表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
88/206

進展2

パトロンドの朝は遅い、今回はただの夜更かしが原因だが。


階下の椅子に何時もの様に座ってると

「おはようございます、ガンジー様」

シルエットが起きて来た


「よく眠れたか?又同じ痛みに耐える勇気は有るか?」

少し心配で聞いてみる


「はい、痛みが消えた後はよく眠れました。きっと意味が有るのでしょうから、頑張ります」

笑顔で言われるので少し痛い・・


「意味は有る、強くなって貰いたい。死んで欲しく無いからな。手を出して」

活性化魔法を掛ける


「はい」

と又笑顔・・・


「今活性化魔法を掛けてるが、流れが解るか?」

トレーニングを始める


「わたくしも活性化魔法は使えますが、流れを感じた事等有りませんでした。ガンジー様から来る魔力の流れは解ります、心地良いですね」

使い方を教わっただけだったのだろう


「自分で意識して、流れを感じながら魔力を移動させられるかやって見て」

少し言葉使いが変わってしまう


「ガンジー様からの流れを感じたお蔭で、何と無くですがイメージ出来ます。ゆっくりですが動かせそうです」

嬉しそうに言う。簡単では無いハズなのだが才能が有るのか、理解力が凄いのか楽しみだ


「今日は1日それを繰り返し、練習をするように」

そう言って立ち上がると


「はい!」

元気な返事が聞こえる


今日は折角ラビーさんが作ってくれた機会を生かそうと、兎人族の族長に話を聞こうと思い出掛けたが・・・族長の家を聞くのを忘れてた


誰かに聞こうとキョロキョロしてたら、見知った顔を見付けたので声を掛けた


「良い所で会った、お前の爺さんの所へ連れていけ」

違和感1号に頼む


「将軍、爺様にご用が有るんですか」 

有るから行くんだろ!


「少しな」

妹のラビーさんとは、呆れる程態度が違う 


「此方です」


案内されて爺さんの家に着いた。

「助かった、もう行っていいぞ」

自分勝手で最低の奴が居ますよぉ


族長の屋敷と言う雰囲気でも、規模でも無い普通の家がそこに有る。門番も居ないし・・何て呼べば良いんだ?

ごめん下さい、たのもう、今日は、済みません・・・・どれも違う気がする・・・・


「誰か居ませんか!」

面倒になり、扉を開けて呼び掛けた


「誰じゃい、お!孫の恩人か。入れ」

何か調子が狂うな・・・


通された部屋のソフアに座り、どう話そうかと考えてると


「ワシは面倒な、かけ引きや腹の読み合いは好かん。気に入らん事や、話したく無い事は知らん!で済ます。じゃがお前は孫を助けてくれたし、ある程度は話してやっても良い。全て聞きたければギルドに2万も落とせ。フオフォフォフォ」

笑い声で、水戸のご隠居様が浮かんだ


「俺が知りたいのは、国王の裏側の顔と後ろ楯の有力者の事。それと簡単に前王太子が排除出来た理由。それくらいだな」

爺さんと話して気を使うのが面倒になった俺は。知りたい事だけをストレートに話した


「フム、国王はハッキリ云えば、変態で小者の愚王じゃな」

吐き捨てるように言う爺さん

「後ろ楯の筆頭は、虎族のタイガン侯爵じゃ。目的の為なら手段を選ばん狡猾な奴じゃ」

怒っているかのように、眉間にシワを寄せながら言う爺さん

「王太子が簡単に排除出来た理由は、言い難い事柄が絡んでおるからのお・・・・」

困っているような顔をする爺さん


「話してやると言われた割には要点が掴めないんだが?」

不満そうに言うと


「慌てるな!未だ話しとらんわ。王都とラバーニュの中程にモンブランと言う町が有る、そこから北へ10キロ程進めば林が広がり。そこに王の牧場が有る、人間奴隷の牧場じゃがな。そこへ行って見てくれば少しは分かろう。後の事が聞きたければギルドに金を落とせ」

金を落とせの部分でニカっと笑いやがりました・・・


ついて来いと言われ。爺さんの家から少し歩くと、数台の馬車が並ぶ馬車置き場みたいな所がある。馬車で暫く走ると町外れの立派な塀で囲まれた、大きな屋敷に着いた。馬車でそのまま玄関の前迄行き降りると玄関に立っていた男が扉を開ける。

ここが本宅で、さっきの家は持ち家の一つらしい。人前で出来ん話をするんじゃから当然の配慮じゃわ、と言われて納得した。もしあそこで違和感1号に出合って無ければ・・俺はトコトコここ迄歩いて、また戻らされる事にストレスを感じたんだろうなと。自分の行動の、いい加減さを思い出さされる


案内されたソファに座ると

「いらっしゃいませ、紅茶をお持ちしました」

俺と同じくらいの歳の女の子が入って来た。爺さんが孫じゃ、と一言で紹介を済ます


「お菓子をお持ちしました」

又、同じ歳くらいの女の子。爺さんは孫じゃ、としか言わない


遠くでワーキャー騒ぐ声が聞こえる

「ふん、あ奴らは噂の貴公子を見に来ただけじゃ」

興味無さそうに言う爺さん 


「何で紹介が、孫の一言何だ?」

常に名前を紹介されるので。それが常識かと思ってたのだ


「孫も70人を超えると、たまに名前を間違える。間違えると怒られるでな」

苦笑いする爺さん、何故か同志よと思った。俺は単に人の名前を覚えられないだけなのだが・・・・


礼代わりの昼食と言われて入った食堂には、20人程の女の子ばかり。それも俺と同じか少し下くらいの年齢で統一されてる


「ワシの孫と一族の娘達じゃ、お前はおなごの耳を触るのが好きなんじゃろ。どれでも触るがよい」

流石の俺でも気付く、触れたら危ない事くらいは


「遠慮しとくよ」

ウサ耳の団体・・・そりゃあモフりたい!が、我慢してあつさり流す


「なんじゃ詰まらん。みなに泣き真似させたら金貨5千枚は堅いと思っておったのに。フォフォフォ」

嘘か本気か分からない爺さん


「シルエットの耳ならタダだからな」

悔し紛れに言いながら、未だシルエットの耳は触って無い事に気付く


「何?まさかシルエットとは、ブラパン家のシルエットか?」

驚いたように聞いてきた


「そうだが」

何か問題でも有るのか?


「あの噂に高い、不落の氷の要塞を落としたのか・・となれば、この程度の娘達では相手にならんのも当然じゃな」

酷い言われようですよシルエットさんや・・


「落とした訳じゃない。側近にしただけだ」

憮然として言う。女性の容姿は重要じゃない、心の有り様が大事なのだよ爺さんと持論を振るう。心の中で


「ならば、シルエットの父に聞いてみよ。面白い事が色々聞けるじゃろう」

聞けと言う事は、国王の後ろ楯達には与して無いと言う事か・・・・


キャピキャピ笑う度に揺れるウサ耳の群れに。目の保養は感じるが、ワキワキ動く自分の指先にストレスが溜まった食事会が終わり。指をワキワキさせたままドラゴンの姉妹亭迄、馬車で送られた


シルエットは裏庭で一人訓練に励んでいた

「少しは出来るようになったか?」

「はい、全身にそれなりになら魔力を巡らせる事は出来るようになりましたが。指先や足の爪先と言った所まで行き渡らせる事は未だ出来ません」

未だ出来ませんて・・・早すぎだろ!覚えるの


それよりワキワキする指先を納め無ければ。シルエットの後ろに回り耳をモフる、一瞬ビクッとするシルエットを無視してモフり。活性化魔法をシルエットの右手の指先、右足の爪先、左足の爪先、左手の指先へと順に回し。最後に全身の隅々迄行き渡るように魔力を広げる。強化したい部分と全身を使う時の違い、活性化魔法の極意だ。


ほうっと気持ち良さそうな息を吐くシルエットに

「解ったか?」

如何にも指南している、モフりがメインじゃないからね。と言わんばかりに告げるが、手が耳のモフりを止めてない・・


「はい!ありがとうございます」

嬉しそうに言われて、少し後ろ暗い気持ちになるが。指導してるのも事実だし勘弁して貰おう


「瞬間的に強化したい部分を補強する。部分補強だから強化出来る幅が大きくなり強い力が出せる。活性化の極意だから頑張れ」

そう言いながら、満足したので耳から手を放す


「はい!」

良い返事が嬉しく、つい頭を撫でた


店内に入るとのじゃ達がいた

「昨夜のシルエットの痛がり様は異常じゃった、何をしたのじゃ?」


「俺の側近になるなら、強さが必要だ。だから訓練してる」

何も隠してない、死なれるのが怖いからと、言わないのは聞かれて無いから。この世界でも有能な部下を失うと痛いのは事実だが、怖いのとは意味が違うので聞かれる事はないと思うが・・・多分


「裏庭で、何やら頭を捻っておるのも強くなる為か?」

そう見えても仕方ないな


「直ぐに分かる時が来るから。楽しみにしていろ」

そう言って立ち上がる


爺さんに言われた奴隷牧場を見に行く為にミニラと共に向かった

牧場は簡単見つかったが、上空から見える景色がミニラに見せるには好ましくない絵面だった・・・


俺には点にしか見えない上空からの景色が、ミニラには鮮明に見えるらしい・・・はだかのおんなのひとのうしろから、はだかのおとこのひとがパンパンしてるよお。とか言われたら早急に降りるしかない。風向きを考え風下に降りたが、臭い・・・近付く程に、据えた臭いと汚物臭の臭いが強くなる。

 

悪臭に耐えながら、2時間程観察したが。5人の男性奴隷が15人程の女性奴隷に繁殖期行動を行うのを確認した。あれは性交等とはとても呼べ無い、ただの作業だった。


気分が悪くなったので引き上げる、嫌な物を見た・・・・・


俺には奴隷についての知識が圧倒的に足りない。どこ迄が許される範囲なのかも全く分からない。


俺はのじゃ達に頼る事にした。ラビーさんに一番広い部屋を借りのじゃ達全員に集まって貰った。当然シルエットにもだ


「集まって貰ったのは、お前達の知恵を借りたいと思ったからだ。奴隷に対する行動はどこ迄許されるのか、何がダメで何なら許されるのか?俺には奴隷に対する知識がほぼ無いから助けてほしい」

正直に話してお願いする


「スケベな事がしたいなら、シルエットに頼めば良いのじゃ。シルエットなら、お前の望みを全て叶えてくれるじゃろうに」

笑いながらのじゃが言う


「茶化すな!俺が知りたいのは。奴隷を繁殖させて増やすのは許されるのか?って事だ。当然奴隷同士を結婚させて増やすのは許される事は知ってる。だが家畜のように。奴隷の意志を無視して無理やり繁殖させるのはどうか?と言う事だ」

少し怒ってるのが自分で解る


「見たのか?」

のじゃが、低い響くような声で聞いてきた


「何をだ?」

俺が聞き返す


「・・・・モンブランの北の牧場じゃ」

のじゃが言い難そうにしながら一気に言った


「ああ、見た。だから聞いてる。あれは奴隷を扱う上で、許される事かそうで無いのかとな」

口調がキツくなるのが解る


「性奴隷なら暗黙の了解で許される事が多いが・・・あれは、牧場はダメじゃ。人間として扱ってはおらぬ。お前が知りたい事はそれか?」

のじゃが言った


「姫はダメだと言ったが、お前達の意見はどうなんだ?」

のじゃに答えるより、他の人間の意見も聞きたかった


「あれは奴隷云々以前の問題です」

「牧場がまかり通るなら、冒険者の越境は激減するでしょうね」

「牧場は奴隷に対する所有者の権限を超えています」

「奴隷と言えど最低限の人間としての扱いは必要です」

それぞれの意見が出るがダメだと言う意見ばかりだ。やっぱりアウトだなと確信してると


「許されない行為と解った上で、誰も奴隷の為に国王に喧嘩を売る者は居りません。進言すれば、不興をかうのを解ってますから。人間の冒険者達も戦争になる事を怖れ口をつぐみます。全ては国王を否定出来ない私達の罪です」

シルエットが言う


「ローレシアの王太子からの抗議文が届いた場合はどうだ?書いて貰えるけど」

取り敢えず聞くと


「悪ければ戦争、良くて表面上は牧場閉鎖で。牧場が地下に潜るだけじゃな」 

のじゃが、悪手だと言う


国王が主宰でこれだけ国民の反感を買う行為に拘る理由が解らない。奴隷を繁殖で育成するには金も時間も掛かるのだ・・・解らないままにお開きになる


シルエットと話をする為に部屋へ呼んだ


「魔力の移動の方は進んでるか?」

気持ちを切り替える


「はい、修練の最中に再度、指導の実演をして頂けたのが理解に繋がったのか。このように」

見てくれ、と言わんばかりに。魔力の移動を始めるシルエットだが驚く程上達している。やはりかなりの理解力が有る


「ほう、上達が早いな」

よしよしと頭を撫でた


「所で、侯爵の娘のお前が。俺の側近になって親父さんは怒らないのか?」

普通は怒るだろうなあ、と思う


「ガンジー様が、父上と戦えば。父上も簡単に納得します。父上は生粋の武人ですので種族も国も関係有りません、強者を尊敬するのみですので。ガンジー様が負ける事も有りませんし」

あまりに盲目的な信頼に。こめかみから汗が流れた・・・・


シルエットを部屋へ帰し

少し牧場の奴隷達の事を考えたが、解放してやるなら最後迄面倒を見るが本当に解放すると言う事だと思う、アスミーで獣人達と平等に扱う?無理だな・・回りから見たら俺が人間を奴隷として使っているようにしか見えないだろう。要らぬ軋轢を生むだけだ


考えている内に眠りに落ちた




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ