言霊記録
3日連続投稿☆
気がつくと、俺は薄汚れた路地裏の石畳の上に倒れていた。
体に痛みはない。ゆっくりと体を起こすと、ツンと鼻を突く生活臭と、遠くで大勢の人間が行き交う雑踏が聞こえる。
見上げると夜空には星が輝いており、月が2つあることがわかる。
「はは、まじで異世界に来たのか」
あの真っ白な空間での出来事は死ぬ前の白昼夢ではなかった。
そう確信した瞬間、脳内に無機質な音声が響いた。
『固有能力【言霊記録】を入手しました。対象を指定し、その対象の言った言葉を記録できます。』
『【虚偽制裁】言霊記録の権能の一部、記録された言葉に嘘があれば対象に罰をあたえる(任意発動)』
『【因果応報】言霊記録の権能の一部、自分の言葉に嘘があればこの権能の所有者が罰を受ける(常時発動)』
『現在のレベルは1。ロックオン上限1』
声が止まった。不思議と一言一句記憶に残っている。
(なるほど、要するに一人決めてそいつが嘘ついたら罰を与えられる能力か。レベルがあるが上がるとなにかいいことがあるのか?てかどうやったら上がるんだ?)
とりあえず立ち上がり、衣服についた土を払った。
そんなことをしていると薄暗い路地裏の奥から人がやってきた。
「おいおい、にいちゃん。見ない顔だなあ。そんなところでどうしたんだ?」
やってきたのは、親切そうなだがどことなく胡散臭い、笑顔を浮かべた男だった。
(見るからに怪しすぎる……。とりあえず言霊記録を発動させておくか)
『【言霊記録】対象〈ビリー〉をロックオンしました。音声ログの記録を開始します』
(目の前の男の名前はビリーなのか?とりあえず気弱そうな演技をして話してみるか……)
「あ、あの……すいません、助けてください。ここがどこかもわからなくなて……」
「へへ、やっぱり迷子か!安心しな、俺はビリー。親切な男だ!俺が案内してやるよ」
「本当ですか……?でしたら、知りたいことをいろいろ聞いてもいいですか?」
「おう、もちろんだとも。困ったときにはお互い様だよな。俺の知ってることならなんでも答えるぜ」
そう言ってビリーは路地裏の奥の方へ行くようにトキに促した。
「あの、そっちは人が大勢いる方と離れていってしまうんですけど、まさか襲ってきたりなんてしませんよね」
「おう、もちろんだ。危害を加えるつもりなんてないぜ」
「ほら、こっちに来い」
ビリーは俺の腕を掴み強引に引いて歩き出した。
そのまま路地の奥。誰もいない静かな暗がりにくると俺にナイフ向けてこう言った。
「おい、死にたくなかったらお前の着ている服をよこせ!」
(やっぱりこう言う輩か、まあ、制服が貴重だなんてあるあるだよな。とりあえず、相手は危害を加えるつもりはないと嘘をついたから口調は素に戻してもいいか)
「お前はさっき、危害は加えないと言ったよな?」
「はっ、そんなこと信じてたのか?これだから世間をしらないボンボンは。いいからその服脱げや」
「はあ、もういい。【虚偽制裁】発動。お前は嘘をついた罰をうけろ!」
「が、はッ!?がぁぁぁぁぁぁッ」
次の瞬間、ビリーは頭を押さえ、苦悶の声をあげたあとうずくまった。
痛みが治まったのかビリーは怯えた様子で訪ねってくる
「ひ、ひぃ、な、なんだこれ……まさか、お前加護持ちなのか?」
「お前は質問できる立場にない。さっき何でも答えるって言ったよな?だったら嘘をつかずに俺の質問に答えろ。次嘘をついたら……どうなるか、試してみるか?」
「ま、待て!いや、待ってくれ、頼む、助けてくれ!悪かった、ちゃんと正直にこたえるからよぉ」
恐怖で体を震わせながら、ビリーはおびえた目で俺を見上げた。
「じゃあ、先ずは−−−−
お読みいただきありがとうございます。
毎日ギリギリで書き終わっている現状。明日も投稿できるといいな
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