第五十五話『狂った生活リズム』
オレはとりあえず、この狂った生活リズムを戻そうぜとみんなに提案すると、全員一致で承諾を得た。今日はもう寝ずに、夜に寝ることに決める。女子三人には非常に申し訳ないことをしてしまった。絶対、美容とか健康によくない。目の下のクマがないのは恐らく──。
「はい、次はクリスタ、──こっちむいて」
ふと横を見やるとソファーでリンコがなにやら二人の化粧をしており、昨日から13時間以上も働いていたのにかなり元気だった。オレはガチでその手のことに疎く(令和では男も化粧したりするらしいが……)リンコのメイクテクがかなりやばいと女子二人が歓声を上げている。すごいんだな。よく分からんが。
これ以上、女子三人を働かせるのは、アトランティスのガバガバな労働基準法に触れる。今日のところはとりあえず働くのはやめて、脳のストレージをこれ以上パンパンにしないように夜までボーっとしながら過ごした。全員寝るのを我慢していたためか、オレとギルは秘密基地で泥のように眠る準備をする。
「じゃあ、わたしたち地下街のホテルに泊まるから明日もよろしくね。あんたのくだらないオカルトマシン作るのに女の子三人が協力してるんだから感謝しなさいよね」
オレはあまりの眠気にメタ認知が作動してしまう。読者の皆様には明記していなかったが、昨日エーテルディスコから秘密基地に帰ったあとも、リンコたちは地下街のホテルに泊まっていた。
「ここで泊っていけばいいじゃん」
「絶対イヤ!!!!!!!」
リンコが心底あり得ないといった顔で、オレのことを見てくる。
ギルもそういうとこだぞって顔でオレのことを見ている。
「狭い、男いる、オシャレじゃないの三拍子」
「そうです! この不貞がいつリンコ様やクリスタを襲うか……」
襲わねえよ。なんだと思ってんだオレのことを。
「それにお前……居酒屋で泥酔した時、ラジカル基地で寝てただろうが」
「あ──あれは不可抗力! もう二度とあんな事態にはならないから!」
リンコは思い出したくないことを思い出させやがって、というジト目でオレを睨んだ。反射的にとはいえ、また地雷を踏んでしまった……。
そして女子三人はカバンに荷物をまとめ、ホテルにいく準備を終えるとそれぞれが立ち上がり
「じゃ、お疲れ様」
「お疲れ様ですっ」
「おつ」
と、オレとギルに別れの挨拶をする。
三人が秘密基地から出ていくと、ギルとオレはその場で電池が切れたように、泥のように眠った。




