第15話 作戦会議 2
期間が開くと言いましたが、あれは嘘です。
第15話掲載させていただきました。
案内された会議室は、豪華な装飾がされておりアルマから見るとほとんど異世界のようだった。
会議室って言うか、もう高級ホテルそのものだな。このツボなんて一体いくらするんだ。
「この度は、お二人に、そしてエールハルトさんの領民の皆様にご迷惑をおかけしたことを心から謝罪します。」
一先ず、これまでの経緯と俺たちの事情のすり合わせから始まった。やはり、あの盗賊たちはバルト公爵から雇われているようだった。
ロムルスの護衛が到着した時には既に、盗賊たちは傷だらけ、中には重傷を負っている者もいたとか…。
まあ、これに関してはアイツらの運がなかったと言うだけの話ではあるが。
途中俺たちとすれ違っていたらしく、物凄い速さで駆け抜ける馬車を見た時は、呆然としていたらしい。
さすが、あのオヤジが育てた馬なだけはあるな。
大多数の盗賊は取られられたらしいが、いかんせん、頭は先んじて逃亡していたみたいで取られられなかったらしい。
後日、近くの街の詰め所に傷だらけで縄でぐるぐる巻きにされた状態で見つかったと言うのは別の話だ。誰がやったのかは見当がつくが…。
盗賊の件はいいとして、本題は納品についてだ。
俺たちがバルト公爵から渡された内容と、王都側が把握している物と照らし合わせると、これがまた全然違う。
納品数も半分ほどだし、上級回復薬に関しては、そもそも発注すらされていない。
それに、最近王都内で多発している回復薬の買い占めも殆どがうちの製品らしいし。
「王都内で出回っている回復薬のうち、貴方たちの回復薬は約4割を占めています。薬品に限らず薬草類まで広げると6割弱。これだけでもかなりの金額になっているはずです。」
そうなってくると、バルト公爵の懐は寂しくなってきているはずだが、話を聞く分にはまだ余裕がある。と言うより、むしろ肥えてきているらしい。
それも、他国に密輸してその差額で私服を肥やしているのか。
俺たちが今まで頑張って作ってきた回復薬を努力もせず利益を上げているなんて。考えるだけ腹が立ってきた。
「それと、私たちはバルト公爵に後ろ盾があるのではないかと考えています。」
今までは気づかれないよう行動してきたバルト公爵も、今回はなぜか直接エールハルトに頼みに来ている。それも変な話だよな。
バルト公爵が欲を掻いて足を出したか、それとも…
「尻尾切りか…ですね。」
エールハルトが、そう呟く。港近くに不審船が彷徨いてるらしいし、寧ろ見つけてくださいって言わんばかりだ。
バックについてる奴も、そろそろいい切り合いなんだろう。捨てられたな。
「今日の商談には私も参加します。相手も上手くいっていると思っているようですし、鼻っ面をへし折るのにも丁度いい。」
なんか…この人ちょっと楽しそうだな。まあ、この人たちがついてる方が安全って言えば安全か。
「それと、私の兵士たちも二つの隊に分かれます。一つはここで、もう一つは不審船近くに待機します。」
さっき手早く積荷を運んでいた人たちがその私兵だそうだ。
不審船の方では戦闘が起こる可能性が高いらしく、ロムルス選りすぐりの兵を送るらしい。
ちょっとそっちの方気になるんですけど。見てみたいけど、俺は確実にギルドの方だろう。残念。
「密輸は国賊と同義です。私たちで必ず捕まえましょう。」
そう言って固く手を握る。今回、海戦は諦めて仕事に集中しよう。家に帰るまでが納品だからな。
今からあのバルト公爵が絶望する顔が楽しみになってきた。
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