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familyーエルドラン編ー  作者: K.Dameo'n'AI


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16/23

山場ね

牢屋での“口封じ”事件から数時間後。

政務室にはレオン、フェルナン、エルディオ、そしてトモエが集まっていた。

「……死んだか」

報告を聞いたレオンは、低く呟いた。

その表情は冷静だが、目の奥は鋭い。

「ねぇ、レオン」

トモエが腕を組んで問いかける。

「あんたなら、あの小汚い人がどういう人間か分かるんじゃないの?」

レオンは少し考え、答えた。

「奴は……先代王の側近だったが、優秀という話は聞いたことがない。王になった途端、酒浸りの贅沢三昧で、政務もせず、誰とも関わりを……」

そこでレオンは、ふと何かを思い出したように目を細めた。

「……いや、一人だけいたな」

「誰よ?」

「アーヴェルだ」

その名が出た瞬間、政務室の空気がわずかに揺れた。


その時、扉がノックもなく開いた。

「失礼いたします」

入ってきたのは、白髪混じりの老兵だった。

「グランド。よく来てくれました」

エルディオが立ち上がり、嬉しそうに迎える。

グランドは深く頭を下げ、レオン、フェルナン、トモエにも丁寧に挨拶した。

「王子より、協力を仰がれましてな。前王の代から城に仕えておりますゆえ、何かお役に立てればと」

「あら、それは助かるわ」

トモエが微笑むと、老兵は照れたように頭を掻いた。

「今、アーヴェルという名が聞こえたが……?」

グランドがレオンに問う。

「ああ。それは……」

レオンは頷き、状況を説明した。

「ふむ。あやつか……」

聞き終わったグランドがへ、フェルナンも続ける。

「アーヴェルは……以前から不穏な動きがあり、影守として追ったことがあります。その時は……その、何も掴めませんでしたが……」

「怪しいわねぇ……」

トモエは顎に手を当てた。

「ま、ここは本人へ聞くしかないわね」

トモエの言葉に皆頷きを返す。

「正直言うとは思えんが、まあ、それしかないな」

「ここで悩むよりは、まず、接触した方が分かることも、あるかもしれません」

「私も、お供しよう」

グランドが一歩前に出る。


こうして、レオン、フェルナン、エルディオ、トモエ、そしてグランドの五人は、アーヴェルの私室へ向かうことになった。



皆、表情は硬く。言葉も交わすことなく、アーヴェルの私室へ向かうため、中庭に面した長い廊下を歩いていた。



その時――。



「――あっちだ! 追え!!」

中庭から兵士の怒号が響いた。


「何事だ!」

二階の廊下からレオンが声を張ると、中庭に居た兵士が答える。

「フレア殿です! 文官のフレアが不審な動きをしていたので問いただした兵が、突然、針で刺され……泡を吹いて倒れました! 今、追跡中です!」

「なんだとっ!」

レオンは走り出す。

「ちょ、ちょっと! 待ちなさいってば!」

トモエも慌てて追いかけ、フェルナン、エルディオ、グランドも続く。





捜索の末、一行は城の地下へと辿り着いた。

普段は誰も立ち入らない、薄暗い水路。


「こんな所に逃げ込むなんて……」


フェルナンが警戒しながら呟く。

その奥で、レオンが文官フレアを追い詰めていた。


「もう逃げ場はないぞ、フレア」

フレアは壁を背にし、肩で息をしている。

「……っ……レ、レオン様……わ、私は……!」

「知っていることがあるなら全て話せ」

レオンが一歩踏み出した瞬間――フレアの視線が、レオンたちの“背後”へ向いた。

「ひ……ひぃ……!」

その顔が、恐怖で歪む。

「うん?――」

レオンが振り返ろうとした、その瞬間。


ズブッ――。


鈍い音が響いた。


「――っ!」

フレアの胸に、一本の剣が深々と突き刺さっている。


「…………」

刺したのは張本人、それは――グランドだった。


「きゃあああああっ!!」

トモエが悲鳴を上げる。

フレアはそのまま崩れ落ち、動かなくなった。


「グランド……! 殺す必要はなかったのでは?」

レオンが低い声で問う。

「ふっ……」

だが老兵は静かに首を振った。

「甘い。こやつは……」

グランドは屈み、フレアの手を持ち上げて見せた。

そこには、細い針のような凶器が握られている。

「先の兵が言っていた毒針。騎士団長、もしくは王子を……隙を見て刺すつもりだったようだ……」

エルディオが息を呑む。

「そんな……!」

「やらねば、やられていた。それだけのことです」

グランドの声は冷静で、しかしどこか哀しみが滲んでいた。


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