↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺された魔法少女、異世界に行く  作者: くまなの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/21

20 サーチェ、魔法少女に会う

サーチェ視点です。

 サーチェ視点


 食事を終えたわたしは自室に戻り、ベッドの上に倒れる。

 ユナが作ってくれた料理は美味しかった。

 そして、ベッドの上で今日のことを思い返す。


 わたしは森の見回りをしてから草原にでた。草原に目を向けると、小さい女の子がクマに襲われていることに気付いた。

 どうして、ここに女の子が?

 今は考えている場合じゃない

 わたしは咄嗟にクマに向けて魔法を放つが、女の子が軽々とわたしの魔法を防ぐ。

 そして、クマに攻撃を仕掛けたことに女の子は怒り、わたしに魔法を放ってきた。 

 いきなりのことに驚いたけど、防ぐことができた。

 なんなの、この子は?

 女の子は自分を殺しに来たのか尋ねてくる。

 こんな幼い子供を殺しに?

 見た感じ、10歳前後。

 わたしは「違う」と言う。

 でも、女の子は信じてくれない。

 クマは女の子のクマだったみたいだ。

 確認もせずにクマを攻撃をしたのが失敗だった。

 だけど、女の子がクマに襲われていると思ったんだから、しかたない。

 手を上げて、戦う意思がないことを伝える。

 女の子の動きが止まり、女の子と話すことができた。

 それでも、女の子の警戒心は強く、わたしを警戒している。

 しかも、小さい体でクマを守ろうとしようとしている姿は胸が締め付けられる。

 女の子は目を赤くして、泣いた跡が見える。

 いったい、この女の子になにがあったの?

 どうにかして、女の子の警戒心を解かないと。


 女の子の警戒心を解くために、こちらからは質問はせず、女の子の質問を答えることにする。

 女の子は聞いたことがない地名や国の名前をあげていく。

 どれも聞いたことがない。

 でも、女の子が嘘を吐いてるようには見えない。

 女の子は、わたしの言葉を一つずつ、思考を動かしている。

 一生懸命に自分の置かれた状況を確認しようとしている。

 子供とは思えないほど、しっかりしている。

 女の子の様子を窺っているといきなり笑い出す。

 そして、変なことを聞かれる。それは神様との関係だ。

 一瞬、なにを言っているのか分からなかった、

 神様がいるかどうかは分からない。

 なのに、神様からの指示を受けて、ここに来たのか尋ねてくる。

 女の子の言い方だと、神様は存在して、わたしが神様の指示で、ここにきたかの確認だった。

 だから、わたしは神様に会ったこともないし、神様の指示でここに来たわけでないとをハッキリ言う。

 女の子はわたしの言葉を信じてくれたのか名前を名乗ってくれた。

 女の子の名前はユナ。

 黒いクマはくまゆる。

 白いクマはくまきゅう。


 今度はこちらから尋ねることにする。

 どこから来たのか尋ねると、遠く、誰も知らないところだと言う。

 もしかしたら、さきほど尋ねられた地名から来たのかもしれない。

 でも、どの地名も聞いたことがなかった。

 次に、どうやって、そんなところから来たのか尋ねれば、誰かに飛ばされたと言う。

 なので、ここがどこなのかも分からないと言う。

 そんなことができる人がいるの?

 そんなことができるのは神様ぐらいだ。

 本当に神様がいるの?

 もしかして、神様に命を狙われているの?

 

 でも、目の前にいる女の子は悪人には見えない。

 分からないことばかりだ。

 会話をして、少しだけ警戒心が解けたけど、まだ警戒心は残っている。

 どうしようかと思っていると、クマが動き出し、黒いクマと白いクマが、わたしのところにやってくると、目の前で座る。

 そのクマの行動に女の子は驚く。

 わたしも驚いている。

 女の子が言うにはクマがわたしを信じても大丈夫だと言っていると言う。

 攻撃をしちゃったのに、クマはわたしを信じてくれている。

 嬉しいけど、クマがそんなことを分かるの?

 そして、よく見ると、可愛らしいクマだ。

 クマたちのおかげで、警戒心は解けたように見える。

 わたしは女の子をほっとくことができない。

 どこかに、行く当てがあるのか尋ねるが、女の子の口が閉じる。

 表情を見れば、行く当てがないことはすぐに分かる。

 だから、わたしは、わたしの家に誘った。

 森の奥に家があるから、森の奥へ誘うと疑われる。

 森の奥に連れて行って、殺すと思われたみたいだ。

 どんな育ち方をすれば、こんなに疑う子供になるのよ。

 口にするつもりはなかったのに、口にしていた。

 女の子は信じていた人に父親を殺され、女の子も殺されかけたと言う。

 それじゃ、疑いたくなる気持ちも分かる。

 さらには、母親も幼いときに亡くしたと言う。

 わたしは配慮に欠けたことを謝罪するけど、


「わたしの両親が死んだなんて知るよしもないんだから、気にしないでいいよ」


 と言い出す。

 本当に見た目通りの子供?

 年齢を尋ねると10歳だと言う。

 こんなにしっかりしているのに?


 クマたちのおかげで、女の子はわたしの家に来ることになった。

 そして、わたしの散らかっている家の中を見て、驚いた顔をする。

 人が来ることがなかったから、最近、片付けをしていなかった。

 女の子は家の中を見て、掃除をすると言い出す。

 初めは止めようとしたけど、女の子の顔が年頃の表情で言うので許可してしまった。

 女の子が服やタオルの布を集め出し、石鹸が欲しいと言う。

 わたしが石鹸を渡すと、女の子は服とタオルを持って外に移動する。そして、なにをするかと思って見ていると、女の子は魔力で大きな水の玉を作り出す。

 そして、石鹸を削ると、水の玉の中に入れ、水の玉を回転させる。

 それらの流れを簡単にやってみせる。

 わたしに魔法で反撃してきたことを思い返せば、かなりの実力の魔法使いだ。

 それだけでも驚きなのに、女の子は家の隣に小屋を作ってもいいのか尋ねてくる。

 小屋? と思ったけど、了承する。

 女の子がなにをするのか、見てみたかった。

 わたしが了承すると、簡単に立派な小屋を作り上げてしまう。

 しかも、窓にはガラスがある。

 いやいや、魔法でガラスを作るなんて聞いたことがないよ。

 そもそも、魔法でガラスを作ろうとした人がいない。

 女の子は建物の中に入ると壁に本棚を作っていく。

 その流れるように作っていく姿を見ると、とても10歳とは思えないほど、魔法は洗練されていた。

 わたしが感心していると、女の子は建物を書庫と呼び、「サーチェさんは本棚に本を並べてください」と言う。

 わたしは驚く。

 わたしのことをサーチェと名前で呼んでくれた。

 少し、嬉しくなる。


 女の子は建物から出ていく。

 書庫に残ったわたしは本を並べていく。

 女の子が作ってくれた書庫は広く、たくさんの本を並べることができる。

 クマたちが次々と家にあった本を書庫に運んでくる。

 2匹で運んでくるから、次々と本が床に積まれていく。

 2階のわたしの部屋や空いている部屋にも本はあるけど、言わないことにする。

 もし、運ばれてきたら、大変なことになる。


「この棚には魔法関係を置いて、こっちには小説系を置いて」


 本棚はたくさんあるので、種類別における。

 あとは歴史に関する本、薬草学の本、技術系の本、生物系の本、2階にある本を思い浮かべながら、本棚を決めていく。

 クマたちを置いていった本を5冊ほど抱え、棚にしまっていく。

 順調に棚にしまわれていく。

 窓からは日が入り、建物の中は明るい。

 窓際に机と椅子を置けば、最高の場所になるかもしれない。


「あっ、この本。ここにあったんだ」


 少し前に買ってきて、適当に置いたら、どこに置いたか分からなくなり、読めなかった本だ。

 わたしは日が差す場所に座り、本を読み始める。

 そして、本を読んでいると、クマたちがわたしの体を押し始める。


「くぅ~ん」


 気持ちいい。

 さわり心地がいい。

 しかも、温かくて気持ちいい。

 わたしはクマたちに寄りかかる。

 最高のクッションを手に入れ、本に集中ができる。


「なにをやっているのかな?」


 本を読んでいると女の子とは思えない凄みがある声が聞こえてくる。

 本から顔を上げると、女の子が凄い顔で見ていた。


「ユナ!? えっと、これは……」


 あまりにも怖い顔に言い訳が思い付かない。


「人が夕食を作ってあげたのに」


 夕食!?

 そんな時間なの?

 窓を見ると、暗い。


「3人とも夕食は抜き!」


 わたしのクッション代わりをしていたクマたちまで被害を受ける。

 書庫から出て行く女の子に、わたしとクマたちは謝る。

 どうにか、許してもらったわたしたちは家の中に入る。

 家の中は自分の家とは思えないほど綺麗になっていた。

 でも、2階は汚いままだと思う。


 そして、女の子は子供に言うように手を洗ってから椅子に座るように言う。

 わたしが子供になった気分だ。

 女の子はクマに小さくなるように言うと、クマたちが小さくなる。

 

「クマが小さくなった……」

「クマぐらい、小さくなるよ」

「ならないわよ!」


 クマが小さくなるわけがない。

 しかも、女の子とわたしの言葉も理解している。

 不思議なクマだ。

 そして、女の子が作った料理を食べたけど、とても美味しい。

 10歳で、掃除、洗濯、料理も上手って、万能過ぎるでしょう。

 しかも、優秀な魔法使い。

 もしかしたら、友達に嫉妬され、殺されかけたのかもしれない。

 人は嫉妬で、人を貶めることをする。

 女の子が自分が優秀とは思っていない。

 できるから、普通にやる。それだけのように見える。

 でも、他人から見たら、それが嫉妬する原因になる。

 だから、わたしは行く当てがないなら、ここにいてもいいよと伝えた。

女の子を心配する優しい女性でした。


※異世界編より、投稿は2~3日おきに投稿させていただきます。

※面白いと思ったり、続きが気になりましたら、ブックマークや評価をお願いします。

※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
冷静に考えたら本を運べるくまは有能すぎますね かわいい 肉球あるし扉も開けられるのかな
ある日、森の中で少女に出会った その少女は魔法が巧くクマを連れていた 神様の指図で命を狙いに来たと疑い敵意を向けてくる 年齢の割に大人びてて詐称を疑う どこから来たのか素性不明 トラブルの予感しかし…
現地民からしたらユナは怪しい子供なんだけど、サーチェさんってかなりのお人好しタイプだよねぇ。 悪い上司に嫌気がきて逃げ出したのかも?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。