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ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
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開拓

今回の対海賊戦で、俺は色んな事を知らされる事になりました


解っていたつもりでいた事は、あくまでもつもりでしか無かった事を。自分の認識と感覚がこの世界に対応しきれていなかったと言う事をも..



最初に、驚いたのは。海賊を船に引き揚げる時、引き揚げる時に回転させて向きを調節してから。うつ伏せ状態で甲板へ、そこで待っていたかのように躊躇なく後頭部に棍棒の一撃。予め用意して有った、輪を繋げたような紐に手足を通して縛るだけ。引き揚げた時に意識の有る無しの確認もしない



何故、確認しないのかと聞いたら。不思議そうな顔で

「そのような事をすれば、隠し持った武器で反撃され。死者が多数出ます」

考えたら当然の事を返され。自分が指示を出していたら、間違いなく出た犠牲者を思い。冷や汗を流す


俺の中で、少しだけ女神様の言葉が理解出来た気がした。躊躇無く殺せる時の自分の認識、躊躇う時の認識。


殺せる時の認識は、敵。戸惑う時の認識は犯人。敵に対して戸惑えば、自分が死ぬだけだ。犯人などと考えてる時点で前世の認識が確定する。一瞬の躊躇いが死に直結する世界では(疑わしきは殺せ)が生き残る術だし、俺も実行してきたハズだ。


怪しい迄が犯人、海賊は敵が確定しているのだから。敵以外には何も無い、敵に遠慮は要らない



ドサッ、ガコン!、キュッキュッ。ドサッ、ガコン!、キュッキュッ


理解が出来た今は、実に効率的かつ時間短縮にもなる作戦だ

獣人達は足を鎖で繋がれていたが。手を縛って座らされている



ヤールーが全ての海賊と獣人を収容したと報告してきた


ミニラに乗り商船へ移動する。ユージンが羨ましそうに見てくるが無視した。ミニラは船に降りられないので、船縁から差し出す手に飛び乗る


全ての商船にかなりの数の海賊と獣人達が縛られている。商船は面白い作りになっていた。甲板、漕ぎ座、倉庫の3重構造で、船尾から倉庫への直通の滑り台が付いていて。海賊は全て倉庫に転がされている


獣人達の中に20人程の女性が居て驚いたが、半数近くがお腹の大きな妊婦さんだった。流石に心が痛んで抵抗しない事を約束して貰い。手の戒めをほどき、足の鎖を切った



ヤールー達に船の護衛を任せ、船を港に返し。俺はミニラと海賊島に向かった



3つ島の有る海賊島の。1番陸に近い島の陰になるような位置の島に入江が有った。丸い小さな円のような入江の奥に幾つもの木で作った桟橋が有る。


地上に降りて、目に入った物は。地面に転がる40人程の海賊の死体と、一塊にされ縛られた30人程の海賊達。奥で忙しく動いている、騎士や兵士達。その手前に寝かされて居る死体であろう騎士と兵士が8人。その近くで蹲っている10人余りの負傷者達



近付くと、負傷者は体のあちこちから血を流しているが。命に別状はなさそうだが、その近くで2人の人間が回復魔法を掛けているだろうと思われる負傷者の姿を見とめて更に近寄る。


見ると騎士の右肩から眞下に向かって深い切り傷が有り。口から泡の混じった血を流しながら弱々しく咳き込んでいた。肺をやられているのだろう..多分持たない..


見過ごそうかと思って悩んだが、味方で有り、自分の作戦で出た犠牲者だと思い直した


「その怪我人の手当ては、私がする。他の者達の治療を頼む」

回復術士達に命じて騎士を抱き抱えて少し離れた桟橋の方に向かった場所に移動する


{ミニラ、俺に近寄る振りをしながら海賊の死体を1体俺の背中の方に蹴り寄せてくれるかな}

{わかったあ~まかせてパパ}


俺の体と負傷した騎士の体は、負傷者達の方に向いている。精一杯の偽装工作。騎士の胸に手を当てて魔力の同調をして。さりげなく斜め後ろに手を伸ばすと、死体の背中に触れた。流石はミニラだと感謝しながら、肺と太い血管と筋と神経の再生と少しの造血だけ済まし。外傷はそのままにして活性化の魔法に切り替える。



騎士の呼吸が穏やかになった頃、ガリウスさんが来た

「回復魔法も、お使いになれるのですか、それも見事な。その者は、私の腹心の騎士なのですが傷が酷く、諦めておりました。ありがとうございます」

ガリウスさんが頭を下げる


ふらつきながら立ち上がる演技をしながら

「必要以上の精神の集中と、大量の魔力の消費が必要なので。御覧の有り様です」

まだふらつく演技を続ける


「神業とも言える回復魔術、感服致しました」

又深々と礼をされてしまった..



疲れた演技を続けて少し離れた所に座り込んだ。演技が必要だったとは言え、動きを自分で縛ってしまい苦笑を浮かべた..



ガリウスさん率いる騎士と兵士120名と軍艦1隻を残して。海賊と捕虜の女性、獣人達と子供達を。2隻の軍艦に乗せてマルトークの港に向かわせる。


「ガリウス殿、後はお願いします」

俺とミニラはマルトークの港に向かう



この日ヤールー達を見て。驚きに捕らわれたままのメイメイの報告が海賊達により効果的に働いた事を。メイメイ達の存在自体すっかり失念していた俺が知るのは。又別のお話し



マルトークに戻ってヤールーから聞いた報告は。海賊島の人魚達と子供達を全員保護した事。海賊達の内20人余りがサメンに食われた事。船奴隷の獣人達は全て助けられた事。などだったが..


最後の船奴隷の獣人達を全員助けられた事によって。ここ数日、人魚達2000人余り。過剰戦力とも呼べる数を率いて来て。マルトーク領に対するパンや食料などの負担を心苦しく思っていたのが。少し軽くなったのは秘密です



夕暮れが近付くマルトークは、800人近く増えた海賊や獣人達の処遇に大騒ぎ状態


「義兄上、本日分の人魚達へのパンは半分で結構です。その代わり明日の朝食に用意して頂いている果物を頂いていきます」

これでも気を使ってるんです


「助かるよ、半数のパンと果物は後で届けさせるから」

ほっ、とした顔のリチャード



{ミニラ、カチュア伯爵の屋敷に行きたいんだけど頼めるかな?}

{良いよお~}


マルトークから1番近い大きな町は、50キロ離れた。カチュア子爵が住むカチュアの町。直線距離なら更に近い、ミニラなら直ぐだ..道に迷わなければ..



カチュアの町の門番に、ミニラを見て驚かれながら事情を話し。カチュア子爵邸に案内して貰う


「夜分に先触れも無く、突然に来訪する無礼を許して下さい」

軽く謝罪する


「何を仰る、ガンジー将軍。将軍は今、我々西の海に暮らす者達の為に海賊共と戦っておられる。要らぬ気遣いはご不要に願います」

微笑みながら言うおっさん..


「実は、頼みが有って来ました。明日からこれで賄える期間で結構ですので。毎日300人分の果物や甘い焼き菓子を、マルトーク迄届けて頂けませんか。と言いながら大金貨を5枚差し出す」

実は獣人達には沢山の子供達がいたのだ、子供には弱い..


「将軍、幾ら何でも大金貨5枚は多すぎます」

返そうとするカチュア子爵


「いえ、収めて下さい。無理を承知の願いですから。出来ればで結構ですが、昼時に間に合わせて貰えば嬉しく思います」

軽く頭を下げた


「努力致しましょう」


商談成立である



{ミニラ、待たせてごめんね}

{良いよお~}


マルトークに戻った俺にはサメンの肉以外は残っていなかった..

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