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familyーエルドラン編ー  作者: K.Dameo'n'AI


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22/24

愛葬

――ぁぁぁ……にいちゃぁぁんっ……

幼い妹が、泣きながら俺の足にしがみついてくる。

その小さな手の震えが、やけに鮮明に伝わってくるのに――

俺は動けなかった。

目の前には、母の墓石。

風に揺れる一輪の花。

普段なら気にも留めないただの雑草が、

その時だけは、やけに鮮やかに見えた。

妹の頭を撫でてやることさえ、できなかった。

近くで起きた戦争。

勝ったはずの戦いだった。

なのに――

あいつらは関係のない俺たちの村まで襲ってきた。

家は焼かれ、

母は倒れ、

妹は泣き叫び、

俺はただ立ち尽くすことしかできなかった。

国も、軍も、兵も。

それに関わる奴ら全員が嫌いだった。

こんな国、世界、全部――

滅んでしまえばいい。

そう思っていた。

あの日までは。





ある日、一人の騎士が村にやってきた。

少ないが物資を持ってきたという。

だが、俺はその騎士が差し出した物資をぶちまけた。

気のすむまで踏みつぶし、騎士にも殴りかかった。

所詮ガキの俺なんか、簡単に吹き飛ばせたはずだ。

だが騎士は、殴られながらもじっとしていた。

本物の戦場を知る者のはずなのに、

悲しげな顔で、ただ受け止めていた。

それでも騎士は毎日来た。

俺も毎日物資を踏みつぶし、殴り、蹴った。

だが――ある日、止まった。

妹が、騎士の前に立ちふさがったのだ。

やせ細り、ふらつきながらも、

必死に騎士を庇っていた。

その時、気づいた。

俺が毎日物資を踏みつぶしたせいで、

妹も何も食えていなかったことに。

守れなかった命を悔やみながら、

今守るべき命すら大事にしていなかったことに。

妹は倒れ、

騎士は謝罪と共に妹を抱えて家へ運び、

ベッドに寝かせた。

そして「少し待っていろ」と言い残し、

しばらくして戻ってきた騎士は、

新たな物資で料理を作った。

正直、不味かった。

腹が減っていても不味かった。

でも――

なぜかそのスープは全部飲めた。

妹も数日後には元気になり、

怒り、泣き、笑い、

いつもの生活に戻った気がした。

そして、騎士が訪ねてきた。

俺はもう物資を踏みつぶさなかった。

素直に受け取り、礼を言った。

そして頼んだ。

剣の稽古をしてくれ、と。

騎士は悲しい顔をして首を振った。

それでも俺は頼んだ。

妹を――最後の家族を守りたい、と。

騎士は呆れたようにため息をつき、言った。

「十五になったら訪ねてこい」

そして名を名乗った。

――騎士団長。

グランドだと。





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