幻獣ルビアクト
回復させた幻獣は、回復と共に汚れも落ち、本来の美しさが戻っていた。黒い綺麗な羽毛、紅い瞳。2メートルの黒い鳥型の幻獣、ルビアクトだった。ルビアクトは浄化したり、輪廻転生し、昔から人々を導く鳥としてお伽話にも出てくる伝説の鳥だ。そんな幻獣ルビアクトが何故人間に…? 幻獣は皆警戒心が強く人間の前になんか、天災でもない限り絶対に現れない。しかも、幻獣だ。人間には手に負えないほどの力がある。
訳がわからずルビアクトを見つめるとルビアクトは僕の目を見つめ返し話しはじめた。これまでの経緯を……
《実は…》
ルビアクトの話によると、ルビアクトは親離れをしたばかりでねぐらになる場所を探し求めていた。人間に見つからない静かな場所を。そして見つけた、綺麗な湖の近くの大きな木を。そこには果実が豊富になっていてルビアクトはとても気に入ったそうだ。
そこは美しかった、幻獣の好みそうに……作られたかのように……。
そして、それは幻獣を捕まえるための罠だった。そこの国の学者が調べ、その森の付近でルビアクトが数1000年に何度か見かけられていると突き止めた。そして…大きなプロジェクトが動き出した。それは、幻獣ルビアクト捕獲作戦。そこの国の王は傲慢で、欲深かった。どうにかルビアクトを調教し、隣国をルビアクトで征服しようとしたのだ。ただえさえ幻獣は珍しい、それを自分のモノにしたかったのだ。そして、ルビアクトが好むように、幻獣が好むように自然豊かな、巣にするにはもってこいの場所を準備した。
そしてルビアクトは現れた。ルビアクトを捕獲するために色々な魔法を駆使し、禁断の魔法が生まれた。幻獣や精霊、妖精の力を弱めるものだった、それは数え切れない人間の命が犠牲になった禁断の魔法であった。
ルビアクトはそれを使われ兵士たちに力ずくで抑えこまれそうになったのを何とか力を振り絞り反撃し、指揮官らしき人物を捕らえ、力を使い意識を見てその作戦を知ったらしい。それから、援軍が来る前に命かながら逃げてここまで来たのだという。ここは隣国で、援軍も追いかけて来なかったらしい、いや、隣国に足を踏み入れたものなら戦争になるので入れなかったのだ。
それを話し終わったルビアクトは少し…震えていた。そりゃあそうだ、まだ親を離れたばかりの子供がいきなり囲まれ襲われたのだから。
「ルビアクト、お前これからどうする?」
《………》
「ルビアクト、僕達に付いて来ないか?」
《………え?》
僕は笑顔でルビアクトに言った。
「僕がお前を守ってやるよ」
《……なん、で? 何でそんなに優しくしてくれるの? 僕が幻獣だから?》
震えるような声が頭に響く。
「幻獣だから? ははは、そんなの関係ないね。僕がそうしたいと思ったからさ。お前が大きくなるまで守ってやる。」
《…………わけ、わかんないよ》
ルビアクトの瞳から大きな雫が何度も地面に落ち、模様をつけていく。
《ディアン様に………付いて行きたいっ!》
「勿論さ、これからお前は仲間だ!」
あまりにも泣くものだから抱きしめてポンポンと撫でていたら………ルビアクトが輝きはじめた。これは……
《僕にマナを頂戴よディアン様。》
やっぱりか、これは前にモルダで体験したやつだ。
「でも、ルビアクト、そうしたら……ずっと僕に付いて行かなくちゃならなくなるぞ? 良いのか?」
そう、妖精の時とは違い幻獣だと、契約すれば主が亡くなるまで付き添わなくてはならなくなる。しかし僕は長命、寿命があるかも定かではないのにそんな奴と契約すれば永遠と、付いて行かなくてはならなくなる。契約が破棄できるとすれば、主が死にかけている時か、自身が死んだ、死にかけた時。まぁ、ルビアクトは輪廻転生する伝説の鳥、死んだらまた新しく生まれ変わって破棄になるのかもしれないが……。
《勿論。そのつもりさ、決めたんだ、僕はディアン様に…付いて行くって。》
ルビアクトの瞳は決意し、僕の意見を聞くつもりはないようだ。
「そうか……それではお前か僕が死ぬまで……お前は今日からアルマだ。」
そして、新たに幻獣、アルマが仲間に入ったのだった。
ディアンには事実、寿命は無いに等しく
アルマは輪廻転生で生まれ変わって何度も契約を求め、ディアンは何度も、契約を求められる羽目になるのだった。




