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ゼロヒーロー  作者: シュレディンガー


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第五話

街に響く警報。


「幹部ヴェイル反応確認。」


零は迷わず変身する。


もう逃げない。


守りたい人がいるから。


「変身。」


蒼白い光が全身を包み、


ヒーロー・ゼロが姿を現す。


現れた幹部怪人。


黒い翼。


紅い瞳。


圧倒的な力。


その名は——


リリス。


「人間の味方をするなんて、くだらない。」


激突。


ビルを砕く一撃。


空中戦。


互いに満身創痍になりながらも、零は決して退かない。


「俺は……!」


剣を構える。


「出会った人を笑顔にしたい!」


「それだけなんだ!」


渾身の一撃。


ゼロの刃がリリスを貫く。


リリスの身体に亀裂が走る。


黒い外殻が、音を立てて崩れ始める。


「……え?」


零は目を見開く。


怪人の装甲が光の粒となって剥がれ落ちる。


現れたのは。


見慣れた白いワンピース。


震える肩。


そして。


涙を浮かべた、綾瀬美月の顔。


「……み……つき?」


剣が、彼女の胸を貫いたまま止まる。


時間が止まったような静寂。


美月は苦しそうに微笑んだ。


「……ばれちゃったね。」


零の手から剣が滑り落ちる。


「……なんで。」


「どうして……。」


「お前が……。」


彼の頭の中で、これまでの日々が一気によみがえる。


カフェで初めて笑いかけてくれた日。


「苦しいなら、戦わなくていい」と抱きしめてくれた夜。


一緒に買い物へ行った休日。


「おかえり。」


そう言って迎えてくれた、あの笑顔。


そして目の前にいるのは、人類最大の敵・リリス。


零は震える声で問いかける。


「……全部、嘘だったのか。」


美月は首を横に振る。


涙を流しながら、小さく答える。


「ううん。」


「零くんと過ごした時間だけは……全部、本当だよ。」

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