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異世界冒険奇譚〜異世界行ったけどイージーじゃなかった〜  作者: ああるぐれい
青春に支配された世界

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83/85

29.5話

(リノ視点)


トウマの言われたことに従うと、二人と会うことができた。


「久しぶり、二人とも」

「誰だっけ?」


フィーナちゃんは首を傾げるけど、レオンは僕の目を見た直後。


「その声、リノか」

「正ッ解!」


指を鳴らし、レオンを指差す。レオンは僕の反応に苦笑しながら、頭を掻く。


「なんだよその反応、僕がスベッたみたいじゃないか」


頬を膨らませながら抗議するも、レオンの表情は変わらない。


「いや、女だとは思わなくて。あんなにキモ座ってる奴がさ」

「あ、それ偏見って奴だよ。いけないんだー」

「リノってこんな可愛かったんだね」


フィーナちゃんは僕に抱きつき、豊満な胸をたっぷりと押し付けた。ムゥ、柔らかくて心地良い。きっとトウマもこの胸に釘付けだったんだろうなぁ。


「トウマくんとはもう会ったの?」

「うん、トウマに言われてこっちにきたんだ。本人は別の部屋で休んでるって」

「四人で話そうよ」


フィーナちゃんはウキウキしながら僕の手を引く。そのあどけなさに、ほおがほころんだ。


「レオンはいい妹を持ったね」


揶揄うように言うと、レオンはニヤリと笑いながら。


「当たり前だ」


と言い放つ。フィーナちゃんの顔を見るけど、気づいてないみたいだ。


「ここなはず」


ドアを開ける。が、そこには誰もいなかった。


「あれ? ここにいたはずなんだけど⋯⋯」


おかしいな⋯⋯。


布団をめくったり、ベッドの下を覗き込んでみるも、トウマは姿を表さなかった。その時。


「みんな!」


僕たちを呼ぶ声。すぐに駆け寄った。そのメモには四つの文字が刻まれていた。


「『頑張れ。』⋯⋯ね」


フィーナちゃんが読み上げ、首を捻る。


意味がわからないみたいだ。

レオンを見るも、フィーナちゃんと同じく、首を捻っている。


そういえば、さっきのトウマは様子がおかしかったような⋯⋯。


先ほどのトウマの姿を思い浮かべながら、フィーナちゃんの手を握った。


にぎにぎ。柔らかい。


「多分だけど、トウマはここにいないんじゃないかな」


僕の発言にレオンが眉を顰める。


「どう言うことだ?」

「さあ、わからない」


でも、なんとなくそんな気がする。


「だから置き手紙っていう回りくどいことをしたんじゃないかな」


人差し指を立てながら、自分でも思いを巡らす。


そういえば、トウマはたびたび様子がおかしかった。僕が仲間を殺した時も、レオンと叔父さんはちょっと面食らってたけど、トウマは普通の顔をしてた。それに、妙に落ち着いてたし。


「なら、最後にお礼言いたかったな」

「⋯⋯俺もだな」


シュン、とフィーナちゃんが肩を落とす。そんなフィーナちゃんを抱きしめながら、どこかに行ってしまった一人の男に言葉を投げかけた。


貸しイチね。

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