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familyーエルドラン編ー  作者: K.Dameo'n'AI


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10/23

こうなると思ってたのよ。ほんとよ

トモエに腕を引っ張られ、フェルナンは半ば引きずられるように城へ戻ってきた。

「ちょ、ちょっと……女神様、私は……!」

「女神じゃないって言ってるでしょ。ほら、歩く!」

そんなやり取りをしながら廊下を進んでいると――。


「ん……?」



角を曲がった先に、レオンが立っていた。

いつものように背筋を伸ばし、冷静な表情で書類を抱えていたが――。


「なっ……!」


フェルナンの姿を見た瞬間、その表情が崩れた。

「フェ……フェルナン……?」

声が震えていた。

フェルナンも目を見開く。


「……兄様……?」

次の瞬間、レオンは書類をそっちのけで、フェルナンに駆け寄り、肩を掴んだ。

「フェルナン! 生きていたのか……!」

普段の冷静さが嘘のように、レオンの声には感情が混ざる。

「え、ちょっと……」

トモエはぽかんと口を開ける。

「あんた達、兄妹……だったの?」

フェルナンは小さく頷いた。

「……はい。兄さんです」

レオンはフェルナンの肩を離し、深く息を吐いた。

「……消息を絶ってから……ずっとお前を探していた。どこかで生きていてくれたらそれでいいが、もし、死んでいたらと考えると……もう……兄さんは……おまえ……」

その声には、騎士団長ではない、ただの兄として、焦りと不安と後悔が混ざっていた。

「ああ……だから、最初会った時のあんた、疲れ切ってて、愛想悪かったのね」

トモエの言葉にレオンは苦い顔をした。

「……否定はしない」

フェルナンは申し訳なさそうに目を伏せる。

「兄様……私は……影守としての務めを果たせず……王国に戻る資格がないと……」

「馬鹿を言うな!」

レオンが珍しく声を荒げた。

「お前が戻ってきてくれただけで十分だ。資格など関係ない。俺は……ただ、お前が生きていてくれれば……それでいいんだ」

フェルナンは驚き、そして微かに涙を浮かべる。

「ふむ……」

トモエは腕を組んで二人を見つめる。

「……やっとわかったわ。最初にフェルナン見た時に、レオン。なんか、あんたに似てる気がしたのよ」

「似てると言われたことがないが……?」

「いや、私もね、なんであんたが思い浮かぶんだろうなって思ったんだけどねぇ。不器用で勝手に自分を追い込んで、何でも一人で抱え込むタイプって、そっくりじゃないっ。あんたたち兄妹だわっ」

トモエは豪快に笑い、レオンとフェルナンは同時に目を逸らす。図星でしかなかった。

「いい? 家族なんだから、これからはちゃんと話し合いなさい。似た者同士なんだから、互いに気遣うの」

トモエはフェルナンの肩に手を置く。

「じゃないと、次は、お兄ちゃんが勝手に消えようとするわよ?」

「そ、それは……絶対嫌ですっ」

「でしょう? あんた、お兄ちゃんにその気持ち植え付けるとこだったのよ?」

「あっ……」

トモエはフェルナンの身体の向きを変えると、そのままレオンの方へ押し出す。

「はい。分かったなら、ちゃんと謝って仲良くする」

フェルナンはレオンへ小さく頭を下げる。

「兄さん……ごめんなさい。私、もう……何も言わずに、消えようなんて……」

レオンは苦笑しながらも、フェルナンの肩にそっと手を置いた。

「こうして戻ってきてくれたんだから、もういいんだ。それより……俺も、もっと本気でお前を探すべきだった。……すまない」

「そんな、兄さんが謝ることじゃ……」

謝罪合戦になっている兄弟をトモエは満足そうに見守る。

「……なんか、いいことしちゃったわね」



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