26.賢也、力を使いこなす
道場を購入し、地域住民の護身術を教える為の稽古をつけながら、手に入れた力を使いこなす為の特訓を続ける賢也。力の発動による強化はほぼ完璧となった。住民達の稽古についても、漸く参加者全員が気を練れるようになっていた。
「皆の稽古は、そろそろ次の段階に進んでいいな。俺自身もあの竜が言っていた能力を使えるようにならないとな」
竜が言っていた爪、炎、雷、異空間、重力、鋼の能力。これまでに分かっているのは、
爪…目に見えない爪が拳の先に現れ、切り裂く
炎…拳に炎を纏う。纏った炎は相手を燃やし尽くす
雷…拳から雷を発生
鋼…竹刀の強度を強化。
異空間、重力はまだ不明だ。今までに使った能力自体もまだ他の使い方もあるはず。
「使い方もだけど、いつ力を手に入れたのか、それも謎だけど」
賢也の力はこれまでに戦ってきた怪物達の力だと思われるが、どうやって自分のものになったのかが、分からない。力の謎を考えていた時、賢也の携帯が鳴った。
「ん?ノッコからじゃないか」
ノッコからの電話に出ると、
「賢也?ちょっと今いい?」
「ノッコどうしたんだい?」
「実は、この前の事なんだけど、あの後からちょっと怖くて、外に出れなくなっちゃって」
「どういう事?」
「体に変化とかは無いんだけど、人と会った時、何人か異様に怖く感じる人が居て、しかもその人達って、必ず私を見てるの」
「気のせいじゃなくて?」
「絶対、気のせいなんかじゃない!あと、協会の人にも内緒にしてるんだけど、力なのかな?変な感じの。感覚的なものなんだけど、鑑定?っていうのが近い表現なのかな?私に宿ってるみたいなのを感じるの。そして、怖く感じる人からも表現しきれない何かを感じる」
「それは、あの竜の能力じゃないのか?俺に宿ってる力ってのを言っていたんだ。ノッコ、こっちに来れるかい?無理なら俺がそっちに行くよ」
「ごめん。賢也がこっちに来れるかな。本当に怖くて」
「分かった。そっちに行く手配を整えたら、すぐに行くよ」
賢也は、ノッコに会いに行く事を決めた。
賢也は、協会支部に向かうと支部局長室に向かう。
「阿部さん、すみません。個人的なお願いなんですが、ヘリを手配出来ませんか」
「どうしたんだい?急に」
「ちょっと知り合いの様子がおかしくて、すぐに東京に向かいたいんです」
「怪物に関わる話しなら何とか手配出来るかもしれないが、君の個人的な用事だと、流石に厳しいよ」
「間接的には、関わるんですが、まだ事情は説明出来なくて」
阿部は、首を傾げて悩んでいる。目を瞑ると、
「分かった。君がそこまで言うなら、明日の朝に手配しよう」
「ありがとうございます」
賢也は、深々と頭を下げ、礼をする。
「話せるようになったら、事情説明は頼むよ」
「はい。本当にありがとうございます」
賢也は、協会を後にすると、ノッコに明日向かう事をメールで伝えた。
翌日、ヘリに乗り、ノッコの元へ賢也は向かった。
「ノッコ、俺を見て何か感じるかい?」
賢也の問いに、ノッコは首を横に振る。
「じゃあ、これは?」
賢也が力を解放すると、
「あ。何で?賢也、それは?」
ノッコは、賢也の力を感じ取ったのだ。
「でも、他の人とはちょっと違うかな。怖い感じはないから」
「やっぱり、ノッコ。君は、いや、君も怪物の力を宿してしまったんだ。俺は攻撃的なものが多いみたいだけど、君は感知的な力なんだろうね。きっと」
ノッコは賢也の話しに愕然としていた。
「それで、俺からはどんな風に感じるんだい?」
「そうね。何か、力を吸い取るイメージが強いかな。後は炎や雷、言葉では表現出来ないのがあるわ。それと、何か私と似たような感じ。鑑定?」
賢也はノッコの答えを聞くと、目を瞑った。ノッコの言うとおりなら、自分にも感知的な力があるはず。
「うーん。俺には君から力を感じ取れない所を見ると似たようで、違う力なんだろうね。でも、これではっきりした。君は怪物の力が宿り、おそらく、君が怖いと感じる人は、人型の怪物なんだと思う。向こうも君の力を感じ、様子を伺っていたんだろう。まずいな。危険な状況だと思う」
ノッコは泣きそうになっていた。
「嫌かもしれないけど、協会に話して、匿ってもらった方が君の為かも」
「そうよね…。賢也、助けて」
「うーん。助けてあげたいけど、住んでいる所が、離れすぎだろ。東京と九州じゃ」
ノッコは、何か考え始めた。
「分かった。じゃあ、私、引っ越す。賢也の近くならいいでしょ」
「本気、っぽいな。まぁ、俺の知ってるノッコなら、こんな冗談は言わないな。分かった。その時は、なんとか頑張るよ。そろそろ帰りのヘリに乗らないと。じゃあ、今日は帰るから。何かあったら連絡して」
「ありがとう。頼りにするわ」
賢也は、ヘリに戻り帰っていった。
翌日は住民達の稽古がある日だった。
「皆さん、気を練れるようになったので、次に進みます」
「やったー」
子供達は喜んでいたが、次の賢也の言葉に文句を言うのだった。
「次は、気を練った状態のまま、道場の中を走って貰います。この広さだから、20周かな。練った気が霧散してしまったら、一からやり直しですよ」
「えー。嫌だー」
「文句を言わず、走る!」
賢也の一喝で、皆走り出す。皆の気が霧散しないか、注意しながら、賢也は、ノッコに言われた鑑定?の力を使おうとしてみる。対象は、周りではなく自分自身に。すると、頭の中に自分にどんな力が存在するのかが浮かんできた。
「これは、鑑定というより、自己分析といった感じか。成る程。これは、いいな」
何となくだが、力の使い方が分かってきた気がする。力を試してみたくなってきた。
「と、その前に」
道場の中を走っている住民に声をかける。
「ほら、気を付けないと、練った気が霧散しますよ。集中、集中!」
これまでの稽古もあったおかげか、全員、なんとか20周走りきることが出来た。
「凄いじゃないですか。じゃあ、息を整え、三調をして下さい。その後は、お待ちかねの戦闘訓練です」
賢也は、皆のやる気が出るように声をかける。
皆、すぐに息を整え始め、三調を開始した。皆の気が落ち着いてきた所で稽古を再開する。
「さて、今から教えるのは、怪物相手には使えません。人から身を護る為だけにして下さい」
賢也は、訓練用の木人を用意すると、練った気を拳に集中させ、木人を突く。威力は抑えていたが、木人の表面が砕ける。
「練った気を拳に集め、相手に打つ。これをやって貰います」
皆、真剣に木人を殴り始めた。
「痛い!」
「木が硬い。痛いぞ」
皆、手が痛いと言い始めた。
「きちんと気を拳に集中しないと拳を痛めますよ」
賢也は、皆に注意する。
「拳に気を集中出来たら、拳が熱く感じるはずです。そうなったら、木人を打って下さい」
輝と大智が同時に叫んだ。
「手が熱い。手が熱いよ」
「えいっ!」
二人の木人の表面に傷が入る。
「叩いたのに手が痛くない!」
「やったね。輝くん!」
子供達は若いからか、吸収が早いようだ。大人達も必死に頑張っている。
「はい。今日はここまで、お疲れ様でした」
稽古を始めて3時間経った時、賢也は稽古を終わらせた。そして、皆が帰っていった後に、自分自身の特訓を始める。
「さてと、自己分析の能力で何となく分かったが、俺の本来の能力は相手の力を吸収して、自分のものにする力がベースみたいだな」
賢也は、次元の言葉を思い出していた。
「力を吸収し、自らの力に換える能力を手に入れたのか」
あの言葉の意味が漸く分かった。そして、爪や炎はおそらく、【銀狼】と【紅蓮】の力。異空間、鋼は次元。自己分析は、あの竜を倒した時に吸収したのだろう。雷と重力は、まだ戦闘には使用していないが、あの籠手と小太刀か。
「よし、まずは炎だな」
右手に炎を纏う。次に左手。上手く纏う事が出来た。
「この炎、武器にも纏わせられるかな?」
竹刀を手に取り、炎を纏わせてみる。竹刀は燃える事なく炎を纏っている。
「よし、成功したぞ。でも、しまったな。これどうしよう。下手したら、道場が燃えてしまう」
賢也は、落ち着いて、力を抑えてみると、炎も小さくなり、何事も無かったように消えてしまった。同じように雷も試すと炎と同じように扱えた。
「良い感じだな。爪は見えないから危険なんだよな。でも、これ、剣自身に力を使えないのかな」
賢也は、竹刀に爪の力を流してみると、竹刀がうっすらと光って見える。そのまま木人を斬りつけると、簡単に木人が斬れた。
「これだ。切れ味がかなり上がるぞ」
後は、一度も試していない、異空間と重力の力だ。異空間は次元が使っていた犬型の怪物を出現させたあの黒い穴だろう。賢也は一つ出してみる。
「お、出た。何か収納出来るかな?」
試しに持っていた竹刀を穴に入れ、穴を閉じる。
「次は、取り出せるかだ」
もう一度黒い穴を出現させ、手を入れると、竹刀の感触がある。手に取り、穴から手を抜くと竹刀を取り出す事が出来た。
「これは便利だな。じゃあ、複数は」
穴を2つ出現させ、竹刀と木人をそれぞれに入れる。
「まずは、木人」
穴を出現させ、手を突っ込む。木人がそこにあった。今度は手で取り出さず、出て来いと頭に思い浮かべる。すると、穴から木人が出現してきた。
「これは凄いぞ。穴の数だけ物を収納出来る。次元の使い方から考えると、生物も大丈夫なんだろうけど、これは流石に止めておこう」
重力のイメージが中々浮かばなかったが、取り敢えず、周囲の重力を倍に出来るか試してみる。
「うぉっ。体が重い」
すぐに解除し、今度は半分にしてみる。
「お、今度は軽い」
重力操作も上手く使いこなせば、戦闘に役立ちそうだ。賢也は一通りの力を試すと、その日は帰る事にした。
賢也は、家に帰ると早速、しまってあった武器を手に取ると、異空間の力を使い、次々としまっていく。【銀狼】と【紅蓮】をしまった後に、小太刀を手に取ると、
「そういえば、この小太刀と籠手はまだ名付けて無かったな」
小太刀は、2本ある。この長さだと、二刀流で使った方がいいと賢也は直感的に感じた。
「多分、こいつから雷の力を得たんだよな。きっと。だったら、こいつは【雷刃】、雷神と来たら、こっちは【風刃】だな」
そう言ってもう一本の小太刀を手に取ると、
「あれ?ちょっと待て。まじかよ」
自己分析の力で確認すると、やはり。新しく風の力を感じる。
「本当に風神、雷神になっちまった。鳥型の怪物の角だったからかな」
そのまま小太刀をそれぞれ異空間にしまい、次に籠手を手に取る。
「籠手か。これは防具だし、堅そうな名前が良いな。よし、【黒鉄】だ」
そして、【黒鉄】を異空間に収納する時、綾乃が部屋に入ってきた。
「あなた、今の何?」
「ああ、これかい?」
そう言うと、賢也は異空間の黒い穴を出現させた。
「何これ?どうなってるの?」
綾乃が恐る恐る穴に手を入れると、
「あ、何か入ってる」
綾乃は、中から竹刀を取り出した。
「凄い。何、何でも入るの?」
「多分ね。何でも入れられると思うよ。でも、何を入れたか覚えてないと、取り出せなくなるから、気を付けないといけないかな」
「そっか。じゃあ、片付けたい物が出てきたら、お願いね。あ、そうそう、ご飯を呼びに来たんだった」
「分かった。行くよ」
賢也は、綾乃と一緒にリビングへと向かった。
「明日また色々試すとするかな」
翌日、賢也は一人で道場に向かうと、入り口の鍵をかけた。
「今日は、稽古は休みだけど、誰か入ってきたら危ないからな」
賢也は、影分身を使う。二人の賢也は、竹刀を取り出すと使えるようになった力で組み手を始める。物凄い音を立てながら竹刀がぶつかり合う。分身の賢也が、飛燕を放つ。だが、いつもの見えない剣撃ではない。炎を纏った飛燕だった。賢也はその飛燕に対し、雷を纏った飛燕をぶつける。爆発による衝撃波で互いに後ろに吹き飛んだ。
「危ない。危ない。道場が壊れるかと思った」
念のため、道場全体を鋼の力で、強化していたため、道場は壊れずに済んだが、力が使えるようになった今、この道場の広さだと、思う存分に特訓が出来ない。
「でも、剣技にも力を乗せられるのが分かったから良しとするか」
分身を戻し、実戦形式の特訓を止める。
「よし、異空間と重力の力で何か出来ないか試すかな」
重力操作で考えていた事を試してみる。
「まずは、俺自身の重力を軽くしてと」
賢也の体がフワリと浮かび始める。
「お、良い感じ。っと、ふわふわして、バランス取り辛いな」
天井から1m位の高さで、重力を調整すると、ピタリと止まった。
「やったぞ。浮いた!」
そのまま歩けるか試すが、さすがにそれは無理だった。何か推進力になるものは無いか?
「そうだ。風の力だ」
賢也は、武闘会の決勝で出雲が風迅の術で、風を体に纏い、物凄いジャンプをしていたのを思い出した。早速、試してみる。スムーズに空を移動出来た。
「やったぞ!上手くいった。自由に空を飛べる日が来るとは思ってもいなかったな。これで、空を飛ぶ怪物の対応が楽になるな」
ますます道場の狭さが気になって仕方がなかった。
「道場買ったばかりだけど、どこかに誰も気にしないで特訓出来る場所はないかな?無いよなぁ」
賢也は、道場の狭さを感じながらも仕方なく特訓を再開するのだった。
賢也が怪物の力を使えるようになって、1週間も過ぎると、十分に力を使えるようになっていた。
「これだけ使えれば、強い怪物とも十分に戦えるな。これも師匠とノッコのおかげだ」
そういえば、ノッコはこっちに引っ越すと言っていた。まだ連絡は無いから、引っ越し先や準備をしているのだろう。師匠は、弟子入りの希望者が絶たないと言っていたが、今はどうなったのか?
「そうだ。飛べるようになったんだ。ちょっと師匠の所まで行ってみるか」
飛行機で行けば、3時間位だが、果たしてどれくらいかかるか?
「綾乃。ちょっと師匠の所に行ってくる」
賢也は綾乃に行き先を告げると、出ていった。
「ちょっと。お師匠さんのとこって、どうやって行くつもりなの?」
綾乃が外に追いかけて行った時には、既に賢也の姿はなく、綾乃は首を傾げながら、家に戻った。
剣十郎の元まで、直線距離で1000km程ある。音速で1時間。
「よし。全力で飛んだらどれ位か試すぞ」
賢也は、全力で剣十郎の元へと飛んで行った。
3時間程飛ぶと、剣十郎の家がある山が見えてきた。
「新幹線より早いくらいの速度か。さすがに飛行機程のスピードは、出ないな」
山の気配を探ると、剣十郎はちゃんと弟子を受け入れたのだろう。50人程の気を感じる。山の中を走っているようだ。
「やってるな。懐かしいや」
家の上まで来ると、賢也は降下した。
賢也は、剣十郎の気を探すと道場の方に居るようだ。道場に向かい、剣十郎に声をかける。
「師匠!」
「賢也!どうした?来るのなら、連絡くらい寄越せばよかろう」
剣十郎は驚きながら、賢也を迎える。
「すみません。さっき急に思い付いたので、連絡忘れてました」
「ちょっと待て。お前の所から、思い付いたから来るなんて距離じゃないだろう。どうやって来たんだ?」
「実は、師匠と友人のおかげで、あの力を使えるようになったんですけど、その力で空が飛べるようになったんです」
「何だと」
「それで、お礼と力試しを兼ねて、ここまで来たんですよ」
剣十郎は、賢也の肩をポンと叩くと、
「よし。お前がどれくらい強くなったか、手合わせするか。もうすぐ、お前の弟弟子達も山から戻って来るしな」
3分程経つと、山を走っていた剣十郎の弟子達が帰って来た。
弟子達は賢也を見ると、
「師匠、その人は?新しい入門者ですか?」
「何を言っている。お前達の兄弟子だ」
「え、じゃあ、龍崎さんですか!」
賢也は、礼をすると、
「では、今からお前達と賢也の手合わせを始める」
ほとんどの弟子達がやったぁと喜んでいる中で、1人だけ、賢也をじっと見ている男がいた。その男は、賢也の元へ行くと話しかけて来た。
「よう。賢也。リアルでは初めてだな。ノッコから話は聞いてるぜ」
「まさか、センなのか!」
「ああ、そのまさかだよ」
センはニヤリと笑う。
「む。千志郎、賢也と知り合いなのか?」
剣十郎がセンに問いかける。
「はい。師匠。こいつとは、ゲームの中で仲間でしたから」
「そういえば、そんな事を言っていたな。よし、最初の相手はお前がしなさい」
賢也達は、道場の中に入ると、早速、手合わせの準備を始めた。人数が多いため、ほとんどの者は道場外から見学している。
「では、賢也と千志郎の手合わせを始める。始め!」
センは、気を練ると賢也に向かって突進する。賢也は、センの攻撃を簡単に受け止めると、
「気の練りがまだまだだな。俺の教えている子供の方が上手いぞ」
「何だと。これならどうだ!」
センは、力を込めて、斬りつけてきたが、賢也に届く前に、斬りつけられ、倒されてしまった。
「遅い!」
センは起き上がり、礼をすると、
「ここまで差があるのか。必ず追い付くからな」
「ああ、頑張れよ」
賢也はその後も弟弟子達と手合わせをした。皆、数秒で倒され、ショックを受けていた。
「まだまだだな。皆、気の練りが甘い」
「賢也の言う通りだな。まだまだだ。皆、精進するように」
「はい!」
「さて、それでは私と手合わせをして貰おうか」
剣十郎が竹刀を持つ。賢也も構えを取る。二人がぶつかり合う。
「どうした?強くなったんじゃないのか?お前の力はこんなものか?」
「ここからです。行きますよ」
賢也は、更に気を高める。そして、剣十郎に突進すると、薙ぎ払った。剣十郎は、何とかガードする。
「早いな。防ぐので精一杯だ」
賢也は更に加速する。剣十郎は、賢也の攻撃をギリギリ凌ぐが、攻撃する余裕が無かった。
賢也は、一度距離を取った。
「師匠、流石ですね。まさか、さっきの連撃防がれるとは思いませんでした」
「いや、奥義も使わずにあの速度。怪物との戦いで更に強くなったのだな。もう私ではお前には勝てぬか」
剣十郎は、竹刀を降ろす。
「よし、ではあの力とやらを見せて貰おうか」
「じゃあ、こんなので良いですか?」
賢也は、竹刀に爪の力を付与する。そのまま外に出ると、木に竹刀を当て、軽く動かす。木が簡単に斬り倒された。
全員がポカンとその光景を見ている。
「凄いとしか言いようがないな」
「これも師匠のアドバイスのおかげです。じゃあ、そろそろ帰ります。師匠、お元気で」
「ああ、お前も達者でな」
賢也は、礼をすると、さすがに、皆の前で空を飛ぶのはまずいと思い、走って山を下った。人の気配がなくなったのを確認すると、飛び上がり家へと帰るのだった。
家に帰った賢也は、
「よし。ここまで力を使えるようになったんだ。いつまでも力を使うと言う表現もなんだし、技とは違うけど、名前を付けよう」
と、武器に名前を付けるように力についても、名付ける事にした。
「力を使うのは、解放。ちょっと違うな。よし、格好良く、覚醒にしよう!」
そして、それぞれの力を、
炎の力…焔
雷の力…雷
爪の力…斬
異空間の力…空
重力の力…重
鋼の力…鋼
風の力…旋
と、名付けた。ゲームみたいで中々良い感じだと満足する賢也だった。
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今後の励みになるので。




