王都への門
僕らは雑草の生えていた道から整備された道に出た。
『ディアン様、そろそろです』
「ようやくだね」
ここまで来るのに色々あった。
刺激の少なかった精霊国と比べれば刺激的な出来事ばかりだったけど、これじゃあまだまだ300年分足りてない。もっと、もっと! 刺激的で楽しい事を、僕は王都に行って人間たちに会ってやってやるんだ!!
そんな野望を胸に王都へ繋がる門を前に足を踏み出した。
「だめだだめだ! 身分を示すものがないと入れることは出来ない!」
と強面の髭面門番は僕に言った。
何てことだ……まさか、ここで足止めされるとは……。だが僕は諦めないぞ!!
「そこを……何とかっ!」
と、魅了の魔法を放ちながら門番を見つめる。
「ぐっ……そ、そんなに………」
よ、よし!いけそぅ……
「入りたいなら!! 隣に冒険者登録の施設があるからそこで冒険者カードを貰ってこい!」
ドーーーン。と、効果音が出そうな仁王立ちをして言い放った。
この髭面門番、なんと僕の魅了の魔法を打ち破ったのだ。
この髭面門番、只者じゃねぇ……。ゴクリ
『ディアン様……』
少しモルダは呆れ顔。何故!? そこは、このディアン様が仰っているのにお通ししないのか!? 無礼者! って言うところだろ。
『そんな事をしたら目立って行動する時苦労しますよ』
と、モルダは言ってきた。どうやら心の声が漏れていたようだ。
まぁ、とりあえず冒険者カードを、貰いに行くか。と、僕は直ぐ右側にあった施設に向かおうとした。すると、
「おい、お前、気をつけろよー?」
と、髭面門番はニヤリと笑ってきた。
「なんなんだ……」
と、施設に向かった。
アルマは精霊の国への行き方を学ばせて、今は精霊の国に行っている。アルマは親から精霊の国への行き方を教えてもらっていなかったので、精霊の国に行けなかったそうだ。
アルマなら精霊の国に繋がる場所へ行くのも一瞬だろう。僕とモルダが王都に入る頃には戻ってくるかな、と僕は思っていた。
アルマside.
な、何でこんな事になったんだろう。
シクシク。
今僕は精霊王様の前にいる。ディアン様に似て相当の美貌の持ち主だ。しかし、意外なことにも、18歳くらいにしか見えない。どんだけ童顔なんだよーー!! 何1000年、数億年は生きてるぞ精霊王様。
何て思いながら、頭を床に向けたまま精霊王様の声を待っていた。
「お前、名前はなんて言う?」
うわぁ…頭に響いてくる。念話の様な感覚だけど、念話でなく、口から発した声だった。
《はい! アルマと申します精霊王様》
「ふーん。アルマ、ね。」
な、何だろう。ディアン様のことを聞かれるのかな……?
「お前、人型になれないの?」
《は?》
「だからさー、人型になれば念話で魔力使わなくても済むのに何でわざわざ幻獣のままなの? 馬鹿なの? さっさと人型になりなよ。」
この精霊王様意外と美青年な顔して……
というか!
《そのような事ができるのです?》
興奮で言葉がおかしくなったが……人型? そんな事親は何も言わなかったぞ……。
「あー、知らなかったんだ。ばっかだねー! あっはははははは!」
《………》
何だろう、精霊王様相手にムカついて…きたような。
「ほれっ!」
パチンッ
と、精霊王様は僕に向かって指を鳴らした。
「……え?」
え!?
「あはは! まだ、子供だ。」
そう、僕は人間になっていた………。
まだ、年端もいかない子供に。




