29.5話
(リノ視点)
トウマの言われたことに従うと、二人と会うことができた。
「久しぶり、二人とも」
「誰だっけ?」
フィーナちゃんは首を傾げるけど、レオンは僕の目を見た直後。
「その声、リノか」
「正ッ解!」
指を鳴らし、レオンを指差す。レオンは僕の反応に苦笑しながら、頭を掻く。
「なんだよその反応、僕がスベッたみたいじゃないか」
頬を膨らませながら抗議するも、レオンの表情は変わらない。
「いや、女だとは思わなくて。あんなにキモ座ってる奴がさ」
「あ、それ偏見って奴だよ。いけないんだー」
「リノってこんな可愛かったんだね」
フィーナちゃんは僕に抱きつき、豊満な胸をたっぷりと押し付けた。ムゥ、柔らかくて心地良い。きっとトウマもこの胸に釘付けだったんだろうなぁ。
「トウマくんとはもう会ったの?」
「うん、トウマに言われてこっちにきたんだ。本人は別の部屋で休んでるって」
「四人で話そうよ」
フィーナちゃんはウキウキしながら僕の手を引く。そのあどけなさに、ほおがほころんだ。
「レオンはいい妹を持ったね」
揶揄うように言うと、レオンはニヤリと笑いながら。
「当たり前だ」
と言い放つ。フィーナちゃんの顔を見るけど、気づいてないみたいだ。
「ここなはず」
ドアを開ける。が、そこには誰もいなかった。
「あれ? ここにいたはずなんだけど⋯⋯」
おかしいな⋯⋯。
布団をめくったり、ベッドの下を覗き込んでみるも、トウマは姿を表さなかった。その時。
「みんな!」
僕たちを呼ぶ声。すぐに駆け寄った。そのメモには四つの文字が刻まれていた。
「『頑張れ。』⋯⋯ね」
フィーナちゃんが読み上げ、首を捻る。
意味がわからないみたいだ。
レオンを見るも、フィーナちゃんと同じく、首を捻っている。
そういえば、さっきのトウマは様子がおかしかったような⋯⋯。
先ほどのトウマの姿を思い浮かべながら、フィーナちゃんの手を握った。
にぎにぎ。柔らかい。
「多分だけど、トウマはここにいないんじゃないかな」
僕の発言にレオンが眉を顰める。
「どう言うことだ?」
「さあ、わからない」
でも、なんとなくそんな気がする。
「だから置き手紙っていう回りくどいことをしたんじゃないかな」
人差し指を立てながら、自分でも思いを巡らす。
そういえば、トウマはたびたび様子がおかしかった。僕が仲間を殺した時も、レオンと叔父さんはちょっと面食らってたけど、トウマは普通の顔をしてた。それに、妙に落ち着いてたし。
「なら、最後にお礼言いたかったな」
「⋯⋯俺もだな」
シュン、とフィーナちゃんが肩を落とす。そんなフィーナちゃんを抱きしめながら、どこかに行ってしまった一人の男に言葉を投げかけた。
貸しイチね。
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