進言
怒濤の展開、いきなり王城にいます
本来はお城の内部、外観などの説明から入るのが王道なのでしょうが。爺ちゃんは途中で別の部屋へ案内され、たった一人で心の準備をする間もなく王様の前に立たされて。頭の中迄真っ白に..別に王族崇拝など欠片も持ち合わせて無いけど。クライム家の家訓のマナーなど云々の言葉通り習って無い..全く
仕方が無いので小説頼りに記憶から引用
「お初にお目に掛かります陛下。本日は北のドラゴンとの戦いに赴く所存で南の辺境より参上致しました、男爵ジョン・クライムが孫、ガンジーと申します」
片膝を就いて頭を垂れて一息に告げる
「ガンジーとやら、ドラゴンを率いていると聞いたが誠か?そのドラゴンを率いて北のドラゴンと戦うと申すか」
「はい、ドラゴンを連れております。二つ願いを叶えて頂けるなら。この命を賭けて戦います」
「願いとな、どのような願いじゃ言うてみよ」
「はい、一つは陛下と二人で話す事。今一つはその席でお願いしたき事がございます」
「願いは一つだがこの場では、話せぬ事だと申すのだな」
王様が一瞬考えるように黙った
「無礼者、男爵風情のそれも孫の分際で陛下と差して話し合いなどと、身の程を知れい!」
10名程居る文官の中でも身形の特に良い、初老の人になじられた
「承知致しました、御言葉通り身の程を知りましたので退出させて頂いて宜しいですか」
静かに立ち上がる
「勝手に何処へ行く!」
さっきの人に怒鳴られた
「たかが男爵の孫一人お役に立てそうも無いので辺境に戻ろうかと」
「帰るならばドラゴンは置いて行け!」
やっぱり..言う奴は居る
「置いて行くのは構いませんが、暴れるドラゴンが2体に増えるだけになると思いますが」
少し気迫を込めて言った
「待て、ジョンを呼んで命じさせても良いのだぞ」
余裕のある笑いを含んで王様が言うが、俺は下がる気は無いので思った事を伝えた
「御随意になさって下さいませ陛下、祖父は即座に自らの命を立ちましょう。私も続きますゆえ、屍が二つ出来るだけかと」
皆ごめんねと思いながらも引けなかった
「無礼者!衛兵、この者を引き立てよ!」
顔を真っ赤にして怒鳴るさっきの人、衛兵が来ても両腕を掴まれても全く抵抗も動じた様子もない俺、自分でも呆れる程自然体だった
「待て、ユージン。連れて行って話しを聞いてやれ」
「はい」
王様が止めて、ユージンて人に連れられて別室に案内された。
★★★
俺が去った後の王座の間の一幕(後から爺ちゃんに聞いた話しの再現)
「迫真の縁起だったのお、ライアン」
爺ちゃん
「言うなジョン、義理とは言え可愛い孫に。キツイ言葉を告げるワシの気持ちが解るか!」
マーニャ母さんの父
「所でジョンよ、あれは頼もしいのお。若い頃のお前以上よな頑固さも気の強さも」
王様
「陛下、合格点は頂けましたかな」
爺ちゃん
「うむ、あれならユージンを任せたいと思える。末恐ろしくも有るがな」
王様
★★★
「私は、国王の孫のユージン。父は皇太子です」
王様の孫、俺と同じか一つ二つ上かな?..王様が聞くのがマズイから代理って事かな..
「陛下の代理と考えて宜しいですか?」
「内容によりますね」
「率直に言わせて頂きます。北のドラゴンに負ければお願いの意味は無いので、勝った時のみのお願いになりますが。ドラゴンに対する対応に対して全権を頂けますか?」
「上級貴族の横暴に対処する権利ですか?」
「少し違います、全ての貴族、及び王家からのドラゴンと私への要求、要請、要望などの拒否権を国家が保証して下さる事。それだけです」
「王家もですか....暫く待ってて下さい」
王子様が出て行く
「解りました。証書を作りますから、暫く待って下さい。他に要求が有れば一応聞きますよ」
「負けた場合ですが、私とドラゴンが共に命を賭けて戦いますので今回の無礼は不問にお願い出来ませんか?多分ですが手負いのドラゴンを祖父が倒すと願ってますが」
「それは問題有りません、国家の為に戦って貰うのですから」
「勝った時ですが、倒したドラゴンを冒険者ギルドと同じ値段で引き取って頂けたらとは思います」
「それは王家としては望む所ですから喜んで引き取ります。報奨とか奨爵とかの希望を聞いて無いのですが?」
「無いです」
「え?どう言う事ですか..」
「地位も名誉も欲しく有りません。正直な所、のんびり暮らしたいので最初の要求をさせて頂いたのですが、変ですか?」
「少し待って下さいね」
又ユージンが出て行く。暫くすると近くの部屋で爆笑が起こったのが聞こえてきた。俺は自分が窮屈な思いをしてるので、少し羨ましく思った..気楽で良いなあ..帰りたい
「教えて欲しいのですが、どうして地位も名誉も必要無いと思えるのですか?」
ユージンが戻るなり聞いてきた
「出世すれば責任も苦労も増えます。私には優しい家族と守るべき部下達と相棒が居ますそれ以上は私の手に余りますので」
「それでも人は多くを望むのでは?」
「人の手に載る量には限りがあります。無理に載せれば溢れるものを選べ無くなります。私は溢れるものを選びたいし、なるべくなら溢したくないと思う方ですので」
「その年で老成し過ぎた感じがしますね」
「深く考えないで下さい、ただの横着者がここに居るだけです」
本心です。楽したいです。働き過ぎました..でも正解です中身は年寄ですから
証書が完成してユージンのサインを貰いやっと解放されたのは夜も更けた時間..翌日にミニラを見せる約束をして王宮を辞した。
侯爵邸に戻って爺ちゃんから茶番劇の真相聞き。爆笑の正体を知り、マーニャ母さんの父のライアン・カンデール侯爵を紹介され、謝られ。と唖然、驚き、恐縮とで更に疲れ退室して眠りに落ちた
翌朝起きた時には既に日が登り切っていた
肉体労働の方が精神労働より絶対に良い!年寄達の若者虐め反対
起きて顔を濯ぎ髪を直して部屋を出ると、外にメイドさんが待機していて食卓に案内された。食卓は前世のテレビで見たのと同じ長~い形で15人づつ対面で座れるようになっている。食卓には爺ちゃんと爺ちゃんと爺ちゃんの3人..ややこしい!
「良く眠れたか?ガンジー」
サリユース爺ちゃん
「はい、ありがとうございます」
「昨日は本当に済まなかった。許せ」
ライアン爺ちゃん
「気にしていませんので、お気遣いは不用ですよライアンお祖父様」
「ワシも許せ、ガンジー」
ジョン爺ちゃん
「お祖父様は騎士300を率いて速く御出発なさって下さい。替え馬の先触れはもう出されたのでしょう?」
「先触れは朝一で出させた。それより機嫌を直せガンジーよ」
「お祖父様は自分の決死の覚悟を芝居の種にされてもお怒りにならないのでしょうね、きっと。」
流石に怒ったのでまだ許す気はない
「ガンジーよ・・・・・」
「そうだよ、ジョンの所は出て家においで。嫁も10人でも20人でも貰って良いよ」
サリユース爺ちゃん
「な、な、何を言うか!サリユース」
ジョン爺ちゃん
「サリユースお祖父様、私には辺境が合っております。お祖父様こそたまには遊びに来て下さい。美女の100人に世話をさせて新鮮な魚介を御賞味頂きます」
「ライアンお祖父様も、お越し下さい。ジーンズも賢く元気に育っております可愛いですよ」
爺ちゃんはショボくれて北に向かって行った




