32/79
間話2
『ーーーー市で、三十代の女性が殺害される事件が起きました──────』
「あら、近くのところじゃない!」
「そうだね」
母親が過剰な反応を示したのは、昼ごろのニュースで流れる殺人事件だった。
犯人は四十代の男性とのこと。
どんな理由で人を殺すのだろうか。
俺は⋯⋯⋯⋯⋯⋯いや、考えるのはやめにしよう。
「あんた、人は殺さないでよ。殺す以外にも、なんか犯罪したら縁切るから」
「はは、わかってるよ」
すでに俺は人を殺したことがある。それを知らない母親に、俺はどんな返事をすれば良いのかわからなかった。
「どうして人を殺すんだろうね」
「さあ、私は殺したことないからわからないわ」
「⋯⋯そうだね」
俺はまた曖昧な返事をしたあと、自分の部屋に戻った。そして、スマートフォンで記事を読み漁った。
◇◇◇◇◇◇
「トウマー、晩御飯できたから降りてらっしゃい!」
「うん、わかった」
返事をして立ち上がった。瞬間、心臓が跳ねた。あの時と同じ鼓動がリフレインする。
まさか、また──────
誤字・脱字報告を受け入れているので送ってくれたら嬉しいです。




