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familyーエルドラン編ー  作者: K.Dameo'n'AI


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15/24

崖はあるのかしら

残党たちが連行され、執務室にようやく静けさが戻った。

「……よかった……本当に……」

エルディオは胸を押さえ、まだ震える声で呟いた。

ェルナンはエルディオの肩を支え、レオンは倒れたフードたちを確認している。

そんな中、トモエは腕を組んで首を傾げていた。

「……なんか、引っかかるのよねぇ」

その言葉に、三人が同時に振り向く。

「母上、どういう……?」

「トモエさん、何か気になることが?」

トモエは深く息を吐き、まるで探偵の様に部屋をウロウロしながら語り始める。

「いやね。少し前ならともかく……今のお城って、皆ちゃんと仕事してるでしょ?」

「……ああ。警備も以前より厳重になっている」

レオンが頷く。

「でしょ? 前ならともかく、今のお城に……誰にも気が付かれることなく、あんな人数が忍び込めると思う?」

エルディオとフェルナンは顔を見合わせた。

「たしかに……」

「そんなに簡単に入れるはずが……」

レオンの表情が険しくなる。

「……招き入れた者がいる、ということか」

「疑いたくはないけどねぇ……なんか、こう……引っかかるのよ」

トモエは指を立てて言う。

「サスペンスでもこういうのあるのよ。“内部に協力者がいた”ってやつ」

「さす……さすぺ……?」

エルディオとフェルナンが同時に首を傾げる。

「サスペンスよサスペンス。事件ものの話でよくあるの。犯人は外じゃなくて、中にいたってやつ」

レオンは腕を組み、深く頷いた。

「……なるほど。確かに、内部の者が手引きしたと考えれば辻褄が合う」

「でしょ?」

「調べてみるか」

レオンの声は低く、鋭かった。

「もちろんです」

「内部に居るとすれば、見過ごすことはできません」

フェルナンとエルディオが並んで立つ。

「二度も同じことはさせないわ」

トモエも両の拳を合わせ、力強く言う。


こうして、内部捜査が始まったのだった。












後日の昼間。

フェルナンとレオンが、あまり目立たぬように城内の聞き込みを行っている中。

政務室では、エルディオとトモエが待機していた。

「ねぇ、エルディオ」

「はい、母上?」

「……あんたが牢屋に入ってた時に“王”をやってた、あの小汚い人。あれ、どういう人間だったの?」

エルディオは少し考え、答えた。

「父上の側近だった人です。ですが……これといって優秀だったという話は聞きません。むしろ、影が薄いというか……」

「ふぅん……」

トモエは腕を組んだ。

「本人に聞いてみるしかないわね」

そう言って、トモエとエルディオは数人の兵士を連れて牢屋へ向かった。





牢屋へと続く扉前に着いた瞬間、トモエは眉をひそめた。

「……扉、半開きよ」

エルディオが息を呑む。

「まさか……脱走……?」

「ダメよ。こういうの、サスペンスでよくあるのよ」

「さす……ぺんす……?」

「いいから警戒しなさいっての」

トモエの言葉に、兵士たちは無言で頷き、慎重に牢屋の通路へ足を踏み入れた。


六つある牢の一番奥へ進むにつれ――。

「……っ!」

倒れた警備兵が数人、床に転がっていた。

「やだ……見たくないわよ……」

トモエは目を覆いながらも、足を止めずに進む。


そして、一番奥の牢に辿り着いたとき。


全員の視界に飛び込んできたのは、あの“王だった男”の刺殺死体だった。

胸元には深々と刃物が突き立ち、血はすでに黒く乾いている。



「っ……!」

エルディオが息を呑む。

兵士たちも言葉を失った。

トモエはしばらく沈黙したあと、ぽつりと呟いた。

「……二時間でたりる……のかしら?」

「え……?」

「サスペンスだとね、こういうの“口封じ”って言うのよ」

エルディオは青ざめた。

「じゃあ……内部に……」

「ええ。“協力者”どころじゃないわね。“黒幕”がいるわよ、これ」

牢屋の冷たい空気が、一層重く沈んだ。



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