休み欲しい・・・
今は日暮れ時、茜の空が群青に変わりつつ美しい
「ミニラ、ご飯一緒に食べる?」
「一緒に食べるよぉパパぁ」
今日はマルトークから豚がそれなりの数届いたらしくあちこちで丸焼きの芳ばしい香りとモツと野菜の煮込みの香りが立ち込めてます
モツの処理の仕方を残留組に丁寧に教えるように、冒険者組に頼んであったのを思い出す。モツは処理次第で全く別の物に変化する食材だから知識は必要です
「マールー、熊と狼の二人組を呼んで貰ってくれないか」
「はい」
マールーが近くの獣人に告げて、獣人が走って行った
「何か用か?」
相変わらず態度がデカイ、気楽で良いんだけど
「お前も王族なら、王族の食事の席に招待しただけさ。こいつらこんなだけど、人魚国のトップの16人の内の7人だよ。全部俺の嫁と嫁候補だから期待には答えられないけどな」
笑いながら言うと、ゴロウは驚いた顔をしている
「全員若く美しいが、お前達はそれで良いのか?」
人魚達に聞くゴロウ
「それで良いかでは無く、私達全員が心からお願いした結果です。当然本国の残り9人も同じ気持ちです」
サールーが言い切り、他の人魚達は何いってるのこいつみたいな顔してる
「お前の頭に描く王とは支配者と管理者どちらだと思う」
目の前にコトッ、コトッっと水晶のグラスを創りながら話す
「それは当然全てを支配する支配者だろう」
ゴロウ
「支配者として存在する為には、他と比較出来ない程の実力差と冷徹さが必要なのは当然解るよな」
出来たコップを水魔法で洗い、中に氷をコトコト生みながら。ワインを注ぎながら話す
「それは当然理解してる。凄い魔法だな、コップさえ創るのか・・・」
返事が上の空になるほど驚いた顔のゴロウ
「それがお前に有ると思ってるのか?乾杯」
全員に配り終えて。コップを掲げる
「「「「「「乾杯!」」」」」
人魚達が唱和する
「有る積もりで居た。昔はだが」
ゴロウ
「今は違うか・・・まぁ学べば良いさ。折角最下層迄落ちる事が出来たんだから。人の心を学ぶチャンスを生かせば良い。それだけだ!さあ飲もう」
人魚達は自分でグラスに氷を生みながらワインを注ぐ、ゴロウのコップには俺が氷を生んでワインを注ぐ
「この者達全員魔法が使えるのか?」
驚いたように言うゴロウ
「人魚達全員が魔法が使えるって言うのが正解だな。それも無詠唱で」
笑いながら言う
「そんな話しは聞いた事が無いぞ」
ゴロウが言う
「2万の魔法使い軍団、凄いだろ」
笑いながら言うと、人魚達も誇らしそうに笑う
「パパぁ、豚の丸焼き切ってえ~」
ミニラに呼ばれました
食事が終わってもゴロウはその場を離れず、視線を向けて来るので。仕方無なく意図的に途切れさせた話の続きを再開した
「人の数だけ違う考え方や発想が有るって事。決して答えは一つだと思い込まない事が大事なだけさ」
頭をひねりながらゴロウは戻って行った
当然俺に王族の考え方等理解する積もりもしたいとも思わない
ゴロウの人柄と考え方を知りたかっただけ
パトロンドへ行ったら人魚の虐待に出合いました。なんて可能性も十分有る。パトロンド王族と喧嘩する必要も出て来るかも知れない。折角希望を持ち始めた人魚達の心は折りたくないから
翌早朝ローレルに向かう、マールーにタロとウルをパンを運んで来た船に乗せ昼頃にマルトークの港で待機するように告げさせた
ローレルに付くと既に騎士達と馬車が到着しており、公爵領側の人間も待機してくれていた
「お待ちしておりました若様」
人前で若様と呼ばれるのは恥ずかしい・・
「私はガンジークライムです。公爵様にお願いしていた獣人奴隷の家族を引き取りに来ました。これが証書です」
公爵領側の人間に渡す
「これはガンジー閣下、私はローレル家の執事でセバスと申します。主より指示が入っております、この者達が現時点でのローレルの獣人奴隷全てです」
セバスせが目配せすると、小屋の中から50人程の獣人が出てくる
「この中にセムとラキの家族は居ますか?」
2家族9人が前に出て来る、40代くらいの男女2組と若者4人と少女が1人。名前と間柄を確認すると記載された内容と合致した
「あなた達の中に結婚相手や将来を誓った人は居ますか?」
若者の中の男女1人づつ2名が後ろを振り返るので、前に連れて来て貰った
「あなた達は共にここを出る事を選びますか?残りますか?」
確認すると2人とも共に来ると言ったので同行する事に
「セバス殿、この者達を頂いて行きます。お手数を掛けました。皆さん馬車に乗って下さい」
決定事項のように告げて、順番に幌馬車に乗せて行く
「それではセバス殿失礼します」
セバスが頭を下げるのを見ながら踵をかえした
「チェインさん遠いですが宜しくお願いします。これでこの者達と皆さんで美味しい物を食べて下さい。大金貨1枚を渡す」
「はい、若様のご期待に答えられるよう。しっかり護衛致します」
チェインが頭を下げる
後ろに居た騎士達にも声を掛ける
「皆さんもお願いします」
「ハッ」
ピシッと姿勢を正す騎士達
俺はミニラと共にマルトークへ
マルトークの港に着いたら、タロとウルの回りに多数の獣人が。
タロとウルが家族達を探すのにガリウスさんが協力してくれたらしい
「ガリウス殿、助かります」
「お気になさらず、閣下と比べて時間は有りますから。折角ですから島迄送り届けましょう」
笑いながら、願っても無い言葉を貰える
「ありがとうございます。助かります」
港に待機中の黒組に島への先触れを頼む
「タロ、ウル。群島の者達の家族も全員集まったか?」
一応確認する。結婚相手や言い交わした相手が居たら、日を変えて
向かえに来れば良いし
「はい、全員移動を承諾した上で集まってます」
二人が頷く
「今から旧ギャルソン領に向かう、後少しだから頑張ってくれ」
「ハッ」
二人が姿勢を正す
魔石補給が終わったミニラに商船を引いて貰い旧ギャルソン領に向かう、旧メイソン領の家族探しはガリウスさんのお陰で本当に助かった・・
旧ギャルソン領でモンデール家とカンデール家の責任者を呼んで爺ちゃん達の手紙を渡し、ウルとタロに協力して貰うよう要請した。ウルとタロには、今晩の酒代として金貨を1枚づつわたす
「ミニラ、群島で御飯食べようか」
「うん食べるぅ、パパぁ」
ルールー達が食事の用意をしてくれてる間、ドリーを抱きながらミニラの口にポイポイ魔石を放り込む。ドリーも結構重くなったよ
人魚達に世話を焼かれながら食事をする。ミニラには獣人に猪を焼いて貰ってる。オヤツ程度にしかならないけど
等と考えてたら、とんでもないことを忘れていたのに気が付いた
獣人達の家が無い。人魚達には家が要らないので失念していた。何時も思い付きで行動するつけが回って来たかと反省する
慌ててマルトークに戻る
「義兄上、急なお願いですが。集められるだけ集めて何人の大工が集められますか?当然日当の割増料金も受け入れます」
焦った顔で聞いたのが良かったのか
「パン工房が終わった所だから、2倍も出せば100人くらいは集まると思うよ」
少し考えてから言ってくれる
「獣人達の家を建てるの忘れてました。人魚達には不要なもので・・・早急に80軒程建てたいのですが、木材も有るでしょうか?」
言い訳しながら頼む、セコイ俺
「手持ちを先に送って、足りない分を商人達に手配させるよ。明日からで良いよね」
既に夕方も遅い時間なので当然だ
「お願いします。助かります義兄上」
頭を下げて退出した
海賊島に戻り、元奴隷達の家族の焼き印を消し。恒例の口止めをして、全員に話す
「各家族に家を用意する予定だか、急な事なので間に合わなかった。明日から大工達と木材が届くので暫くは不自由掛けるが我慢して欲しい」
全員頷いてくれたのが見えてほっとするも、又前世の判断基準が出たんだろうなと苦笑する。
夕飯を食べながら和んでいる時にその事件は起こった。
以前から恐れていた火種が燃え上がってしまった
「ガンジー様、聞きたいのですが。ヤールーと黒組の幹部30人が私達より若く見えるのは何故でしょうか?群島より連れて来た長老騒乱犯の4人など言い訳出来ないレベルで異常なのですが?」
恐れていた事が遂に来やがりました
「ちょっとした検証だよ、実験」
言い逃れようとするが
「それで済むハズ無いでしょう!」
マールーの厳しい追求の言葉に頷く4人。ワーワーは子持の余裕かニコニコ笑っているし。ヤールーは俺の方を恥ずかしそうに見てるだけ
サールーの腕を引いて少し離れた所で
「子種は無理だけど今度発情するから不問にして」
そう告げると真っ赤になって俯いたまま無言になる
マールーも同じに扱うと同じ反応
テンテンの腕を引いて少し離れた所で
「今は無理だけど秋には子種あげるから不問にして」
テンテンは真っ赤になってコクコク頷いた
メルメルも同じに扱うと真っ赤になってニコニコ微笑む
「シールー、今度膝借りるから不問にして」
嬉しそうに頷いてくれた、大人扱いする気は無いがご機嫌取りだ
一件落着の後にサールーに長老騒乱犯四人の現状を聞くと、人が変わったように訓練に励んでいるらしい・・
本人達のやる気を引き出せたのなら、垢を洗い流した事も無駄では無かったと喜ぼう




