皮膚を掠めた。掠めた程度だったため、燃やす事は出来ない。


「これでも駄目なのか」


 賢也は一度距離を取り、力也の元まで後退した。


「力也さん、あいつを斬るには、あいつのガードが間に合わない位のスピードがいります。連続で斬り続けるしかないですよ」

「いや、俺とお前の剣速じゃ全然違うだろ。俺の速度じゃ、あいつは斬れないぞ」

「二人で斬りまくるしか無いです。手数を増やすしか。そうか!」


 賢也は、【銀狼】を異空間に放り込むと、【風刃】、【雷刃】を取り出し二刀流に変更した。


「小太刀なら、二刀流でもいけるかも。力也さんも二刀流で…」


 賢也は、力也が剣を一本しか持っていないことに気付く。そして、もう一本の場所も。


「あれは、後にしましょう…」

「そうだよな…」

「行きますよ!」


 賢也達は、再びライオン型に向かって走り出した。ライオン型は、両腕を振り、空気の刃を飛ばしてきたが、地面を裂きながらやって来る刃を躱すのは造作もなかった。二人は、剣の間合いに入り、連続で斬り始める。力也が一撃を入れる間に、賢也は三撃、四撃とどんどん加速していく。少しずつだが、ライオン型のガードが間に合わなくなってきた。体から血が滲み出し始め、遂に左腕を斬り落とす。


「ガァァァァ!」


 ライオン型が怒りの咆哮を上げると同時に、


「鳴神・雷!」


 賢也の鳴神がライオン型に直撃する。雷を纏わせた一撃は、正しく雷そのものが落ちたようだった。


(なんか、雷が前より威力が上がってる?)


 ライオン型を真っ二つとはいかなかったが、致命傷となるダメージを与えていた。ドサッとライオン型が倒れる。それに合わせてドスーン!と地響きが起きた。漸く、象型の巨体が動き始めたのだ。

ここまで読んで頂きありがとうございます。


今後もよろしくお願いします。


良ければ、感想や評価もよろしくお願いします。

今後の励みになるので。

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