10 魔法少女、クマと出会う
わたしは魔獣になったクマを倒すために山にやってくる。
季節は冬だ。
山には雪が積もっている。
でも、わたしは寒くない。
魔法少女の服は防御面だけでなく、暑さと寒さから守ってくれる。
足と腕、顔は見えているのに、寒くないのが不思議だ。
ちなみに、魔力で体を覆うことでも暑さと寒さから守ることができる。
最近、学校に行くときに魔力を纏いながら行っている。
寒くないから、助かっている。
そして、山に到着するとお父さんから電話があって、出ることができた。
そのときにはスマホの充電も50%まで進んでいた。
わたしはスマホを異次元ボックスに仕舞う。
「それで、クマはどこに」
「あっちだよ」
空を飛ぶ猫神様についていく。
そして、探していた瘴気に侵されて凶暴化したクマがいた。
このクマが人のいるところにやってくれば、間違いなく被害がでる。
わたしは魔法を駆使して、凶暴化したクマと戦う。
クマは目が赤く、牙を剥き出しにして、わたしに襲いかかってくる。
クマはわたしが放つ魔法を爪で切り裂く。
「強い」
クマが腕を振るうと、黒い刃みたいなのが襲ってくる。
魔力の籠もった瘴気だ。
わたしは魔力壁で防ぐ。
攻撃を防ぐと、積もった雪に風魔法を放ち、クマの視界を遮る。それと同時に左右から魔法弾を放つ。
視界を奪われたクマに左右から魔法弾が襲う。
視界を防がれたクマは魔法弾を避けることができず、魔法弾はクマの体を貫く。
魔法弾を受けたクマは地面に倒れる。
少し、手こずったけど、倒すことができた。
倒したクマを見ていると、草木を分ける小さい音がする。音がしたほうを見ると2匹の子熊が現れ、クマの死体に近づく。
「母親だったみたいだね」
猫神様が子熊を見ながら言う。
「母親……」
わたしは子熊から目が離せなくなる。
その姿は、幼いときのわたしを見ているようだった。
お母さんが亡くなったとき、わたしはお母さんに抱きついて、泣いた。
何日も泣いた。
「あのクマはどうなるの?」
「どうなるも、なにもしないから、分からないよ」
つまり、わたしたちは、このまま帰る。
その後の子熊たちがどうなるかは、誰も分からない。
2匹で生き延びていくのか、母親を亡くしたことで、生きる力がなく、死ぬ可能性もある。
お母さんが亡くなったとき、わたしにはお父さんがいた。
でも、あのクマたちにはいない。
しかも、今は冬、食べ物もない。
「ねえ、動物と契約ってできるんだよね」
他の魔法少女が動物と契約をしているところを見ている。
「まさか、あのクマたちと契約をするつもり?」
「……わたしがあの子たちを育てる」
ここで見捨てたら後悔する。
半分は罪滅ぼしが入っている。
「構わないけど、本当にいいのかい? 契約した場合、君の魔力で生きることになる。君が契約を切った瞬間、死ぬことになる」
わたしは親熊に抱きつく、子熊たちを見る。
わたしはこの子たちの母親を殺した。
「この子たちは、わたしが守るよ」
わたしは子熊たちに近づく。
「「ウゥ」」
2匹のクマはわたしが近づくと、唸る。
「ごめんなさい。あなたの母親は死んだの」
「「くぅ~ん」」
わたしの言葉が通じたのか、2匹の子熊は悲しそうに鳴く。
「わたしと一緒に来ない? このままじゃ、あなたたちは死んじゃうかもしれない。だから、わたしと契約して」
子熊たちが、母親から離れて、わたしのところにやってくる。
そして、わたしの手を舐めてくれる。
「どうやら、認めてくれたみたいだね」
「どうやって契約をするの?」
「僕が魔法陣を展開させるから、その魔法陣の中で子熊に魔力を注いで」
猫神様がそう言うと、わたしと子熊を中心に魔法陣が展開される。
わたしは子熊たちを抱きしめると、魔力を注ぐ。
子熊たちは暴れずに、大人しくわたしに抱かれる。
そして、魔法陣の光が消える。
「契約完了したよ」
「「くぅ~ん」」
わたしの腕の中でクマたちが鳴く。
「色が変わっている?」
腕の中の子熊たち見ると、茶色ぽかったクマが、黒いクマと白いクマに変わっていた。
「君の契約獣になったんだよ」
わたしの契約獣。
わたしはもう一度、2匹の子熊を抱きしめる。
「それじゃ、君たちの母親を埋めてあげるけど、いいかな?」
「「くぅ~ん」」
わたしは子熊たちから離れ、魔法で地面に穴を開ける。
そして、母熊の体をゆっくりと浮かび上がらせ、穴の中に入れる。
子熊たちは、悲しそうに穴の中を見ている。
「埋めるね」
「「くぅ~ん」」
わたしは土をかぶせて、穴を埋める。
そして、少し大きめの石を埋めた穴の上に置く。
わたしは膝を落とし、手を合わせる。
「この子たちは、わたしが守ります。だから、安心して寝てください」
「「くぅ~ん」」
子熊たちは、わたしの隣で座り、お別れの挨拶をしているようだった。
そして、しばらくすると、わたしに擦り寄ってくる。
「もう、いいの?」
「「くぅ~ん」」
それから、わたしは猫神様から契約したクマたちの説明を聞いた。
基本的に食事はわたしの魔力から得られるので、食事は必要はないのこと。
他の魔法少女から話を聞いていたから知っていたけど。もし、食事が必要だったら、クマの食費が大変だった。
でも、食事を食べることで、魔力の代わりにもなると説明してくれる。
そして、契約すると自由に呼び出すことができるのこと。
「呼び出す前はどこにいるの?」
「君の中にいる」
「わたしの中? それじゃ、わたしが死んだら」
「君が死んだら、召喚獣も死ぬ。始めに言っただろう。君と一心同体だと」
つまり、このクマたちは、わたしの一部になった。
わたしが死ねば、この子たちも死ぬ。
ただ、この子たちが死んでも、わたしは死なないとのことだ。
そして、家に帰ってきたわたしは、黒いクマをくまゆる。白いクマをくまきゅうと名付けた。
くまゆるとくまきゅう、誕生!
某作品と同じ名前ですが、気にしないでください。
作者が同じだから、くまなの先生に怒られることも訴えられることもないので、大丈夫です。
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※誤字を報告をしてくださっている皆様、いつも、ありがとうございます。




