算数
家族の女性達に囲まれて
次々に差し出されるサンドイッチを食べている。いや、食べさせられている。
「これは私が作ったのです」
蜂蜜と果物の薄切りとで作ったケーキみたいなサンドイッチを差し出すメリーナ姉さん。かなり甘い..
「これは私が作ったのよ!」
ハムとキューリを鋏んだサンドイッチを差し出すアリーナ姉さん。ツーンと鼻に刺激臭が..食べると、口の中で黄色い辛味が広がり目にはジンワリ涙が..
どちらも姉さん達の性格がでてる
母さん達は笑いながら見てるだけで、助けてくれない..
「美味しかったです。お腹一杯になりました。ありがとうございました。姉上」
怒りを買わないように、逃げるのが大変だ..
「所で、アリーナ姉様。来年は御成人ですが、準備の方は進んでますか?」
まだまだ食べさせようとする姉さん達から逃げる為に無理に話題を降った。
「準備って言うか、女は計算が出来ないと駄目だから。って言われて毎日毎日計算ばかりさせられてる。嫌になるわよね!本当」
って言いながら顔をしかめてる。
「難しい計算なのですか?」
って聞くと、無言で立ち上がり。筆記具と紙を持って来て。15を6つ積み上げて下に線を引いて差し出すアリーナ姉さん。
「解らないでしょうけど、こんなのよ」
「90ですね」
即答すると
「え?え~っと、これとこれを足すと30で30と15足すと45で・・・・90って、あ、合ってる!」
縦に書いた15の横に順番に30、45、60、75、って書いて行き最後に下段の線の下に90と書いて酷く驚いた顔をする。
母さん達も、メリーナ姉さんも驚いた顔で俺を見てる。
「これは?今度は流石に解らないでしょ!」
と35が7つ積み上げられてた。
「245ですね」
又即答で答えると
「ここが70で、ここが、え、え~っと105でここが・・・・・245。又合ってる!」
自分が悩む問題出すなよな..って心の中で思ってると
「何で簡単に解るのよ!」
アリーナ姉さんが不満そうに聞いてくる。
答えかたを間違えると怒るのが解ってるので。慎重に、九九の説明をして2の段から9の段迄の表を書いてあげる。
「2が1つなら2、2が2つなら4でしょう、・・・9つなら18になります・・・・・・・」
「あんた、どんな頭してるのよ!..」
アリーナ姉さんに、呆れながら言われた。アリーナ姉さんの口調は昔からこんな感じです。
この世界に九九は無かったみたいです。
この程度は問題無いハズ。きっと..
「テレサ母様。最近悩んでる事が有りまして」
「どうしたの?」
「実は水魔法でどう頑張っても氷が出来ないのです」
テレサ母さんに魔法の疑問を聞いてみる事にした。
「水魔法だと無理だわね。やっぱりフラウ様にお願いしなきゃ氷は出来ないと思うわよ」
知るハズも無い事を知ってるのに、普通の事を知らない俺を面白く思うのか。テレサ母さんは、笑いを含みながら教えてくれる。
「見てなさいな、氷の世界を統べるフラウよ、古の盟約に従いその力を示せ」
ゴトッ、って音がしてテーブルに10センチ四方の氷の塊が出現する。
「テレサ母様。手本を示して頂きありがとうございました」
そっか担当が違ったんだと思いながらもう一つの質問をしてみようとした時に
「ガンジー、見事なダイヤウルフだな。あの大きさは初めて見たよ」
父ちゃんが入って来た。
「父上、又処分の方はよろしくお願いします」
「解った」
「テレサ母様、マーニャ母様、メリーナ姉様、アリーナ姉様達に、父上が先日新しく服を作ってやろうと仰ってましたよ。ねえ父上」
「お、おう。勿論だとも好きなドレスを作りなさい」
驚いたような、困ったような顔で答える父ちゃん
女性陣は、ワーキヤー言いながら笑いさざめいている。
「ガンジー、鹿を今焼かせているから。帰りに持ち帰って食べなさい」
落ち着きを取り戻した父ちゃん。
その日はサンドイッチと鹿の丸焼きがお土産。
当然の様に、ミニラのお腹にその殆んどが消えたのも又日常
あ!お湯の魔法は知らないそうです。
まあお風呂の概念が無い世界だからね。仕方ないや..




