エピローグ
後書きにお知らせがあります。
「母さん。俺、学校行くよ」
母親は俺の突然な言葉にギョッとする。その後、嬉しそうに笑いながら。
「じゃ、制服に着替えてらっしゃい」
「うん」
半年間、近づかなかったクローゼットの扉を開ける。そこにはほぼ新品の制服がハンガーにかけられていた。手にとり、付着した埃を手で払う。
袖を通して鏡の前に立ち、ネクタイを調節する。母親が用意してくれた朝食を食べ、玄関に向かう。
俺が学校に行こうと思ったのは、俺が異世界で出会った全ての人のおかげだ。皆、俺よりハードな世界で頑張って生きている。こんなに平和な世界で、学校に行きたくないだなんて、皆に知られてしまったら笑われてしまう。
「ティッシュ持った?」
リネ、レオ、レイ、マキナ。
「持ったよ」
レオン、フィーナ。
「ハンカチは?」
レン、ショウタ、ロウ、コウセイ、リク、ナツメ。
「持ったよ」
シュン、ユウナ、アカリ。
「本当に?」
この短時間では、数えきれないほどの人たちに感謝している。
⋯⋯俺は唯一無二じゃない。俺はいくらでもいる。でも、共に過ごした仲間たちとの関係は、俺にしか構築できない関係だ。
『俺』がいくらいようと、俺は一人しかいない。それを痛いほど感じた。
だから唯一無二なんだ。
「本当だってば」
俺はこの先、何度も異世界に行き、その度に挫折や喜び、出会いと別れを知るのだろう。だが、もう俺の心は折れることはない。今までの仲間が、これから出会うであろう人たちがどこかの世界にいる限り、俺は何度でも立ち上がる。
靴を履き、鞄を持ってドアを開けた。
「行ってきます」
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これで篠村トウマの物語が終わりました。
完結扱いにしますが、世界ごとの後日談や、番外編などを投稿するつもりなので、いつか動き出します。
ぜひ、楽しみにしておいて下さい。




