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第17話:暗黒の画面裏の戦争

#サイコスリラー #都市伝説 #ネットストーキング #大学の闇 #復讐劇 #国際陰謀 #泣けるホラー #サスペンス


豊島病院のガラス窓を通り抜けるかのように、東京の冬の冷気が室内に忍び寄っていた。壁の時計は深夜の3時を指している。薄暗い無菌室の中、私はベッドに寄りかかり、太ももの上に置かれた特製のノートパソコンと向き合っていた。私の隣では、鈴木詩織が真剣な眼差しで画面を見つめ、キーボードの上で指を素早くなぞらせている。


私たちは今、秘密裏にサイバーハッキングを行っていた。今回のターゲットは、このすべての悲劇の裏にいる最も権力のある人物――ガジャ・マダ大学(UGM)における、私の博士論文の「指導教授」その人だった。


「エドさん、彼の個人メールの防御システムは信じられないほど強固です」詩織は、外の夜風のうなりに声を消されないよう、静かに囁いた。「外側から突破するのは不可能です。罠を仕掛けるしかありません」


私は折れた肋骨の痛みを堪えながら、深くうなずいた。「学術的なフィッシング詐欺を使おう。UGMの学内サーバーの自動通知システムを偽装するんだ。お前の博士論文のドラフトがシステムエラーを起こし、指導教授の再承認が必要だという緊急メッセージを送ってくれ」


詩織は不敵に微笑んだ。「了解です」


詩織がその偽装ネットワークを構築するのに、わずか3分しかかからなかった。メッセージは送信された。ここからは時間との戦いだ。ジョグジャカルタは現在、深夜の1時。あの教授はまだ起きているだろうか。


ピッ。


画面上の緑色のランプが点灯した。餌に食いついたのだ。指導教授はジョグジャのパソコンから、その偽のリンクをクリックした。


「入った!」詩織が無音の歓声を上げた。教授の個人メールのセキュリティ暗号は一瞬で崩壊した。詩織は瞬時に、すべての受信トレイと隠しフォルダの内容を私たちの安全なサーバーへとコピーし始めた。


私の目は、ある二重暗号化されたフォルダに釘付けになった。コードネームは「ユニット404」


そのフォルダが完全に解凍された瞬間、私の全身の血が逆流するような怒りを覚えた。そこにあったのは、私の指導教授と、東京の「キミ旅館」を拠点とするセクトの幹部たちとの間で交わされた、国際的なメールの数々だった。


「あのクズが…」私は怒りの涙を浮かべながらうめいた。


そこには明確に記されていた。私の指導教授は、私を東京への博士研究に推薦したのだ。最初からエミを私と一緒に送り出すためだけに。エミは当初から、日本の富裕層セクトが要求する「冷凍保存(クライオニクス)実験のコモディティ(被験体)」として計画的に選ばれていたのだ。


さらに恐ろしいことに、エミは最初の犠牲者ではなかった。そのフォルダには、過去5年間にわたる他の十数人の優秀なUGM学生のデータが含まれていた。特に孤児や一人旅の学生を狙い、架空の奨学金プログラムをでっち上げて日本へと送り出し、自身の個人口座に振り込まれる数百万円の不法研究資金と引き換えに、彼らをセクトに生贄として捧げていたのだ。


「あの人は教育者なんかじゃない…ただの人間の屠殺者だ」詩織はショックで顔を真っ青にしながら呟いた。


「詩織、このデータをすべてダウンロードしろ。今すぐインターポール(国際刑事警察機構)と警視庁にコピーを送信するんだ」私は怒りに震える声で命じた。


しかし、最後のデータがダウンロードされようとしたその時、ノートパソコンの画面が突如として赤く明滅した。ポップアップのチャットウィンドウが自動的に開き、ダウンロードプロセスが強制的に遮断された。


ジョグジャの教授のパソコンのウェブカメラが突如として強制起動し、画面には、私が見慣れた、仕立ての良いスーツを着てメガネをかけた高級感のある部屋に座る中年男性の姿が映し出された。そこは騒がしい場所だった。


私の指導教授だ。彼は自分のメールがハッキングされていることに気が付いたのだ。しかし、彼はパニックになるどころか、カメラを真っ直ぐに見つめ、冷酷な笑みを浮かべながら、私の画面にダイレクトメッセージを打ち込んできた。


『エド、私の優秀な教え子よ…この証拠が本当にインターポールの手に渡ると思っているのか?』


次の瞬間、彼はカメラの前に一つの物を出した。偽名が使われた新しい国際パスポートと、ビジネスクラスの航空券だった。


『私は今、ジョグジャカルタ国際空港のVIPラウンジにいる。日本・東京行きの私の飛行機は、あと10分で離陸する。キミ旅館のアマチュアどもが失敗した仕事を終わらせるために、私自身が豊島病院へ向かってやるよ』


ブツッ!


ノートパソコンの画面が突然シャットダウンした。通信が切断された。無菌室は再び静寂に包まれ、その静けさの中で、私の心拍モニターだけが突如としてパニックを起こしたように激しく鳴り響き始めた。


私の妹を殺した最大の怪物、すべての黒幕が今、国際線で空を飛び、私への最後の殺意を胸に、こちらへと向かっている。


読者の皆様、第17話を最後までお読みいただきありがとうございます!


ついに物語は、東京のセクトを影で操っていた真の黒幕――エドの「博士論文指導教授」との直接対決へと舵を切りました。エドの頭脳をすべて把握していた怪物が、今度は自ら日本の病院へと飛行機で乗り込んでくるという、絶体絶命のラスト・クリフハンガーです。


さて、本作は次回の第18話、そしてエピローグの第19話をもって【堂々の完結】となります!


最後に待つのは、エドが仕掛ける「 Haneda Airport & Hospital Trap(羽田空港&病院の罠)」。ただの復讐劇ではなく、日本の警察、インドネシア大使館、そしてメディアを巻き込んだ、最高にスカッとする学術的・法的な包囲網をお届けします。そして、最後はあの思い出の地、浅草・浅草寺での感動のラストが待っています。


ここまでエドの過酷な旅を見守ってくださった皆様、ぜひ最後の結末までお付き合いいただけますと幸いです!


もし今回のサイバー戦にハラハラしていただけましたら、ページ下部より【ブックマーク】や【☆☆☆☆☆】の評価での応援をよろしくお願いいたします!次回、いよいよ最終決戦です!

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