第五十二話『二人きりの約束』
※※※
オレはあることを思う。
「けどよ? 昨日今日であんなことがあったのに悠長に花火大会やってていいのかよ」
エーテルディスコの時と同じことを言う。これもなにか王宮の追跡を錯乱する何かなのか?
「いや、楽しいから」
しかし、返ってきた返事はギルらしからぬ、アホの意見だった。
「はぁ!? 命狙われてんだぞ? セネカのこともリンコのこともある。オレだってクリスタに命を救われたからよかったものの死にかけてたんだってば」
「メストルは今、30%の地上、または王宮が管轄する地底のオリハルコン鉱山の区画で復旧作業を行っている。最低でも復旧には2週間はかかるはずだ。その時までアイツは動きたくても動けない。だからその間に遊びを挟む。休暇だな」
「うーん、なるほど。でもいいのかよ。事態が事態だし」
「おい。レン。お前らしからぬ反応だな。松果体をクリスタルに戻すには、子どもごころが重要じゃないのか。それに……」
「なによ……」
ギルが何故かリンコのことを凝視する。なんだこいつら……。てか、また何かを企んでいるのか? この男は。
ソファーに並ぶ美少女三人。クリスタはもうじき目覚めそうな気配で『花火大会……行きたいです……っ。でもわたしは追われる身……っ』と悔しそうな寝言を言っていた。
「セネカは半透明の問題。クリスタは王宮から追われる身。俺は花火大会の裏方をやる仕事でな。この花火大会、二人用なんだ。だからのび太にやるよ」
粋なスネ夫が出てきた……。なんだよコイツ、オレが前世の知識を教え過ぎたことによってパロディを挟むまでに成長してやがる……っ。
て、てか──
「ふっ……、ふっんだ! 別にオレは二人で行きたいとか思ってないし、リンコだって……」
「……行きたい」
!?
すると、リンコはしゅんとしおらしく、いつもの様子ではない。頬を紅潮させ、オレから必死に視線を逸らしている。
「二人で……」
さらに『二人で』を付け加えたリンコが座るソファーの隣で、それを見ていたセネカが鬼のような形相でオレを睨んでいる。
ギルはニヤリと笑って、タトゥーだらけの腕をまくり、天井に掲げて
『フリーエネルギーだな……』と、わけのわからないことを呟いていた。
それにしてもだ。なんだ、この急な変わりよう。何か裏があるんじゃねえのか? オレをはめようとしてんじゃねえのか? なんだよこれ!
「……な、何がフリーエネルギーだよ。ニヤニヤすんなギル! マジでなんなんだよお前!」
「別に。お前ら二人の波長がよく共鳴していると思っただけだ。いいから、気にせず二人で行ってこい」
ギルはそう言って、まくっていたタトゥーだらけの袖をバサリと元に戻し、手元にある大事そうな紙──花火大会の進行表に視線を戻した。
「おい、本当にいいのかよ。お前が裏方やるって……」
「メストルの復旧にはまだ時間がかかる。たまには下層のガキらしく、余計なことは忘れて楽しんでこい」
相変わらず粋な態度を崩さないギルに、オレはそれ以上何も言えなくなって、頭をガリガリと掻いた。
「リンコ様ァ……本当にあのゴミ虫と二人で行っちゃうんですか……? 来年は絶対に二人きりですからね!」
ソファーの隣で、セネカがリンコの腕にぎゅっと抱きついてキラキラした目を向けている。
そんなセネカの熱烈な視線を受けながらも、リンコは胸元のクッションをもう一度強く抱きしめ、まだ頬を紅潮させたままオレから視線を逸らしまくる。
そのまま視線をギルに向け、リンコが口を開く。
「……で、花火大会はいつやるの?」
「一週間後。8月11日 土曜日の午後19時開演、地下街第三パーク公園だ」
なんか緊張してきた。まだ一週間もあるのに、そのチラシに書かれている文字を見て色々なことを想像してしまう。不覚にも、一緒に行けることを心から楽しみにしている自分がいた……。
ソファーの上では、目を回したクリスタが『……はなび……たいかい……っ』と、まだ健気な寝言を続けている。
アジトの重い扉の向こう側では、地下街の奥から遠くお囃子の音が響いてくる。さすが地下街の奴ら……気が早い!!!
リンコの胸に秘められた思いと、まだ見ぬエーテルの光を孕んだまま、下層街が最も熱く燃え上がる夜が、確かに迫っている音だ。
8月4日──。一睡もせずに、エーテルディスコで夜通し過ごした身体を休めるため、昨日の熱を冷ますように、オレとギルはNTR秘密基地で泥のように眠った。
おはようございます。こんにちは。こんばんは。はじめまして? あとがき第二段です。いつも密かに読んで頂いてる方たち、ありがとうございます。このアト転は何度も言いますが、本気で、本気の、本気すぎるほど、書籍化、コミック化、アニメ化、果ては映画化を狙っております。評価していただいた方、本当にありがとうございます。目標はランキングに入ること。僕は途中で自信をなくし、エタったりしません!! 他の長編作品がエタりまくる中、ぼくは評価されるまで、何度でも何度でも何度でも書き続けます。
本気の本気の本気で、このアト転が面白いと思っております。そう……、自画自賛です……。自画自賛の能力なら、誰よりも高いです。結果が伴わない自画自賛は痛いだけなのはわかっております。そんな自分の痛い厨二病をさらけ出し、それでも狙ってる書籍化、コミック化、アニメ化、映画化。
そこで、お願いがあります(迫真)
そう! くれくれです。
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ですからどうか我に清き一票を……っ!!!
見苦しい後書きになってしまいました。これが僕です。それでいいのです。あなたはあなたでいいのです。
では。次の第三章『エーテル花火大会とタイムリープマシン』でお会いしましょう




