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第4話:氷雨の追跡、あるいは忌まわしき宿へ

#サイコスリラー #都市伝説 #ネットストーキング #大学の闇 #復讐劇 #国際陰謀 #泣けるホラー #サスペンス



まだ夕方の五時半だというのに、東京の空はまるで真夜中のように暗転していた。浅草から引き返す地下鉄の車内、私は胸の動悸を抑えながら、スマートフォンの画面を凝視し続けていた。詩織がPCをロックされる直前に仕込んでくれたGPSのルート追跡プログラム。デジタルマップの上で、一つの赤点が点滅している。


その赤点が、ゆっくりと動きを止めた。地図を拡大した瞬間、私の息が喉の奥で詰まった。その座標が示したのは、私がよく知る城西の街――池袋だった。


池袋駅の地上に出た瞬間、骨を刺すような冬の寒風が私を襲った。夜の気温はすでに2度まで急降下している。それと同時に、冷たい霧雨が降り始めた。凍てつく空気を孕んだ雨粒は、まるで氷の粒のように私の顔の皮膚を突き刺す。息を吐き出すたびに、真っ白で濃い水蒸気が口から溢れ、視界を遮った。


私は池袋の狭く静まり返った路地を、半分駆け足で急いだ。古い商店のトタン屋根や窓ガラスを叩く霧雨の一定のノック音だけが、今夜の不気味な伴奏(ばんそう)のようだった。


スマホの赤点が、私を薄暗い行き止まりの路地へと導く。路地の角で、私は立ち尽くした。そこに佇んでいたのは、一軒の古びた木造建築だった。――『キミ旅館』。第二次世界大戦終結直後の11953年に建てられた、伝統的な佇まいの古い宿だ。


建物の脇にある、薄暗く人通りのない隠された搬入口。私は「それ」を目撃した。


一台の、黒いワンボックスカー。


触れてみるとエンジンはすでに切れて冷たくなっていたが、そのタイヤは東京の雨に濡れて生々しく光っている。詩織のメモとナンバープレートを照合する。『練馬 300 〇 〇-〇〇』。……間違いない。エミを誘拐した狂人は、この木造の古い宿の中にいる。


私は見上げ、霧雨に濡れるキミ旅館の木造構造を睨みつけた。宿の周囲はあまりにも静かで、風の音と雨の音だけが、人間の足音を完全に消し去っていた。胸の奥から湧き上がる激しい罪悪感と怒りが、身体を蝕む極寒を塗り替えていく。エミはこの中にいる。そして私は、兄として、たった一人でこの怪物の巣窟へと足を踏みいる。

エドはついに、誘拐犯の黒いワゴン車を1953年築の古い木造宿「キミ旅館」へと追いつめました。

1月の凍える霧雨の中、エドは犯人を内部から暴くため、この宿に宿泊することを決意します。


この古い宿の中で、エドを待ち受ける異変とは? そして、なぜ彼の部屋は「404号室」でなければならなかったのか。


本当のサイコホラーは、次回の章で臨界点を迎えます。

次回、第5話「404号室と、鉄の匂いのする水」に続きます。エドの孤独な潜入劇を応援してくださる方は、ぜひブックマーク登録と評価(★★★★★ )をお願いします!


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