ヤツの恩恵がわかったぞ
トキとロイドが路地裏で奇妙な友情を結んでから、しばらくの時間が流れた。
その間も、犯罪組織のボスであるドンは、トキの能力の正体を暴くために執拗に部下を送り込み続けていた。
武器を持たない者、女の刺客、視界の外からの挟み撃ち、さらにはトキに一切の質問をさせずに自分たちの要求だけを一方的に捲し立てる者など――。
その結果、アジトに帰還できた部下たちの報告を精査していたドンは、薄暗い地下室の玉座で、ついに確信に満ちた笑みを浮かべた。
「ふむ……。分かったぞ、あのガキの恩恵の正体が」
ドンは顎に手を当て、鋭い眼光を目の前で平伏する側近の男へと向けた。
「おそらく、奴の能力は『奴の質問に答えた相手に、呪いの激痛を与える能力』だ。
最初の報告では、手下どもが奴の問いかけに答えた直後に発狂した。だが、その後送り込んだ手下どものうち、奴の言葉を無視してこちらから一方的に要求を突きつけ、話し続けた者は無傷で戻ってきた。……そうだな?」
「はっ! まさしくその通りであります、ボス! 奴から質問を投げかけられ、それに答えてしまった者だけが、例外なく脳を焼かれるような激痛にのたうち回っておりました!」
側近の男が、ボスの問いかけに声を弾ませて答える。
ドンはフッと鼻で笑い、勝ち誇ったように玉座の背もたれに深く体を預けた。
「ククク……単純な仕組みではないか。つまり、奴に主導権を握らせず、こちらから一歩的に話続け、あのガキの質問を無視すれば、奴の能力は発動条件を満たさない。質問にさえ答えなければ、あのガキなどただの非力な人間に過ぎんということだ」
ドンの頭脳は、状況証拠から導き出した【完璧な誤解】によって満たされていた。
「よし、能力の底は見えた。これ以上の実験は不要だ。……いよいよ、あの魔剣を我が手中に収めるぞ」
ドンは冷酷に目を細め、側近に命じた。
「やつに部下を使ってこう言ってこい。ここへ来い、さもなくばハンスの店を襲うとな」
その日、ドンの高笑いが屋敷に響いた
書くことがないですね。
まあ、みなさんは言いたいことがわかると思うのでよろしく




