4-3
翌日。
「ふぅ、気持ちよかった。これからどうするの?まだ出発には時間があるよね?」
ホテルに用意された風呂から帰ったカリンが、眩しい朝日に背伸びしながら洗濯したてのシャツに袖を通しながら首を傾げた。
「ああ。寄る場所がある……お前は時間まで休んでいろ」
ホルスターに整備を終えた銃を収めながらロイが立ち上がり……当然の様にベストのボタンを留めながらカリンも続いた。
「聞こえなかったのか?」
「いいでしょ? チェックアウトはお早めに」
諦めたようにサドルバッグと装備を担いで部屋を出たロイに続き、いたずらっ子の様に微笑んだカリンが廊下から扉を閉めた。
「それで行く場所って?」
「馴染みの店だ」
「娼館?」
「……何?」
「お風呂使うときにホテルの人が」
「……随分とサービスの行き届いたホテルだな」
チェックアウトを済ませ、並んで舗装された街道を歩く。
洗練された街並みへカリンが物珍しそうな目を向け、いちいち目移りする。
「だいぶ雰囲気が違うね」
「随分と東に来たからな」
そうして、雑然とした市場を抜け、ロイは喧騒から外れた区画で足を止めた。
「銃砲店……?」
「前回は随分と弾を使っただろう」
「銃砲店ならさっき他にも。あ、ちょっと!」
返事をせずに店内に入っていくロイを追いかけ、カリンも店内に踏み入れる。
途端に広くない店のカウンター裏の壁にかけられたピカピカの銃に目が奪われた。
「いらっしゃい。おお、あんたか。保安官連中が騒いどったからもう来るだろうと思ってたよ」
古そうだがよく磨き上げられたショーケースも兼ねたカウンターの奥に座っていた老人がロイを見て顔をほころばせる。
「こいつに何か見繕ってくれ」
カウンターに座っていた老人が入店してきたカリンに視線を向けた。
「もちろん、お嬢ちゃん。ご希望は?」
「え?」
突然話を振られ、カリンは薄暗い店内の壁中に飾られた磨き上げられた銃や積まれた弾丸をぐるりと見まわし……それらをなんとは無しに眺めているロイのホルスターに視線が止まった。
「私のはあるから……えっと……それ」
カリンがロイを指さしたのを見た老人が目を丸くし、次いで口元をほころばせた。
「お嬢ちゃん、そいつは……」
「そいつは一点ものだよ」
カウンター奥の扉から女性の声が上がり……ついで日に焼けたラフな格好の女性が現れた。
「ロイ。街に寄ったんなら声かけろって言ったろ」
「ああ、だから来たんだ」
そう言うと、ロイはホルスターからリボルバー拳銃を抜いてカウンターに置いた。




