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異世界冒険奇譚〜異世界行ったけどイージーじゃなかった〜  作者: ああるぐれい
神々に支配された世界

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第四十三話

(神視点)



参加者が映し出されている数多のモニターの中から、一つの画面をピックアップした。


そこに映って至るのは、僕のお気に入りである篠村トウマだ。


この参加者はなかなかに面白く、動きも華やかだ。


「相手は⋯⋯あぁ、この人かぁ」


今のトウマの相手は、臓器ブラックジャックで、21しか出していない豪運の持ち主、(わたり)シントだ。


「もしかしたら、やられちゃうかなぁ」


でも。


「きっと勝っちゃうからねぇ。ほんっと、面白いなぁ」


面白い人間を眺めることで、僕の心は踊り出す。トウマの映っているモニターを拡大し、食い入るように見つめた。


やはりシントの運はすごい。予定調和かのように物事を進めていく。トウマが何を考え、何を実行しようと、それを物ともせず踏み潰していく。そこにあるのは、圧倒的な運。

ただそれだけ。


「シントも面白い人間だよねぇ。これが臓器ブラックジャックのベストバウトになるのかなぁ」


眺めているうちに、ゲームは最終局面に入った。


トウマの賭けた臓器は心臓。


「⋯⋯ここで切ってくるかぁ」


対して、シントの賭けた臓器は耳。普通は豪運がないと確実に負ける場面。しかし、シントは豪運が普通。いつも通りの21。


両者相打ち。


「あ〜、トウマ負けちゃったぁ」


トウマは意識を限界まで保った後、力尽きて机に倒れ込んだ。

シントはあくびをした後、机に突っ伏した。眠りに入るようだ。


「死んじゃったぁ⋯⋯」


落胆し、モニターの拡大を解除しようとした。その時、トウマは動いた。


死んでいたのに、だ。


椅子から転げ落ち、床に仰向けに倒れた。


「どうして⋯⋯?」


考えこむが、すぐにわかった。

トウマは心臓が機能を失う直前、椅子を大きく引き、机から離していた。そして、自分も浅く座ることで、筋肉の弛緩で椅子から落ちるように細工していたのだ。


動いたことで、トウマのAFKカウントはリセットされ、シントのカウントだけ進んでいる。

シントは耳を賭けていたため、トウマが崩れ落ちたこともわからず、カウントのアナウンスも聞き取れない。


自分の勝ちを確信し、眠りにつくだけだ。それが永遠になるとはつゆ知らず。


トウマの勝利は確定していた。


「やっぱり、トウマは面白い!!」


僕は再び画面を拡大し、トウマを食い入るように見つめた。



◇◇◇◇◇◇



(篠村トウマ視点)



目が覚めた。俺は仰向けに倒れていて、真白な天井が目に飛び込んでくる。


俺は死んだのか?

そう思い立ち上がる。しかし、そこには真白の椅子と漆黒の机。置かれた山札。


そう、俺は勝負に勝ったのだ。


俺が勝った理由は、シントがルールを理解していなかったからだ。

自分の運の良さにかまけて、自分では何も考えず、全てを受動的に生きてきたからだ。人生の積み重ねが、俺を勝利へと導いたのだ。


確かに、シントは手強かった。難攻不落の豪運に翻弄された。


でも、それでも。


「俺の勝ちだ」


きっとシントは、自分が負けたことをわからずに消えたのだろう。


⋯⋯さて、次の対戦相手は⋯⋯。


先ほどまでシントが座っていた席には、一人の女性が座っていた。


「あなたが対戦相手?」

「そう⋯⋯です」

「勝ち誇っちゃって、可愛い⋯⋯」

「はは⋯⋯」


どうやら、先ほどの言葉を聞かれていたようだ。

正直、苦手なタイプだ。


黒くいストレートのロングヘアー。華奢な体。真紅の瞳。

その瞳を見つめると、どこまでも吸い込まれそうで──────


「大丈夫?」

「はっ」


気づけば、俺は女性の瞳から視線を剥がせなくなっていた。


「早く席に着いて、ゲームをしましょう?」

「⋯⋯」


俺は警戒しながら、席に着く。『P-device』で賭ける臓器を選択する。先ほどと同じように、鼻を選択した。ブラックジャックをプレイする中で、嗅覚を使うことなんてないだろうし、一番ローリスクだ。


カードが飛んできた。それをキャッチする。


♠4、♥2。


「ヒット」


考えるまでもない。すぐに宣告し、カードを一枚もらった。


♣Q。


これで合計は18。


「私はステイで」


手札を開示する。

女は16。俺の勝ちだ。


「あら、負けちゃった」


少しも残念そうではない声色で呟く。


「ところで」


新しく賭ける臓器を選択してる途中、女が話しかけてきた。


「あなたの名前は何かしら?」

「⋯⋯トウマ」

「ふふっ、可愛い名前ね。私はリラ。よろしくね」

「⋯⋯」


あまり喋りたくない。話すと自分の全てが見透かされそうで怖いのだ。

リラは微笑みながら、臓器を選択する。


俺は左手を選択する。


「一体何を選んでるの? 私に教えて欲しいなぁ」

「教えるわけないだろ」

「ふふっ、しかめてる顔も可愛いわね」


これもリラの作戦のうちか?

こうやって対戦相手の心を揺さぶってきたのか?

ええい、無視だ無視。こういう手合いは無視した方がいいに決まってる。


カードが配られた。


♣Q、♣5。


「ステイ」

「もっとお話ししましょうよ。私と戦ってきた相手は皆、満足できるほど喋れなかったもの」

「さっさと宣言したらどうだ?」


俺に話しかけ、一向に宣言しないリラに強めに言ってやった。どうだ?

リラの顔色を伺う。リラの顔は、微塵も変わっていない。

俗に言うポーカーフェイスってやつだ。

ずっと顔に微笑を貼り付けて、俺を見ている。


「ツれないわね。⋯⋯ヒット」


リラの手元にカードが飛んでいく。


同時に手札を開示する。


リラの手札は19。負けだ。左腕に、再びあの感覚が襲ってくる。


「怖くないの? 自分の体が動かなくなるのは」


リラは髪を耳に掛けながら俺に問うた。


「別に、全然怖くねえよ」


ハッタリをかました。めちゃくちゃ怖いが、そんな甘いことなんか言ってられないし、心臓を失うことと比べたらはるかに優しい。


あれを感じるのは、病気か老衰かなんかで死ぬ直前だけにして欲しいものだ。

二度と味わいたくない代物だ。


「さっき心臓を亡くしたからな、アレに比べりゃ怖くねえ」

「⋯⋯口調、変わってるけど?」


指摘に息を呑む。自分が上に立とうとするあまり、無意識に口調を強めてしまった。早急に頭を冷やさなければ。


「なんともない。ちょっとハイになっただけだ」

「ふふっ、可愛い」

「それやめろ。気が散る」

「照れてるのね」


だめだ。何を言ってもやめないみたいだ。むしろ逆効果か?

相手の加虐心を刺激しないようにしないとな。


「次だ次」


臓器をかけた。今度は左目だ。


腕はカードを扱うために残しておきたい。視界は片方失っても距離感が掴めなくなるだけだから、対戦に影響しないはずだ。


カードが配られる。


♠6、♦7。


ここは勝負に出て、ヒットした方が良いか。


「ステイ」


リラはステイを宣告する。この発言から、リラは21に近い数字を出したはずだ。なら、俺もできるだけ近づけるように⋯⋯。


「ヒット」


配られたカード。それは♥J。俺は初めてバーストした。


『篠村トウマのバーストを確認しました』

「マジか⋯⋯ッ!」


直後、左目に鋭い痛みが走る。そして、ゆっくりと左側の視界がぼんやりとし始める。

完全に機能を失われた。


試しに右目を手で覆ってみると、完全に見えなくなった。左目が見えなくなった証拠だ。目を閉じていないはずなのに、見えるものはぼんやりとした何かだけだ。


「かっこいいわよ。歴戦の戦士みたいで」

「バカにしてんのか?」

「まさか、褒めてるのよ」


俺はリラに悪態をつきつつ、次の臓器を賭けることにした。次は右の腎臓だ。


腎臓は人間にとって大事な臓器だが、すぐに体に異常をきたすなんてことにはならないはずだ。


すぐに決着をつければ大丈夫。


カードをもらった。飛んできたカードをキャッチしようと手を伸ばす。しかし、目測を誤ったようで、カードを取り損ねてしまった。


「っと」


両目の時とは大違いだな⋯⋯。


すぐに拾い、カードを確認する。


♣7、♦K。


「ステイ」

「私もステイ」


リラもステイしたようだ。よほど手札に自信があるようだ。


すぐに開示する。


リラの手札は18。


「また負けちゃった」


そう言うと、リラの右手がダラリと垂れ下がる。


どうやら、右腕を賭けたようだ。

腕が動かなくなったと言うのに、眉ひとつ動かさない。


「怖くないのか?」

「別に。⋯⋯第一、何を怖がる必要があるのよ。どうせ戻ってくると言うのに」


どこか達観したような物言いだ。俺はそんな割り切れたことは言えない。一時的なものとはいえ、体がいうことを聞かなくなると言うのは本能的に嫌なのだ。


賭ける臓器を選んだ。次は左の肺だ。右の肺が残っていれば呼吸はできるはずだ。

手札が配られた。


♠10、♦3。


迷わずヒット。配られたのは♦4。


リラは手札で団扇のように顔をあおいだ。前髪が揺れ、俺の意識を削いでいく。


「ステイで」


リラはそう言って、仰ぐ手を止める。


一斉に手札を開示する。


リラは17だった。俺と同じ。と言うことは。


俺の左胸に、激痛が走る。


「ぐっ⋯⋯」


梅いた直後、猛烈な頭痛が襲ってくる。脳みそが張り詰めるような感覚が全身に広がる。


「⋯⋯あぐっ、かはっ、っ!」


息ができなくなっていた。いや、息はできた。ただ、いきなり呼吸効率が半分になったから体がびっくりしただけだ。


横隔膜が震え出す。目の前が霞んでいく。空間の色彩が歪んでいく。


「ふっ、⋯⋯うぅ、づぁ、あ、⋯⋯はぁ」


朦朧とする意識の中、リラを見た。リラは少しだけ眉を顰めながら、腰に手を回した。

どうやら、腎臓を賭けたみたいだ。それも右。


「くっう。づ、く、あぐ」


頭を机につけ、体の力を抜いて、リラックスするようにする。

しばらくはこの状態でするしかないな。


「さ、あ。次のラウンド⋯⋯だ」

「陸に打ち上げられた魚みたいね」

「言、ってろ⋯⋯」


会話は途切れ途切れになってしまうが、なんとか続けることができる。

今は意識を失わないように気を保たなければ。


覚束ない手で『P-device』の画面をタップする。


次は左の腎臓だ。


右の腎臓はすでに賭けていて、勝っているため、腎臓を両方失うことはない。


賭けるにはもってこいだ。


カードが配られる。

♦6、♥2。


「⋯⋯ヒ、ヒット」

「ステイ」


配られたカードをめくった。

♦Q。


手札を開示した。


もちろん俺の勝ち。リラは17だった。


リラは急に背もたれにもたれかかった。そして、しきりに胸を上下させている。

どうやら、どちらかの肺を賭けたようだ。


「あんた⋯⋯俺を、煽ってたくせに⋯⋯自分もじゃねえか⋯⋯っ」

「あ、案外、辛い⋯⋯わね」


二人して大きく息をしながら、次のラウンドに進んだ。


俺は胃を選択した。今は何も口にしてないから無くしても良い。


「ふう、ふう、⋯⋯くふっ、ふう」


呼吸は段々落ち着いていた。しかし、リラはまだ慣れていないようだ。俺より後に肺を無くしたからだろう。


配られた手札は♠10、♥1。


「「ヒット」」


同時だった。カードが飛んでいく。

♠10。


ブラックジャック。初めてだ。心臓以外でブラックジャックを揃えるのは。俺は平静を装いつつ、リラのアクションを待つ。


開示。

リラは20だった。ギリギリだ。ギリギリで俺の勝ちだ。

開示した直後、リラは呻きながら左目を押さえた。


「ぐっ⋯⋯」


賭けたのは左目。


「なっ、なんでよ⋯⋯」


リラは悪態をついて手札を机に放り出す。


「余裕、無さそうだな」


俺はここぞとばかりに指摘する。ゲームの序盤だった頃、俺のことをしきりに可愛い、と言っていた余裕のある姿はどこにもない。自分の体が失われていくごとに顔を顰め、頭を抱え、実に人間のように振る舞っている。


「はは、取り繕ってたってか」

「そうよ。勝つためには、自分も騙さなきゃいけないの」


リラは俺の挑発に苦々しく答える。


「簡単にやり込めそうだったのに⋯⋯こんなに粘っちゃって⋯⋯」

「読みが外れたな。⋯⋯⋯⋯俺も、負けるわけにはいかないんだ」


俺はニヤリと笑う。


キツくても笑え。そしたら、心が勝手についてくるから。


「俺の勝ちは揺るがねえぞ」

「結果も⋯⋯出ていないのに勝ち誇るの⋯⋯死亡フラグって言うのよ」

「んなモン、へし折ってやるよ」


『P-device』で次の臓器を賭ける。


俺が賭けることができる臓器は心臓、肝臓、耳、右目、右腕、右肺。

対して、リラは心臓、右肺、左腕、耳、右目。


肝臓、胃、腎臓。この三つの内、二つは俺がバーストして左肺を失った時と、俺が左目を失った時に賭けていたはずだ。


この中で、賭けてはいけないものは、右腕、右肺。この二つ。

右腕はブラックジャックをプレイするにあたって必要不可欠。右肺は負けた瞬間、呼吸ができなくなってしまう。


だから、この二つ以外で、リラに勝たなければいけない。


なら──────


賭ける臓器を決定し、カードをもらう。


♥J、♥4。


「「ステイ」」


今度はステイが被った。


開示。


リラは19。俺の負けだ。

瞬間、右の脇腹に鈍痛が走る。


俺が賭けたのは肝臓だった。


「があっ⋯⋯!」

「ふふ、痛いかしら」


その言葉を聞いた瞬間、俺は喉から飛び出ようとした、更なる悲鳴を飲み込み、口を開いた。


「⋯⋯なわけねえだろ」


今度俺が賭ける臓器。それは──────


カードをもらった。


♣K、♥4。


「「ステイ」」


また被った。


開示。


俺は17。リラは21。瞬間、俺は右目に痛みが走った。


視界は暗闇に閉ざされた。


「お前、心臓を賭けたのか」

「えぇ、そうよ。はぁあ、ハラハラした」


次に賭ける臓器を指定した。


カードが配られる。だが、両目の機能を失った俺には、数字がわからない。でも、これでいい。これでいいんだ。


「ステイ」


俺は迷わずステイを宣告した。


「は?」


ここに来て、初めてリラの動揺らしい動揺を感じ取る。

せいぜいできることといえば、リラの顔を脳内で歪ませることだ。

そして、初めての長考。


リラは考えに考え抜いていた。俺のステイの宣告を聞いて、悩んでいるのだ。


俺の予想だと、リラの賭けた臓器は右目だ。

俺が先ほど予想していた肝臓、胃、左腎臓はそれも右目に比べたら無くした時の危険度は低い。右目を賭けるより先に賭けていたはずだ。


そして、耳は俺の手札を予想するために残し、左腕はプレイし続けるため、右肺は呼吸するために残す。よって、賭けたのは右目だ。


リラは今、こう考えているはずだ。


なぜ篠村トウマはヒットしなかったのか、と。本来、ブラックジャックは21に近づけた方の勝ちというルールだ。なら、手札が見えなくとも、リスクを負ってでもヒットするはずだ。だが、それをしなかった。


つまり、ヒットしなくても勝てる手札だということ。


そこで思い至る。


それすなわち、篠村トウマが賭けた臓器は──────


心臓であると。


「ヒット」


リラはヒットせざるを得ない。視覚を奪われるのはブラックジャックにおいて、非常に痛手だ。自分も俺を殺すために、相打ちを狙い、ヒットをしなければならない。


たとえ元の手札が、どれほど高くても。


「うあああああっっ!!」


震える鼓膜。響き渡る絶叫。リラがバーストしたことを理解するにはあまりにも容易い。


「あ、あな⋯⋯た。くっ⋯⋯」

「これで、俺とお前、同じ土俵だな。お前は左肺を賭けることしかできない。

そして、俺は右肺を賭けることしかできない」

「えぇ、そうね。つまり⋯⋯」

「「完全な運の勝負ってこと」」


二人の声が重なった。妙に心地良い和音を奏でる。


賭ける臓器は決まってる。俺は最後の臓器をタップし、勝負に臨んだ。


カードが配られる。


「ヒット」


リラは力強く叫んだ。自分に運が向くように、そして、俺は。


「ステイ」


先ほどと同じ宣言。


「何をやってるの?」

「俺は自分の運を信じてる。ヒットなんてしない」

「そう⋯⋯。私は、この一枚であなたに勝つ」


静寂。


俺はこの二枚で勝つ。それが最良の方法。


『手札を開示してください』


聞き慣れたアナウンス。直後、俺は手札を放った。俺もリラも両目を機能を失っているため、手札は見れないが、機械音声が結果を告げるはず。


『篠村トウマの勝利が決定しました』


淡々と告げられた結果。俺は脱力し、背もたれに背中を預けた。

同時に、体の機能が戻った。


視界に光が戻る。あまりに眩しくて、目を細めた。


「⋯⋯っ。最後に、あなたの⋯⋯手札を教えて」


息ができなくなる中、リラはどんな手札に負けたのか、俺に聞いてきた。


俺の二枚の手札。それを手に取る。


「21だよ。ブラックジャックだ」

「私の⋯⋯手札は?」

「19だ」


俺の言葉を聞いて、リラは微笑した。


「私は、運に⋯⋯見放されたのね。⋯⋯おめでとう、あなたの⋯⋯勝ち⋯⋯よ」


言い残し、リラは話さなくなる。もう意識も沈んだだろう。


痙攣した腕が、リラの命が長くないことを示している。


目を伏せる。俺はリラを騙したのだ。いや、向こうが勝手に騙されたというべきか。

まあ、俺も罠を仕掛けていたし、やっぱり俺が騙したのだ。


俺は運で勝っちゃいない。全ては俺が考えたことだ。


リラがバーストして右目を失った時、俺は心臓なんて賭けていない。

あの時、俺は耳を賭けていた。わざとヒットしないことで、リラの誤解を誘った。そして、リラはまんまと騙され、俺が心臓を賭けることはできないと勘違いした。


切り札はもう無い。残るは運の勝負だけだと、そう勘違いした。

俺は最後に賭けたのは心臓だった。リラは俺が運の勝負で勝ったと勘違いしていたが。


まあ、リラは俺に騙されたことを知ることは未来永劫無いけど。

誤字・脱字報告を受け入れているので送ってくれたら嬉しいです。

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