第14話 闇の魔法
本日で完結します。
学園に戻るとソフィアが何があったかゆっくりと話し始めた。
「実は、霧が濃くなった時に道を外れた先にスカーレット様の後ろ姿が見えたのです。こんな森の中でプラチナブロンドはスカーレット様しかいないと思い追いかけました。ふと気がつくとスカーレット様の姿は消え、目の前には大きな穴があったのです。なぜこんなところに大きな穴がと嫌な予感がして歩道に戻ろうとしたとき、ある人に背中を押されました。穴に落ち目の前に地面が迫りもうダメと思ったときに突風が吹いたのです。ジュリアン様の風魔法だったようで、私は穴に落ちることなく地上に戻ってこられたのです」
「そんなことがあったの!」
サーシャ様は手に口を当て驚いている。
確かにキョーコ様の取り巻きの中で背格好が私に似ている子がいた。それにカツラが足元に落ちていた。それを使ってソフィアをおびき寄せたのね。
「でも、魔法を使ったせいかジュリアン様が倒れられて……目を覚ましてと願ったら、以前のときのように金色の光が手から出てきました。それをジュリアン様の額に当てるとジュリアン様が目を覚まされたのです」
「僕はまだ魔法に慣れていないからね〜。2週間の練習じゃ、突風が限界だったみたいだよ。それよりも聖女様の光の魔法第一号になれて嬉しいなぁ」
ジュリアン様はニコニコと微笑んでソフィアの手を握りしめた。
――――――――
キョーコ様の手帳に書いてあったドキドキスチルのジュリアンルートでは、聖なる森の散策中に悪役令嬢スカーレットによってソフィアは小高くなっている歩道から崖下に突き落とされ転がり落ちる。ソフィアを探しに来たジュリアンが金色の光の元に行くと怪我をし気を失っている金色に輝くソフィアを発見、救出すると書いてあった。
キョーコ様はこれを再現しようとしたのだと思う。
その後の取り巻きたちとキョーコ様の話を合わせるとこうだ。
キョーコ様たちが前の授業で散策のルートを確認すると、そのルートではソフィアが落ちるような高さの崖がなかった。無いならば作ってしまえと取り巻きたちに事前に穴を掘らせたらしい。
取り巻きたちには「ソフィアが聖女になり異世界転移者である自分を疎かにしている。少し教育をした方がいい」と言って唆したようだ。
急に現れた濃い霧もキョーコ様の仕業らしい。キョーコ様の魔法はチートはチートでも闇の魔法のチートのようだ。
闇の魔法は霧を発生させる他にも人の悪意を増強させたりするらしく、前回の事件や今回の取り巻きたちを唆した時にも魔法を使ったらしい。
闇の魔法の使い手は闇の魔法を使った時点で基本的には魔封じを受ける。魔封じをするので調査はしっかりするし、現行犯での魔法使用の確認が必要となってくる。
今回は自然にソフィアと距離が空いてしまって見失ってしまったけれど、もともとは散策の順番を私たちの前にさり気なくすることでポイントに来たら私とサーシャ様を足止めし分断するつもりだったそう。濃い霧で私たちを分断し私に背格好が似た女生徒に金色のカツラを被せソフィアを誘導したらしい。
そして崖下に落とす代わりに予め用意していた穴にソフィアを落とそうとした。
ソフィアの背を押したのはもちろんキョーコ様だった。
そして現場に現れたウイリアム様とジュリアン様率いる騎士団に確保された。キョーコ様の腕にはめられたのは魔封じの腕輪らしい。
今は、キョーコ様と取り巻きたちは王城の貴族用の牢に捕らえられている。




