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familyーエルドラン編ー  作者: K.Dameo'n'AI


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14/22

危なかったわ

数日後の夜。

トモエは、まだ灯りのついた執務室の前に立っていた。

手には、温かいハーブティー。

「まったく……夜更かしはお肌に悪いのよ」

ノックをする。


――返事はない。


「寝落ちしちゃったかな……」

苦笑しながら声をかける。

「入るわよー」

扉を開けた瞬間――。


「……え?」

トモエの目に飛び込んで来たのは、執務室の中央で、エルディオが数人のフード姿の男たちに囲まれている姿だった。

「エルディオ……!」

「母上……!」

エルディオがこちらを見て叫ぶ。

その瞬間、フードの一人が輪から離れ、刃物を手にトモエへ向かって突進してきた。


「母上!!」


エルディオの叫びが響く。


危ない。そう思った瞬間。



「――やめなさいよ!」

次の瞬間、フードの男は吹き飛んでいた。


「ぐふぁっ……!」


壁に叩きつけられ、そのまま動かない。


「…………」

トモエは拳を突き出した姿勢のまま静止している。


「……は?」


残党たちも、エルディオも、一瞬時が止まった。


「く、くそっ……!」

だがすぐに、別のフードがエルディオを羽交い締めにし、首元に刃物を突きつけた。

「動くな!!」

エルディオが苦しげに息を呑む。


トモエは、驚くほど冷静だった。


「ねぇ、あんたたち」


その声は、静かで、しかし鋭かった。


「王国を取り戻すって言ってるけど……取り戻せたら、この子より上手くできるの?」

フードたちが一瞬だけ動きを止める。

「今、この子から“国”を奪って……国民を納得させられるのかしら?」

刃物を持つ手が、わずかに震えた。

「暗殺なんて卑怯なことしてるあんたたちに、本当に国民が従うと思ってるの?」

その言葉は、残党たちの胸に深く刺さった。


「くっ……」

迷いが生まれた、その瞬間――。


「――っ!」


窓ガラスが割れた。

黒い影が飛び込んでくる。


「っ……!」


フェルナンだった。


彼女は一瞬で、エルディオを押さえるフードの腕を捻り、刃物を弾き飛ばし、床に押し倒す。

ほぼ同時に、執務室の扉が勢いよく開いた。

「諦めろ」

レオンと数人の兵士が剣を構えてフード達を取り囲む。

「く、くそっ……!」

残党たちは完全に戦意を失って、次々と武器を落とし、兵士に連行されていく。

「母上……! ご無事で……!」

エルディオは息を整えながら、トモエへ駆け寄る。

「ほんと、あんたが危なかったわよ……ほんとに」

トモエは胸に手を当て、深く息を吐く。

「むしろ、本当に危なかったのは……こいつらか……?」

倒れたフードを見下ろしながら、レオンはぽつりと呟く。

フェルナンとエルディオはその言葉に思わず苦笑したのだった。



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