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第二話:速戦即決

第二話

 警備室の扉を開けて入ってきたのは知り合いの吸血鬼だった。

「あんた、何やってんの?」

 二か月も一緒にいたわけじゃあないが、ここまで驚いた顔は初めて見た気がする。

 いや、まぁ、確かに俺が女装していればこんな顔もするだろうがね。

「なんだ、吸血鬼って由乃の事かよ」

 警備員の女性は入ってきた女子生徒に対して敬礼し、動かない。

 知り合いの吸血鬼は凄く短いスカートを履いているおかっぱ頭の女の子だ。

 と、言うかあれだ。ここに俺を送りこんだ本人だ。

「もう一度聞くけど、何やってんの?」

「何やってんのって……お前が指示したからここにいるんだろ?」

「そうだけど。まさか信じてやっちゃうとはねー。女装して女学園に入りこめるわけ、ないでしょ。普通考えればわかるのに」

「お前が俺にこの制服渡して『成せばなる』とか言ってただろ」

「さぁ、どうだったかな。冬治が思ったより馬鹿だったのは意外だった」

 おかっぱ頭に散々言われて頭にくる。

 俺が何か言うよりも先に話を進めようと思ったのか、警備員さんが由乃に質問を始めた。

「由乃さん……この男子生徒はやはり協力者ですか」

「ええ、そうよ。表上は来年からの共学に先駆けて残りの期間を過ごさせる名目ね。実際はこの学園に吸血鬼以外の何者かがいるらしいのでそれを調べてもらう目的」

 どうみても年上に対して敬語も使わない由乃にちょいともやっとしながら先ほど外にいた女子生徒を探そうとした。

「ちょっと、冬治」

「何だよ」

「もうここにいなくていいから。こっちに来なさい」

 手を掴まれてそのまま警備室を後にする。

「おい、勝手に出ちゃったけど、いいのかよ?」

「いいわよ。それより今からあんたは2-Bに行きなさい。私は教室に帰る。一日終わったら校門前で待っている事」

 勝手に去っていこうとする由乃に、俺は声をかける。

「ちょっとまてよ、由乃」

「何よ?」

「お前、ここの学園の生徒だったのか」

「そうよ。そんな事でいちいち引き留めないで」

 すぐに背中を見せようとするので肩に手を掴んだままだ。聞きたい事が他にもある。

「あとひとつ」

「今度は何? 私は一年生よ。さっきの警備員が私に対して敬語を使っているのは向こうが勝手に私の方が年上って勘違いしているだけ」

「いや、そんな情報は要らない。今欲しい情報は……」

 俺は一呼吸おいて言った。

「男子の制服はどうすりゃいいんだ? さすがに、この女装した姿で行ったらまた捕まるぜ?」

 何と言うか、より女に近づく為軽く化粧までしているから怪しい状態だ。そして、危険な状況は未だに続いている。


透明人間と吸血鬼の組み合わせってどんなものなんでしょうか。梅とうなぎみたいな組み合わせなんですかね。そもそも、人間って目から光をとりこむから完全に姿を消しさることは無理なのでは……とか、言うのは無しでお願いします。

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