開拓3
ミニラの手に座って腕にしがみついてる。隣のユージンも同じくだ
海賊島に向かって飛んでる。安全飛行速度の40キロで。速度が上がると海面に転落時の衝撃も上がる。普段のスピードだとほぼ即死。流石に王子様に死なれるのはマズイ..
本拠地の入江が見えて来た。ミニラに桟橋の奥に降ろして貰うよう頼んだ
「良い感じの入江になってるね、これなら嵐も耐えられる」
感心したように、ユージン
「人魚達が喜びそうな島だけど、掃除が大変そうだよ..」
この辺は本音
ガリウスさんが歩いて来る
「お待ちしておりました。御案内致します」
ユージンに向かって礼をする
「へえ、洞窟になってるのか、でも少し匂うね」
顔を歪めるユージン
「少し間、ご辛抱を。この奥に金蔵が御座いますので」
ガリウスさん、平気なのかな?臭いよ..
扉を開き中を見たユージン
「結構溜め込んでるね。大白金貨や宝石類迄有る」
確かに結構有った
「コイン類は金貨にして1万程です。宝石類は私には解りかねますので」
数えたんだ..
「残党狩りの方は、どうなってるのかな?」
金には興味無さそうなユージン
「そちらも、そろそろ片付く頃かと存じます」
早いね
「残党狩りが終わり次第、引き上げようかな。ガンジーに島を渡す必要が有るしね」
確かに貰いたいけど
とにかく臭いので出る事になった
{ミニラ、モンスターは居るの、海賊も居たら教えて}
{モンスターは居ないよお~海賊は3人居たけど気絶してるう}
{連れて来てくれるかな?}
{わかったあ~}
ミニラに襲いかかったのかな..無茶な事するよ..
ミニラが3人の海賊を地面に降ろした
{襲ってきたの?}
{そお~だよ}
{お疲れ様}
{は~い}
側に居た騎士が海賊を縛りあげた
「ここは、任せても大丈夫そうですな」
ミニラを見ながらガリウスさん
「そうだね、マルトークに戻ろうか」
ユージンも納得した模様
コインと宝石類を袋に詰めて船へと運んでマルトークへ
ユージンは帰りも、ミニラの手を要求しやがりました
マルトークへ戻ってお菓子と果物を倉庫へ届ける。扉の中に入った俺を子供達数人が囲む
「あのね、わたしあまいの食べたの。きのうはじめて食べたの。もうないの?」
6才くらいの女の子が言う
「有るからちょっと待ってね」
倉庫の中に荷車を運び込みお菓子を配る
「女性の方達も果物は入りませんか」
ただの配達人になってる..
果物を食べながら話す内容は壮絶を極めた..
ここではとても語りたくないような、凄惨かつ愚劣な話は省略して。子供達130人の内、母親が存命している者は20人程しか居なかった..
俺の保父さん人生が決定した瞬間かも知れない..
子供達と遊んで居た俺を、ガリウスさんの部下が呼びにきた。獣人の調べが終わったので引き渡したいそうだ。
マルトークの砂浜には肉の焼ける匂いが漂って居る。焚き火で焼いた肉に獣人達がかぶりついている。回りを人魚達に囲まれてはいるが。見張りとして..まだ足枷は付けたままだ..
獣人達に年老いた者はおらず、全員が痩せこけ。身体中に鞭打たれたような傷が有った..
獣人達の内、生まれた時から今迄。奴隷としての生しか知らない者が60名。捕まって奴隷にされた者、騙されて奴隷にされた者達が80名いた。60名は自由になっても、自由の意味を知らず生き方も解らない、80名は自由になれるなら、故郷に帰りたいと訴えた。
女性達に聞くの忘れてた..子供達に夢中で..
「お前達は、金も無い。身分を保証する物も持たない。このままだと逃げても、直ぐに捕まり奴隷か惨めな死だ。だが、俺の為に働け!真面目に働けば国に帰れるようにしてやる。期間は4ヶ月だけで良い。だが、裏切る者。怠ける者は許さん!帰る所の無い者は、俺が面倒見てやっても良い。これも真面目な者に限る。これはローレシア王国、飛龍将軍ガンジーの誇りを賭けた約束だ。解ったな!」
そこには、力強く頷く獣人達の姿が有った
翌早朝、人魚達と共に。獣人の男達は海賊島へ向けて出発した。俺は、獣人達の足枷を切り。仕事の内容を伝えマルトークへ戻った
その日もお菓子と果物の配達屋さんは頑張ってました。
肝心な事を聞くのを忘れる程に..
日が傾きかける前に海賊島へ食料を運び、洞窟から運び出された道具類や衣類。ゴミなど不明な物を全て燃やし。倉庫の中から5樽の酒を出し、みんなで分けるように言って黒組とマルトークへ戻る
酒や穀類はユージンが好きにするようにと置いていった
夕食の鳥を食べながら
「島の回りに手強い魔物はいないの?」
ヤールーに聞く
「サメンは確かに多いですが、1ヶ月も有ればかなり狩れます。島の西に5キロ迄で、大型モンスターには遭遇していません」
海賊達が、死体でも捨ててたのかな..
「もし、大型モンスターを発見したら。近付かないで報告して」
あ!一瞬不満そうな顔された..
「獣人達の様子も見てくれてる?」
戦いの邪魔だろうけど
「怠けている者は、今日はいないようでした」
初日だしね
「ありがとう、ゆっくり休んで」
食事を終え、伯爵邸へ向かう
「これは何ですか?」
目の前に大白金貨が、25枚置かれている
「貰っておけば良いよ。私も同額受け取ったしね、パン工房も余裕で作れるよ」
チャールズが笑いながら言った
「討伐報酬だよ、総額の3分の1をマルトークと人魚側で折半。犯罪奴隷の内、300人が国に。残りはマルトーク分。獣人が、ガンジーの取り分。これが今回の分配の内訳だよ」
微笑むユージン
今日も、お菓子の配達人してますが、用件は覚えてました。獣人女性の約半数が奴隷の子として生まれたか、記憶も無い幼い時に拐われた人達。残りの半数は故郷の記憶の有る人達でした。女性達も記憶の有る人達は帰郷をのぞみ。男性もそうですが、女性の故郷も殆んどが獣人達の国、パトロンド出身だそうです。
獣人女性達にも4ヶ月間の労働を頼み、その後を約束して元気な者から40人を選び海賊島の炊事と清掃をお願いする事にした。
島の獣人男性達には、引き続き頼んでいる仕事の継続と。女性に対する乱暴な言葉や態度、卑猥な言動や行動を厳しく禁じて。集団責任とする事とし、互いの監視と女性の保護を促した。
ヤールーに1000人の人魚達を任せ。島の食料用の狩りと監視をお願いして。獣人の子供達と残りの獣人女性達を連れて商船でクライムを目指す。
500人の黒組に守られ、エンジンのミニラに曳かれながら。
「そんなに、俺と人魚達の動向が気になるのか?」
素の感情と言葉で話してます。
ユージンは騎士30人を引き連れてついて来ました。
「いや、そう言う訳ではないよ」
「隠さなくても良いよ。国を守る者としては当然だろうしね。確かに人魚達は陸には侵攻しないが、海上を支配されたら大問題なのは解るから。だが、人魚達は決してそんな事はしない。説明しただけでは多分解らないだろう。だから自分で見て自分で理解して欲しい。将来の国王として」
はっきりと告げる、避けては通れないのも事実なのだから
「そうさせて貰うよ」
真っ直ぐな視線で答えるユージン
もう直ぐクライムに着く....




