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familyーエルドラン編ー  作者: K.Dameo'n'AI


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9/24

武器持ってる子たちはなんで素直じゃないのよ

トモエとフードの男の間に割って入った女性は、しなやかな動きで男の腕を弾く。

「ぐっ……!」

ナイフが宙を舞い、石畳に転がる。

「王国を再び落とそうなんて、させはしない……」

その声は冷たく、しかしどこか品があった。

「ちっ……邪魔が入ったか!」

フードの男が叫ぶと、周囲の残党たちが一斉に武器を構える。

「女二人に、男が大勢なんて……カッコ悪いと思わないのかしらね」

トモエが呆れて口にした次の瞬間、女性の姿が、ふっと消えた。

「……え?」

トモエが瞬きをした時には、すでに残党の一人が地面に倒れていた。

「なっ……!?」

別の男が振り向くより早く、女性の足がその顎を蹴り上げる。

「がっ……!」

さらにもう一人が背後から斬りかかるが、女性は振り返りもせず、手首を掴んで地面に叩きつけた。

動きは静かで、無駄がなく、実力の差は圧倒的だった。

「ひ、ひぃっ……!」

残った数人は恐怖に駆られ、逃げ出していく。

「……“逃げ足だけ”は速いわね」

女性の背を見つめながら、トモエはぽかんと口を開けた。

「す、すごいわね……。ありがとう。助かったわ」

女性はトモエの方へ向き直ると、すっと片膝をついた。

「……名乗りが遅れて申し訳ありません。私は、王国を陰から支える影守(かげもり)……フェルナンと申します」

「あ、ああ。それはどうも……かげもりって、陰から……守ってるってこと、なのかしらね? それは大変そう」

フェルナンは深く頭を下げ、静かに言った。

「あの、女神様」

「は……? 女神? 私、が?」

トモエは完全に固まった。フェルナンは真剣そのものの表情で続ける。

「私は、王国を取り返す為、準備をしておりました。しかし……あなたは、たった数日で国を変えてしまった。そんな貴女に、私は……敬意を抱いていますっ!」

「敬意っ!? というか、ちょっと待って。女神って何よっ。私、柄じゃないわよっ」

「しかし、私は……影守として、王国に居る資格を失いました。出遅れ、何もできず……」

フェルナンは立ち上がり、背を向ける。

「ですから……私は去ります。最後に貴女を救えてよかった――」

「ちょ、ちょっと、待ちなさい!」

トモエはフェルナンの腕を掴んだ。

「なに勝手に話進めてるのよ。資格がないなんて、誰が言ったの?」

「え……?」

「良くしたいなら、今から手伝えばいいじゃない。一番いけないのは、勝手に思い込んで逃げることよ」

「で、ですが……女神様、私は――」

「女神じゃないって言ってるでしょ! いいから、ほらっ……行くわよ!」

「えっ、ちょ、ちょっと……!」

フェルナンが説明しようとするのを完全に無視し、トモエはその腕をぐいっと引っ張った。

「あんたも、かげ、もり?だか、何だか知らないけど、城の人間なんでしょ! なら働きなさい!」

「え、いや、それはっ…ですから説明したようにっ…! ちょっと、離してくださーーい!」

フェルナンは引きずられるようにして、トモエに連れて行かれたのだった。




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