14 魔法少女、両親に会う
本日12:00に13話を投稿しています。
死んだはずなのに頭が動いている。
目を開ける。
真っ黒の空間。
人をたくさん殺したから、地獄行きかな。
しかも、最後は猫神様も殺した。
それじゃ、くまゆるとくまきゅうと一緒に天国に行けないね。
正義の味方だったお父さんは天国だと思うから、会えない。
優しかったお母さんも天国だ。
わたし1人で地獄行きだ。
地獄か、痛いのは嫌だな。
でも、人を殺し、最後は神様まで殺しちゃったから地獄行きは確定だ。
あの爆発で、猫神様がどうなったかは分からない。でも、神様に攻撃をしたのは事実だ。
地獄行きかと思って、待っているけど、一向に暗い空間のままだ。
もしかして、この暗闇で生きていけってこと?
それも苦痛だ。
そう思っていると、目の前が光りだす。
暗闇の中で光が眩しくて目が開けられない。
「優奈」
聞き慣れた声。
目を開けるとお父さんがいた。
「優奈、ごめん。お父さんが」
「お、お父さん!」
わたしはお父さんに抱きつく。
理由は分からない。
でも、目の前にお父さんがいる。
お父さんに抱きついていると、頭を優しく撫でてくる。
「ごめん」
「ううん。わたしが勝手にやったことだから」
お父さんは優しく、わたしの頭を撫でてくれる。
どうして、お父さんがいるのか分からない。
夢なのかもしれない。
でも、会えて嬉しい。
「優奈ちゃん」
声がしたほうを見ると小さいときに亡くなったお母さんがいた。
「お母さん?」
お母さんは優しく抱きしめてくれる。
夢かもしれない。
それでもいい。
会えたのが嬉しい。
「もしかして、一緒にいられるの?」
一緒に天国にいける?
でも、わたしの言葉にお父さんもお母さんも困った顔をする。
「ごめんなさい」
「一緒に行けないんだ」
2人は申し訳ないように謝る。
そうだよね。
わたしは、たくさんの人を殺した。
お父さんとお母さんは天国だ。
でも、人をたくさん殺したわたしは地獄だ。
一緒の場所にはいけない。
でも、最後にお父さんとお母さんに会わせてくれたことには神様に感謝だ。
……あの猫神には感謝したくないけど。
でも、お父さんとお母さんが天国にいると知って、よかった。
「困らせてごめんなさい。でも最後に会えてよかった。嬉しかった。お父さんが、お母さんと一緒でよかった」
2人が天国で幸せなら、わたしは嬉しい。
「優奈、ごめん」
「優奈ちゃん、ごめんなさい」
「ううん、謝らないで、2人が幸せなら、嬉しいから」
でも、そこにわたしはいない。
一緒にいたかった。
でも、それは叶わない。
わたしの手は血で染まっている。
たくさんの人を殺した。
「たぶん、くまゆるとくまきゅうもそっちにいると思うから、会ったら、お願いね。くまゆるとくまきゅうはわたしの大切な家族で……」
わたしのために死んだ。
きっと、天国にいるはずだ。
「だから……」
涙が止まらない。
お母さんとお父さんが抱きしめてくれる。
「あの子たちなら、ここにいるわ」
お母さんが離れると、わたしの横にくまゆるとくまきゅうがいた。
最後に会えた。
わたしを最後まで守ってくれた家族。
わたしのせいで死んでしまった。
「ごめんね」
「「くぅ~ん」」
くまゆるとくまきゅうが擦り寄ってくる。
「わたしは一緒に行けないから、お父さんとお母さんをお願いね」
「「くぅ~ん」」
「最後に会えて嬉しかったよ」
「「くぅ~ん」」
名残惜しいけど、くまゆるとくまきゅうと離れる。
それから、お父さん、お母さん、くまゆる、くまきゅうとたくさんのお話をした。
「お父さんの遺体、大丈夫かな」
わたしも死んで、お父さんの遺体は部屋で凍っている。
「大丈夫だ。お父さんを探しに来た同僚が家に来た。問題は優奈がいなくなったことだ。優奈は学校にも行かず、行方をくらましていただろう。騒ぎになっている」
わたしの体は爆発したのでない。
もしかしたら、粉々になったわたしの死体が残っているかもしれないけど。
自分の体がバラバラ。
それはそれで嫌だな。
「警察には悪いけど、お父さんとお母さんがいないなら、どうでもいいよ」
自分勝手な考えだけど、子供のわたしにはどうでもいい。
なにより、死んだのだから、関係ない。
「優奈、そろそろお別れの時間だ」
みんなは天国、わたしは地獄。行き先は違う。
でも、最後にみんなに会えて、別れを言うことができた。
もう、思い残すことはない。
わたしがそう思っているのに、くまゆるとくまきゅうは離れようとしない。
「くまゆる、くまきゅう、離れて」
一緒に地獄に連れて行くわけにはいかない。
くまゆるとくまきゅうも天国で幸せになってほしい。
「優奈、一緒にいられないが、幸せになってくれ」
「優奈ちゃん、一緒にいられなくてごめんね」
お父さんとお母さんが、最後に抱きしめてくれる。
悲しいけど仕方ない。
でも、地獄で幸せになれるかな。
そう考えていると、四角い白い空間が現れる。白い扉のように見える。
天国への道?
みんなが通る道だ。
明るく、綺麗な道。
わたしは通ることができない。
「優奈、行きなさい」
お父さんが白い空間を見ながら言う。
「この扉は、みんなの」
「新しい世界で幸せになりなさい」
「どういうこと?」
「新しい世界が、あなたを待っているわ」
「待って、新しい世界ってなに? それなら、みんなも一緒に」
「わたしたちは行けないの」
「でも、この子たちは一緒にいける」
くまゆるとくまきゅうが隣に立つ。
「行きなさい」
「成長したあなたに会えて嬉しかった」
「お母さん、お父さん」
「くまゆるちゃん、くまきゅうちゃん、優奈ちゃんをお願いね」
「「くぅ~ん」」
わたしはくまゆるとくまきゅうに押されるように光の扉に押し込まれる。
「お父さん! お母さん!」
2人は肩を抱きしめ合い、わたしに手を振るう。
「お父さん、お母さん! くまゆる、くまきゅう、待って」
わたしは光の中に吸い込まれていった。
最後に父親と母親に会えました。
これが夢なのか現実なのかは、誰も分かりません。
どのような魔法少女が異世界に行くことになったのか、書きたかったので、少し長くなってしまいましたが、これで現代編、終了です。
次回より、異世界編です。
ほのぼのな話になる予定です。
引き続き、お付き合いしていただければと思います。
次回より投稿は2~3日おきになるかと思います。
くまなの
※注意、本日12:00に13話投稿しています。
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