最終話 それぞれの顛末
異世界転移者であるキョーコ嬢は、闇の魔法の使用者であること、聖女であるソフィアに危害を加えようとしたことが罪に問われた。
この世界の人間であれば闇の魔法使用者で事件を起こしたものは魔封じの上、北の塔への幽閉だ。
しかしキョーコ嬢はこの世界の人間ではないので、この世界からお帰りいただくことになった。
実は、異世界転移者は数十年に1度ではなく10年に1度は来ているらしい。それを王家が保護し、この国で適応出来るかなど調べ適さないものに関しては今回のようにお帰りいただくらしい。
聖なる森の奥には王家のみに伝わる洞窟がある。その洞窟は特別で異世界転移者を一晩閉じ込めておくと……翌朝には消えてしまうらしい。
それで元の世界にお帰りになったということになるらしいが、元の世界に帰れたかどうかまではわからない。
キョーコ嬢の取り巻きたちは心は操られていたということもあり、心の静養も含め3カ月の停学となった。これはかなり寛大な処分だと言えよう。
キョーコ様は事件から3カ月後の満月の夜に例の洞窟に閉じ込められた。そして、翌朝には姿が消えていたらしい。
「こんなシナリオは聞いていない」
「まだレアスチルを見たい!」
最後まで乙女ゲームのことを叫んでいたらしい。
事件が解決してすぐに、ソフィアがジュリアン様の婚約者に決定した。ジュリアン様の強い希望と聖女を囲いこみたい王家の利害が一致した。
ソフィアも王子様シチュエーションで2回も助けられれば落ちるだろう。いや、惚れないほうがおかしい。
「ソフィアの婚約が決まった時点で乙女ゲームは終了した」ということで私はリアム様の婚約者になるはずだった。
しかし、遅れに遅れていた魔法適応試験の結果が……異世界転生者の私はすごかった!水晶は七色に輝いていた!もう、隠しきれない感じで……ね、うん。
すぐに王城に連れて行かれ、異世界転生者であることがバレた。お父様もお母様もお兄様も驚いていた。
学園で学びながら王城の魔法使いによる異世界転生者の魔法についての研究にも協力した。
そして事件から1年後ようやく第二王子ウイリアム・ジャパネル殿下とスカーレット・ブルムーン公爵令嬢の婚約が発表になったのだ。
私が異世界転生者であることはごく限られた人間しか知らないことになっている。
異世界転生者は異世界転移者と異なりこちらの世界での戸籍もあり、貴族であれば身分の繋がりもある。この世界の常識もあるのでおかしな事もしないのにチートな魔法が使えるということで重宝され、女性であれば王族に輿入れすることがほとんどらしい。
ちなみに、リアム様のお祖母様であられる皇太后様も異世界転生者なのだそう。
なるほど、王家にチートな魔法が使える者がいれば王家の権威を保つにも役に立つし、王族が魔法の力が強い者が多いのはそのせいか。
リアム様は異世界転生者の話は詳しく知らなかったらしい。異世界転生者とわかった時点で王家に輿入れがほとんど決まっていたが、「あくまでも君は自分で選んだ婚約者だ」と話してくれた。
私も異世界転生者でというよりは、リアム様に望まれ私もそれを望んで婚約するほうがお互い幸せと言うものだ。
ただ1つ問題があるとすれば、王太子選考問題だ。まだ18歳まで期限はあるのだが、異世界転生者を婚約者に選んだリアム様、聖女を婚約者に選んだジュリアン様に比べ、長子のアルトリウス様が大きく出遅れてしまった形になってしまった。
この世界は婚約破棄、新たな婚約者を迎えることが18歳まではざらにある世界なのである。
また新たな問題が起きるのではないだろうか?
ああ、面倒くさい、逃げ出したい。
以上で本編完結となります。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
あと、番外編を1つ投稿して終わります。




