開拓2
朝から500人の人魚達とミニラに守られた海賊島の人魚達120名は群島に向かった
人魚の赤ちゃんはマルトークから譲り受けた漁師船2艘に分乗して。ミニラが曳いて行った。返した500名の黒組は、そのまま群島の護衛に当たって貰うよう告げた。
当然、若返った連中は混ざってない
ヤールーと近くに居た人魚達に、人魚の寿命はどれくらい有るのか聞いてみたが。40才を超えるような話は聞いた事が無く、お婆さん自体見た事も聞いた事も無いらしい。
どんだけ過酷なんだよ、人魚達の人生..
実は、ユージンがミニラに乗って海賊島へ行きたがったのだが。ガリウスさん率いる部隊が、残党狩りを済ませないと危険だとの事で。王子を越させないで欲しいと言われている。そこで明日ならと言ったら、あっさりと引き下がった。
海賊島に行くより、ミニラに乗りたかっただけかもね..
海賊島の獣人達には、全員細い鎖の足枷が嵌めて有った。子供達の最年長は8才で足には当然、足枷をされて無かったが。3才以上の子供には全て母親は存在しなかった。粗悪な食事、不衛生な環境、振るわれる暴力、毎日のように挑んで来る10人前後の男達。獣人の女性達は5年と持たずに死んだらしい。
子供達は130人も居た、全員痩せて暗い顔ばかりだ..
海賊達は奴隷商の船を好んで襲ったらしい。海賊達の話しだと新しい女と金と奴隷、全てが魅力的だったらしい。
海戦の捕虜と海賊島に居た海賊や奴隷を合わせると
海賊、450人
獣人、男140人、女80人、子供130人
捕虜の女性、20人
人魚達の、120人を合わせると940人にもなる
ここに、死亡した海賊や半島と海岸の見張りを加えると1000を超える。
この内の獣人達350人は俺が面倒を見る事になる。まだ顔も合わせて無いが、せめて美味しい物は食べさせてやりたいなあ..
海賊の頭みたいな奴が俺に会いたいらしい
「お前みたいなガキが将軍だと、笑わせるな!俺の人魚達をどうやってたぶらかしやがった」
強面のおっさんが吠えている
「お前の人魚と言うが、8隻の船を長時間止められる程の力が有ったのか?お前達の足を引っ張って曳いていた人魚に顔見知りは居たか?」
静かに質問する
「う、うるせえ。そんな事知るか!それよ・・・・・」
「あれは私の部下達だ、2000人いる。犯罪奴隷にうるさ過ぎる口は要りませんよね!ユージン様」
俺は無理矢理言葉を被せて、言葉の後を言わせない。その場には、ユージンとチャールズも居た
「勿論だよ、ガンジー将軍。連れて行って処分してくれるかな」
ユージンが、騎士に目配せをする
「はっ、」
騎士2人が海賊の腕を抱えるように連れ出して行った
「そう言えば、先程カチュア子爵から菓子と果物が大量に届けられたよ」
何事も無かったかのようにチャールズが言った
「義兄上、これから暫くの間毎日届きますので。半分はマルトークの子供達に配ってやって下さい。苦労を掛けた民達へのお詫びです」
軽く頭を下げた
「子供達には優しいね。私の妹達には優しくなかったけど」
ユージンが笑いながら言う
「子供達には、大人の思惑とは関係無く笑って居て欲しいではないですか」
笑いながら返す
届けられたお菓子や果物の半分を持って。女と子供達が収容されている倉庫へ向かう。荷車は兵士が引いてくれている
倉庫の扉を番兵に開けて貰い。荷物を運び込んだ
「ありがとう、助かったよ」
兵士達は敬礼して去って行く
昼だと言うのに倉庫の中は暗く、魔石灯の明かりだけだ。入り口の扉が開かれているので、今はかなり明るい。女性達の戒めは、足の鎖だけになっており。チャラチャラ音がする..
おやつより、足枷を何とかしないとな
「女達は、ここに並んでくれ」
少し離れた所に並び始める
地面にどかりと座って手招きする。ためらいながら先頭に居た女が近付いて来た
「危ないから動かないでくれよ」
一声掛けると足枷の少し上を掴む。女が怯えたようにビクッとするが、気にせずアダマンタイトの短剣を腰から抜き。刃を外側に向けて引く、サクッと言う感じで切れる足枷の輪。反対側も切る
「下がって外すの手伝って貰ってくれ。無理なようなら助けを呼ぶから」
「次の人来て」
切っていると、カシャンと鉄の落ちる音が聞こえた。次々に切って行き、最後の1人も切り終え。手を洗う
「子供達の1番年上の人。来てくれる?」
1人の女の子が、恐々な感じに近付いて来た
「これ食べてみて」
焼き菓子を差し出すと、不思議そうな顔で一口かじり
「あ、あまい..」
美味しそうに食べる
荷物を奥に引いて行き。リンゴのような果物を妊婦さんに渡し。
「果物が欲しい人は食べて下さい」
と言いながら、さっきの女の子と一緒にお菓子を子供達に配る。
「置いて行くから欲しい人は食べて下さい」
最初の口調は何処へやら..妊婦と子供には甘い。元爺さん..
「明日は、島迄ミニラで運んでくれるのだよね」
ユージンが夕暮れ前に確認に来てる
「残党狩りも進んでいるハズだから。問題ないと思う」
確認したい事もあるし
「最初、偉そうに喋っていた人が。後半は子供達にデレッデレになって菓子を配ってた人が居たそうだけど。誰か知ってる?」
確信犯の笑い顔
「明日は、ミニラが調子悪くて飛べないかもな」
顔を背けて言う..赤いので
「悪かった。済まん」
焦り気味だ
「商船は、幾らくらいするんだろうな?」
全然別の話をする
「金貨200枚程だと思うよ」
そんなに安いの?..金銭感覚が壊れてます
「ユージン、義兄上に話が有るから。明日の朝に出発するから遅れないでくれよ」
手を軽く振り、走り出す
「義兄上、商船を1艘譲って下さい。幾らなら譲って頂けますか」
相変わらず、堪え性が無いです
「また、急な話だね。鉄の船を作って貰ったから。ただで1艘プレゼントするよ。塩も儲かりそうだしね」
太っ腹な事を言われた
「ありがとうございます。それなら新商売を始めませんか?」
「今度は何をさせる気かな?」
笑いながら聞いてくる
「毎日パンを1万個。島迄の配達は別料金で如何ですか?」
人魚達には必要だ
「良い商売だが、嵐の日はどうするのかな?」
ここが難点なのは知ってるから
「嵐の日は、配達出来ない分を翌日配達分として製造を1時休止。3日以上嵐が続いた場合は。置いておいたパンを乾燥させて下さい。人魚達が引き取りますので。その場合は嵐が終わってから製造再開して配達。従業員の製造休止中の給金は人魚側が負担します。支払いは真珠になりますが如何ですか?」
考えていた方式を話して見る
「生産側が優遇されてるね。優遇され過ぎてるとも言える。工房建設費が問題だが、考えて見るよ」
可能性は有りそうだ
「御答え、お待ちしてます」
ナナシさん退室しました..




